パリで堪能する『モロゾフ・コレクション』展。

パリにあるフォンダシオン ルイ・ヴィトンは、ロシアの国立エルミタージュ美術館、プーシキン美術館、国立トレチャコフ美術館の協力のもと、世界有数の印象派・近代美術コレクションである『モロゾフ・コレクション』展を、来年2月22日（火）まで開催。

ロシアの画家ヴァレンティン・セローフによる、イワン・モロゾフの肖像画。
Valentin Serov
Portrait of the Collector of Modern
Russian and French Paintings,
Ivan Abramovich Morozov, Moscow, 1910
Tempera on cardboard
63.5 × 77 cm
Tretyakov Gallery, Moscow

この大規模な国際展では、20世紀初頭のモスクワで、文化生活を支配した芸術パトロン、ミハイルとイワン・モロゾフ兄弟の現代アートコレクションの中から選りすぐった200点もの傑作が集結。このコレクションがロシア国外で展示されるのは、20世紀初頭に創設されて以来、初めてという稀有な機会になる。また、この本展は、フォンダシオン ルイ・ヴィトンが主催する『近代美術のアイコン』シリーズの第2弾となり、フォンダシオン ルイ・ヴィトンに130万人の来場者を集め影響力を持った展覧会『シチューキン・コレクション』展（2016年）に続くもので、『コートルード・コレクション：印象派への視点』展（19年）など、著名なコレクターや現代美術の先駆的な後援者に捧げるフォンダシオンのシリーズとして継続している。

『モロゾフ・コレクション』展の見どころは、全作品すべてと言えるほどで、その建築自体がアートの域であるフォンダシオン ルイ・ヴィトンのアイコニックな建物内すべてのギャラリーに作品が展示される。マネ、ロダン、モネ、ロートレック、ルノワール、セザンヌ、ゴーギャン、ゴッホ、マティスなどの名だたるフランス人アーティストの作品が、レーピン、ヴルーベリ、コローヴィン、ゴロヴィン、セローフ、ラリオーノフ、ゴンチャロワといったロシアの巨匠らの作品とともに並ぶ。本展のチーフキュレーター、アン・バルダッサーリが考案した『モロゾフ・コレクション』展は、驚くべき発見や忘れられない瞬間を盛り込み、歴史的な参照を喚起するユニークなデザインで、19世紀後半から20世紀初頭に出現した芸術的な近代性を象徴する作品の、時代を超越した性質を強調している。

この期間、もしパリに滞在しているならマストビジットの展覧会なので、この機会をお見逃しなく！

プーシキン美術館が所蔵する、ルノワールの印象派時代最高の絵画と評される『ジャンヌ・サマリーの肖像』も今回展示される。
Auguste Renoir
Portrait of the Actress Jeanne Samary, Paris, 1877
Oil on canvas
56 × 47 cm
Pushkin Museum, Moscow

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ゴッホが、地中海沿岸の漁村、サント・マリー・ド・ラ・メールに滞在したときに描いた風景画。
Vincent van Gogh
Seascape at Saintes-Maries, Saintes-Maries-de-la-Mer, 1888
Oil on canvas
44.5 × 54.5 cm
Pushkin Museum, Moscow

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エルミタージュ美術館所蔵、ゴーギャンがタヒチで描いた『果物を持つ女（どこへ行くの？）』。
Paul Gauguin
Eu haere ia oe (Woman Holding a Fruit); Where Are You Going?, Tahiti, 1893
Oil on canvas
92,5 × 73,5 cm
Hermitage Museum, Saint Petersburg

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フランク・ゲーリーが手がけたフォンダシオン ルイ・ヴィトン。ブローニュの森の秋から冬の風景を楽しみながらぜひ本展を訪れてみたい。
© Iwan BaanFondation Louis Vuitton, 2014