ジャン=ポール・ベルモンドが体現したフランス流エレガンス。
Culture 2021.09.07
俳優ジャン=ポール・ベルモンドが88歳で亡くなった。なんでも着こなし、男らしさを前面に出しながらも端正な、ひとつのフランス流エレガンスを体現する俳優だった。
服を着替えるジャン=ポール・ベルモンド。 photo:Getty images
彼がファッションリーダーとみなされることはおそらく一度もなかった。だがベベルの愛称で親しまれたジャン=ポール・ベルモンドは確かにひとつのスタイルを体現していた。愉快で勝負好きで、ちょっぴり勇気があり、気取り屋だったりするけれど、魅力的だから多少の欠点は許せてしまう、そんなフランス男のスタイルだ。
彼はアマチュア・ボクサーであり、熟練したスタントマンでもあった。しかしながら何よりもそのカリスマ性が人々に鮮烈な印象を残し、数々の象徴的なルックを何十年にもわたり、スクリーンで見事に着こなしてくれた。1960年代の『勝手にしやがれ』でのチンピラの帽子に始まり、20年後の数々のアクション映画でのレザージャケット、70年代には色がど派手な衣装も。すべてが素晴らしくしっくりなじんでいた。
映画でもプライベートでも彼が特に好んだのは白のジャケットやスーツ、タートルネックセーター、そしてブルゾンや分厚い革ジャン。常にタバコや葉巻をくわえ、ときには笑顔もアクセサリーのひとつだった。人付き合いがよく、パーティーやカメラのフラッシュを好み、タキシードも完璧に着こなしていた。
数少ない晩年の写真はいつも笑顔でサングラスをかけ、きちんとした服装をしていた。これぞまさにひとつのフレンチスタイルだ。
text:Narjiss ESSAFI, Pascaline Potdevin (madame.lefigaro.fr)
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