フィリップ王配の遺言、90年間「封印」へ。

Culture 2021.09.22

9月16日、英国高等法院家事部長官はフィリップ王配の遺言書の非公開期間をおおよそ1世紀とする決定を下した。

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2021年4月9日に亡くなったエディンバラ公爵フィリップ王配の遺言はイギリス王室のプライバシーを守るため、約1世紀にわたって封印される。エリザベス女王90歳の誕生日祝賀会での女王とフィリップ王配。 (ロンドン、2016年6月10日)photo:Abaca

4月9日に亡くなったフィリップ王配の遺言書は今後90年間封印されることになる。BBCによると、この決定は9月16日に英国高等法院家事部のアンドリュー・マクファーレン長官によって下された。

今年7月、非公開で行われた調査において、エリザベス女王の弁護士と法務長官は非公開期間として125年間を主張していた。しかし裁判所は王室、とりわけ女王のプライバシーを保護するための「妥当にして十分な」期間は90年間であると判断した。マクファーレン長官は、「女王とその近親者の尊厳を守るためには、この限られたメンバー一人ひとりの生活のなかで純然たるプライバシーの保護を強固にする必要があります」と述べた。長官も原則に従い、署名日と任命された遺言執行者の身元以外、フィリップ王配の遺言の内容は知らない。

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ルールの変更

マクファーレーン長官による今回の決定は王室の遺言書に関する従来ルールを変更するもので、これまでは無期限で封印されていた。この無期限ルールはエリザベス女王の祖母、メアリー女王の弟であるフランシス・オブ・テックが1910年に亡くなった際に設けられた。フランシスはメアリー女王が大切にしていた高価なエメラルドを愛人のキルモリー伯爵夫人に遣ったのだった。

今後は90年後に王室の私設弁護士、イギリス国立公文書館館長、法務長官、そして故人の個人遺産代理人もいれば一緒に、全員立ち会いのもと、遺言書を開封して中身を吟味し、公開するかどうかを決定することになる。もっとも文書によってはたとえ一部でも未来永劫公開されない可能性もあり得る、とマクファーレン長官は述べた。

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金庫

マクファーレン長官が管理する金庫には、これまで逝去した英国王室メンバーの封印された遺書が30通以上保管されている。故王太后や、その妹で2002年に亡くなったマーガレット王女のものもある。

マクファーレン長官は今後、誰の遺言書を保管しているのかリストアップして公表する予定だと宣言した。ダイアナ妃の名前はリストに載らない。ダイアナ妃の遺言書は1997年の逝去後にすでに公表され、息子のウィリアム王子ハリー王子がそれぞれ25歳になったら財産の大半を受け継ぐことが明らかにされたからだ。

text:Camille Lamblaut (madame.lefigaro.fr)

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