仕事、育児、介護...いま知りたいが詰まった4冊。

Culture 2021.07.31

苦境と戦うシェフたちの、これからを生きる仕事論。

『シェフたちのコロナ禍 道なき道をゆく三十四人の記録』

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井川直子著 文藝春秋刊 ¥2,090

コロナ禍で外食は標的にされた。客には自粛要請するけれど、店には十分な保障はない。理不尽な状況にシェフたちはどう立ち向かったのかをインタビュー。苦境に追い込まれたからこそ、自分の果たす役割を見つめ直したシェフたちの言葉は力強い。経験を生かし、知恵を絞り、自分なりの筋を通す。次の一手を打ち続ける彼らの考え方には、その先の未来を考えるヒントが満載。優れた仕事論になっていて、行きたい店が増えること必至。

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ひとりの青年が父親になる、アイスランド発家族の物語。

『花の子ども』

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オイズル・アーヴァ・オウラヴスドッティル著 神崎朗子訳 早川書房刊 ¥2,310

22歳のロッピは、母親が遺した希少なバラを遠くの修道院の庭園に植えるため、旅に出る。旅先に訪ねてきたのは、かつて一夜をともにしたアンナ。ふたりの間に生まれた赤ん坊を預かることに。ジェンダーギャップが世界最小と評されるアイスランド発の本作は、ひとりの青年が父親になるまでの物語。子どもが生まれたからといって結婚することが当たり前ではない国で、自分にとっての幸福を見つけていく過程をみずみずしく描く。

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認知症になった当事者は、こんな世界を生きている。

『全員悪人』

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村井理子著 CCC メディアハウス刊 ¥1,540

主人公は認知症になった義母。優秀なケアマネージャーも、彼女にすればいきなり家に入り込んできた怪しい人だし、家族に半人前扱いされることも不本意だ。親切な人に心を許せば、詐欺まがいのトラブルに巻き込まれる。折り合いの悪かった兄の死を描いたエッセイ『兄の終い』同様、家族が理解しがたい他者になった時、何ができるのか。当事者に寄り添うことで、シリアスな現実をタフに乗り越えるためのトリセツを教えてくれる。

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ハーブにハマったあの人に、贈りたくなる可愛い事典。

『ちいさな手のひら事典 薬草』

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エリザベート・トロティニョン著 新田理恵監修 ダコスタ吉村花子訳 
グラフィック社刊 ¥1,650

ラベンダーは古代ローマ人が入浴剤として使っていたことからラテン語で「水で洗う」を意味する「ラヴァーレ」にちなんでその名がついたとか。カモミールには頭痛や喉の痛みを和らげてくれる働きがある。ミントやオレガノなどおなじみのハーブからタンポポやゴボウなど身近なところにある意外な薬草まで全77種の由来や効能を解説。手のひらサイズでクラシックな装丁。レトロな挿絵も美しい事典は、贈り物にしても喜ばれそう。

*「フィガロジャポン」2021年8月号より抜粋

text: Harumi Taki

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