賞を一蹴!エリザベス女王にとっての「老い」とは?

Culture 2021.10.25

The Oldie(ジ・オールディー)」は1992年にイギリスで創刊されたシニア向けマガジン。これまでの29年間、その年に偉大な功績を残した高齢者に「オールディー・オブ・ジ・イヤー」という賞を授与している。

今年はエリザベス女王を選出。パンデミック中に国民を励まし続けたことへの感謝と、来年のプラチナジュビリー(在位70周年)への祝福がその理由だ。しかし王室に受理を打診した結果、「待った」がかかった。

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賞の選考委員長を務めていた作家のガイルズ・ブランドレスに宛てられた、レターヘッドに女王の避暑先のバルモラル城の印が入った手紙にはこう記されていた。

「女王への「オールディー・オブ・ジ・イヤー」受賞お伺いに感謝いたします。女王は、老いているかどうかはその人の感じ方によるものと信じています。この考えから女王は今回の賞には該当しないと感じており、もっと適切な方が選ばれることを望んでいます」

文末には女王のアシスタント秘書、トム・レイン・ベーカーの署名がある。

 

 

エリザベス女王は今年95歳。一般には高齢とされる年であっても、強い意志を携えて公務に取り組む姿はまさにこの信条そのものと言える。

過去の「オールディー・オブ・ジ・イヤー」の受賞者は、エリザベス皇太后(現女王の実母)やアーティストのデヴィッド・ホックニーら国を代表する存在といえる人物から、ノーベル賞受賞や元アスリート、さらには地域に貢献した看護師までと幅広い。女王の夫君、故エディンバラ公も、90歳の誕生日を迎えた2021年に贈られている。

フランスのマダムフィガロによると、10月19日にロンドンの高級ホテル、サヴォイで行われた授賞式にはカミラ夫人が出席したそうだ。義理の母の質実剛健さとは裏腹に、「オールディー編み物名人」などジョークをまじりの賞(大賞のほかに用意されていた賞)のプレゼンターを務めていたという。

text: Muyuki Sakamoto

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