英王室の反逆児、ハリー王子のスキャンダルの数々。

Culture 2021.09.16

長い間過去の重圧に苦しめられてきたハリー王子は、ようやく新しいバランスの取り方を見いだしたかと思われた。だが2020年1月、英国王室からの離脱を発表。9月15日に37歳の誕生日を迎えた王室の「反逆児」のやんちゃな姿を振り返る。

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結婚して父となったいま、ハリー王子は本当に落ち着いたのだろうか。 photo : AdrianHancu / iStock

「ダーティハリー」は終わりを告げ、「ミスター・メグジット」に——。一時は落ち着いたかに見えたハリー王子だが、2020年1月に王室の公務から離れることを発表し、再び世間を騒がせた。

9月15日に37歳の誕生日を迎えたサセックス公爵は、結婚して父となり、若い頃と比べるとはるかに落ち着いたイメージだ。

2018年5月に刊行されたアンジェラ・レビンの著書『ハリー、王子との会話』(1)に描かれた、ロイヤルファミリーの “悪がき”のやんちゃな姿を振り返ってみよう。

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「バッドボーイ」

おとなしい子どもだったハリーは、扱いにくい青年に成長していった。イートン校入学の1年前、13歳の時に母ダイアナを不幸な交通事故で亡くす。この出来事は彼の思春期を変え、彼の行動に大きな影響を与えた。けんか、教師へのいたずら、「スキンヘッド」……波乱万丈の中学生時代、ハリー王子は数々の非行を繰り返した。何年も後に、彼は自分を「バッドボーイ」だったと振り返っているように、この頃のハリー王子は、反抗的な姿勢を誇りとしていた。

16歳の時、彼は「金持ちの若い放蕩者」たちと肩を並べ、年に一度のポロ大会の際にはマルベーリャのナイトクラブに出没した、とレビンは著書で記している。

また、ハイグローヴでのヴァカンスでは、退屈しのぎに酒を飲み、タバコを吸い、「好ましくない仲間たち」とつるんでいた。同じ頃、ハリー王子とウィリアム王子は自分たちの敷地内の地下室をナイトクラブに改造し、「クラブH」と名付けた。

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「ハッシュ・ハリー」

ハリー王子は、マリファナが吸われる場所として知られる「ラトルボーン・イン」などのパブにも頻繁に通っていた。イートン校では、彼の部屋から漂う匂いにちなんで「ハッシュ・ハリー」というあだ名が献上された。向精神薬を使っているといううわさもあった。

学校の規則は厳しく、王室の末っ子は退学の危機に瀕していた。チャールズ皇太子が最悪の事態を避けるために全力を尽くし、辛うじて退学は免れたものの、成績は惨憺たるものだった。

しかし、イートン校3年生の時参加した英国国防省が支援する青少年のプログラム「コンバインド・カデット・フォース」がハリー王子に良い影響を与えることになる。イートン校にいた140人ほどの参加者の中で、彼は一番の成績を収めた。

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「ナチスのハリー」

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ナチスの腕章をつけたハリー王子の写真がニューヨーク・ポストの表紙を飾ったこともあった。(ニューヨーク、2005年1月) photo : Stephen Chernin / Getty Images

だが、心を入れ替えたハリーの中で悪魔が復活する。2004年、ナイトクラブの出たところで、彼は大勢のパパラッチに声をかけられ、そのうちの一人に暴力を振るって唇にけがをさせた。

同じ頃、カメラマンに向かって中指を立て、その姿がイギリスのタブロイド紙の一面を飾る。それから1年後の仮装パーティーには、鉤十字の腕章をつけた制服を着て登場し、翌日のサン紙には「ナチスのハリー」という見出しが躍った。

数カ月後、ハリー王子は軍隊に入隊したが、その後またもや新聞の見出しを飾ることになる。ストリップクラブにいるところを写真に撮られたハリー王子は、サン紙から再び「ダーティハリー」というニックネームを付けられたのだ。ユニオン・ジャックの下で現場に出る準備をしていたハリー王子は、ロンドンでの週末を利用して、シャンパンとレッドブルウォッカを飲み歩いていた。

マスコミからは「女たらし」と評され、当時ガールフレンドだったチェルシー・デーヴィーとの関係もぎくしゃくしていた。

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2007年には狙撃手としてアフガニスタンに派遣され、6年後に帰国。この帰国は、彼の軍人としてのキャリアに終わりを告げるものであり、うつ病(2017年に公表された)の治療が始まった。

いまでは多くの慈善活動に参加し、波瀾万丈の10代の頃と比べると、落ち着いたように見えるハリー王子。2018年5月19日にはメーガン・マークルと結婚し、2019年5月6日に息子のアーチー、2021年6月4日に娘のリリベット・ダイアナを得て、二児の父になっている。

(1)Angela Levin著『Harry, Conversations avec le prince』、Éditions Plon刊

text : Mooréa Lahalle (madame.lefigaro.fr)

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