トム・フォードの夫、リチャード・バックリーが死去。
Culture 2021.09.22
トム・フォードは、声明でリチャード・バックリーの死を発表した。ファッション・ジャーナリストのリチャードは、35年間にわたってこのアメリカ人デザイナーと人生をともにしてきた。
ザ・ビバリー・ヒルトンのガラに出席したトム・フォードとリチャード・バックリー。(ビバリーヒルズ、2008年11月5日) photo : Getty Images
スリムな体格、鋭い眼差し、控えめな笑顔。パーティーの席で、リチャード・バックリーは、35年間連れ添ったトム・フォードと常に一緒だった。
アメリカ人デザイナーは20日夜、リチャード・バックリーが死去したと発表した。「トム・フォードは、35年間連れ添った最愛の夫の死を、深い悲しみとともにお知らせします。リチャードは昨夜、ロサンゼルスの自宅で、トムと息子のジャックに見守られながら、静かに息を引き取りました。長い闘病生活の後の自然な死でした」
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一目惚れ
リチャード・バックリー(72歳)とトム・フォード(60歳)は、27年間生活をともにした後、2014年に結婚した。その2年前には、現在8歳になる息子のアレクサンダー・ジョンを迎えている。
ふたりは、出会った日のこと以外は、ほとんど自分たちの関係について話さなかった。出会いは、1986年のあるファッションショー。トム・フォードは、12歳年上のファッション・エディターに一目惚れしたと何度も語っている。
「(後にエレベーターで偶然再会した)彼はかわいらしく、すっかり興奮していた。彼はタップを踏みながら私を見つめ、魅力的になろうと一生懸命だった」と、トムは2011年の「OUT」誌で振り返っている。「そのエレベーターの中で、彼と結婚すると決心した。私はとてもプラグマティックな人間で、私たちには何かつながりがある、と感じたんだ。彼はパーフェクトな人で、フロアに着く頃には『よし、決まりだ』と思った。彼はとても落ち着いていた。とてもハンサムで、ネットワークが広く、大人で、威圧感があった。そして、彼は本当に私のことを追いかけてくれた。長い間追いかける必要はなかったけれどね。とてもわくわくしたけど、怖くもあった。彼は特別な人で、それまでに感じたものとはまったく違うものを彼に感じたから」。 その4週間後、ふたりは一緒に暮らし始めた。
リチャード・バックリーは、1979年にニューヨーク・マガジンでファッション・ジャーナリストとしてのキャリアをスタートさせた。その後、「ウーマンズ・ウェア・デイリー」や「ヴァニティ・フェア」などのアメリカの雑誌で活躍。また、「ミラベラ」誌のヨーロッパ編集者、「イタリアン・ヴォーグ」の寄稿編集者、そして「ヴォーグ・オム・インターナショナル』誌の編集長を務めた。
text : Sabrina Pons (madame.lefigaro.fr)