「これが私のカラダ」エムラタが公開したお腹の写真、物議をかもした理由は?

Culture 2021.11.30

長い間、女性が自分の体をコントロールする権利についての問題に取り組んできた、エミリー・ラタコウスキー。お腹をあらわにした写真をSNSに投稿し、自分にとって身近なこの問題について、議論を投げかけた。

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CFDAファッションアワードに姿を現したエミリー・ラタコウスキー。(ニューヨーク、2021年11月10日)photo: Getty Images

11月24日、29歳のアメリカ人モデルがインスタグラムのアカウントに1枚の写真を投稿した。2800万人のフォロワーを持ち、ロビン・シックの「ブラード・ラインズ」(11月に発表した著書「My Body」の中で、この撮影中に性的暴力を受けたと彼を告発している)に登場し、露出度の高いセルフィをたくさん投稿しているエミリー・ラタコウスキー。ここまでは、驚くにはあたらない。だが、常にその体形を自負し、世間に披露してきた彼女が、今回は口調を変えている。

この写真で彼女が見せるフェミニティは、いつもほど直接的でなく、抑制されていない印象を受ける。ローウェストのロングスカートに、クロップトップで美しいアブクラックス(おへそから胸まで、お腹の中心に縦筋が入った腹筋)を強調した写真に、彼女は、自分の外見が引き起こす批判への抗議行動にも似たコメントを添えている。「賛否両論を巻き起こすかと思い、この写真を投稿するのをやめようとも思ったけれど、でも、これは私の体、恥じるつもりはない」

彼女が間違っていなかったのは明らかだ。投稿の下に残された何千ものメッセージの中には、この目を引くお腹についてのコメントがいくつもある。

「彼女が不健康に見えるのは私だけ?」「この体、怖すぎ」「やりすぎでは……?」「あなたには胃がないの?」「誰かこの人にパンをあげて」などなど……。

 

 

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批判にさらされるお腹

究極のセクシー&マッスルとして礼賛するSNSユーザーがいる一方で、アブクラックスは痩身至上主義を推進するものだとして非難を浴びている。エムラタのせいだと言う人もあるだろう。彼女はそれを自分のウリにし、美の基準の一つとして、SNS上でたくさんのクレイジーなビューティチャレンジを誘発した。彼女のボディを非難し、女性の外見へ抑圧の象徴とする人たちに、 エミリー・ラタコウスキーはこう答える。

彼女いわく、イメージの権力は矛先を変えた。新しい規範によって、今度は、自分の体を露出し、好きなように享受する権利が脅かされているのか? という議論が生まれたのだ。なぜなら、たっぷりとした曲線美を公に嘲笑することは許されなくなったが、「完璧」すぎる体は容易に批判にさらされるのだ。

出産以来、彼女のお腹は、さまざまな議論の的になってきた。以前は、家父長制による男性目線に応じた、別格な美の象徴だった。妊娠すると、今度は、その腹筋が、期待された外見や母性と相反するものになってしまった。そしていま、彼女のお腹は、イメージの権利を守る運動家の役割へと変貌を遂げようとしている。

text: Sabrina Pons (madame.lefigaro.fr)

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