エリザベス2世、あと2週間の休養へ。気になる体調は?
Culture 2021.11.01
現在95歳のエリザベス女王の休養期間が延びることになった。一泊入院して10月21日に退院した後の健康状態が懸念されている。
一泊入院してからというもの、95歳のエリザベス女王の健康状態が懸念されている。(ロンドン、2021年10月7日) photo:Getty Images
エリザベス女王は、グラスゴーで開幕したCOP26(気候変動枠組み条約締結国会議)への出席を取りやめ、さらに少なくともあと2週間は休養することになった。休養期間中の公式訪問は一切ない。バッキンガム宮殿が10月29日に発表したところによると、一泊入院してからの女王はビデオ通話による謁見などの「負担の少ない公務」を続けているものの、少なくともあと2週間は休養するように医師から助言を受けたそうだ。
さらに11月13日に開催される毎年恒例の戦没者追悼式典、「フェスティバル・オブ・リメンバランス」に出席できないことを女王は「残念に」思っており、その翌日にロンドンの戦没者慰霊碑の前で開催される「リメンバランス・サンデー」の式典には出席する「強い意向」を示していることも発表された。
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不透明さへの批判
エリザベス女王に休息が必要なことは10月20日に発表され、その翌日に一泊の検査入院となった。発表の前日にはウィンザー城のレセプションでボリス・ジョンソン首相やアメリカのビル・ゲイツらと談笑する女王の姿を見かけたばかりだった。女王の入院は2013年以来のことであり、「予備検査」のためということ以外、詳細は伝えられなかった。王室関係者によれば便宜的な理由で行われた入院とのことだったが、タブロイドのザ・サン紙が報じるまでバッキンガム宮殿の発表がなかったことは女王の健康状態に関する憶測を呼び、透明性欠如の批判が起きた。
女王がビデオ通話
その後、女王は「負担の少ない」公務を再開した。ビデオ通話でふたりの新任大使と謁見したり、直近では10月28日の木曜日、英国の詩人デイヴィッド・コンスタンティンとビデオ通話で謁見し、優れた詩集に対して英国王室が贈るクイーンズ・ゴールド・メダル・フォー・ポエトリーの賞を授与した。バッキンガム宮殿が公開した24秒のビデオには、スクリーンを介して詩人と話す女王の笑顔が映っている。
バッキンガム宮殿によれば、女王はCOP26の「レセプションに出席できないことに落胆し」つつ、会場で流す録画メッセージビデオを準備しているそうだ。またオープニングスピーチはチャールズ皇太子が代行する。72歳のチャールズ皇太子はイギリスであまり人気がないが、女王が渡航しなくなってからは外国で女王の代理を務めている。チャールズ皇太子よりもはるかに人気がある息子のウィリアム王子も頼れる存在だ。
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女王は激務
今週、AFPの取材を受けた王室ジャーナリストのペニー・ジュノールは、これが「ターニングポイント」になると指摘、「女王はこれまで20歳年下の人のペースで仕事をしてきました。今後は国民も期待値を調整し、女王が95歳であることを認識すべきでしょう」と述べたうえで、女王が姿を現す機会は減るのではないかと予想した。
来年には在位70周年のプラチナ・ジュビリーを祝うエリザベス女王は最近まで元気に公務をこなしていた。スコットランドのバルモラル城で恒例の夏休みを過ごした後は、ほぼ毎日のように公式行事に出席し、パンデミック前のペースに戻っていた。2019年には295回の行事に参加している。人々の目に触れないところでも政府の文書を確認したり、ほぼ毎週の首相とのミーティングを行ってきた。最近、エリザベス2世は杖をつく姿を目撃されたが、これは2004年以来だった。ザ・サン紙によると、ここ数日は愛犬コーギーの散歩もやめているそうだ。
text:Camille Lamblaut with AFP (madame.lefigaro.fr)