文/安部かすみ(在ニューヨークジャーナリスト、編集者)
アメリカでは2歳児が高IQ(知能指数)を取ったことが話題になった。
カリフォルニアに住むキャシュ・クエストちゃんは2歳8カ月にして、驚異的な高さのIQ146を取り、メンサ(Mensa、高知能者の交流を目的とした国際団体)でアメリカ人として最年少会員となった。
メンサの会員になるには、IQテストのスコアで上位2%に入る必要がある。キャシュちゃんのスコアは上位0.01%だった。
両親によると、キャシュちゃんは元素周期表のすべての名前を言うことができ、アメリカ50州の名前と形と位置を特定し、語彙力については最初の言葉を口にして以来急速に伸び、いまでは5つ以上の単語を組み合わせた長い文章で会話をし、英語のほかにスペイン語も話すことができるという。
父親によると、キャシュちゃんは自分の周りにあるものに興味を示し、知らないことや、どのような機能なのかを知りたい欲求が強く、「なぜ」という質問をよくするそうだ。そして新たに学んだ知識はすぐに使うという。
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メンサとは?
「メンサ」はラテン語で「テーブル」を意味し、人種や民族、宗教、年齢に関係なくあらゆる人々が円卓に集い交流できる場として、そのように名づけられた、そのように。1946年、法廷弁護士のローランド・ベリル氏と科学者および弁護士でもあるランス・ウェア氏により、イギリスで創設された。世界100カ国以上に4万5000人いるとされる会員は、あらゆる年齢層で構成されている。会員になるための唯一の資格は、IQテストで上位2%のスコアを獲得することだけだ。
テストはメンサが実施するテストを受験するか、別に承認された知能テストから資格に値するスコアを提出するかの2通りある。また本テストの前のプリテストを設けている国もあるので、興味があればオフィスに問い合わせるといいだろう。
日本にも支部があり、会員同士の知的交流の場や教育系のシンポジウムなどを提供しているようだ。
日本で会員になるためには、15歳以上に限って生涯3回まで判定テストを受けることができる。15歳未満の人は、保護者が子どもに入会意思があることや専門医による知能測定の証明書を提出する。ちなみにテストは現在、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、中止されているようだ。次回の開催時期などについて質問状を送ったが回答は得られなかった。
今回キャシュちゃんが注目されたことで世界的にメンサの名が知れ渡った。日本でも「うちの子もまさか」と思った親も少なくないのではないだろうか。
text: Kasumi Abe
在ニューヨークジャーナリスト、編集者。日本の出版社で音楽誌面編集者、ガイドブック編集長を経て、2002年に活動拠点をニューヨークへ。07年より出版社に勤務し、14年に独立。雑誌やニュースサイトで、ライフスタイルや働き方、グルメ、文化、テック&スタートアップ、社会問題などの最新情報を発信。著書に『NYのクリエイティブ地区ブルックリンへ 旅のヒントBOOK』(イカロス出版)がある。