獅子座の空模様-石井ゆかりの星占い「2022年の年報」

Culture 2022.01.01

2022年 獅子座の空模様

獅子座の2021年は
「出会いと関わりの年」でした。
2022年は、
「踏み込み、引き受ける年」
となりそうです。

「出会い」や「関わり」には
ある種の距離があります。
テーブルを挟んで向き合い、
肩書きや立場を前提として、
ある種の枠組みの中で
車間距離を取って付き合います。
一方、
「踏み込む」時や
「引き受ける」時には、
間に挟まるものが消え、
枠組みも消え去ります。
お互いの間を隔てるものが消え、
互いを、多少
「守れなくなる」のです。

踏み込んだ時、
踏み込まれた時、
相手がどんなに信用できる人でも
私たちは無防備になり、
少し、リスクを負います。
「引き受ける」こともそうで、
一度引き受けてしまえば、
それに付随する問題もまた
ある程度は、
自分自身のものとなります。
報酬を受け取ったり
契約書にサインしたりすると
何かしらのリスクを負うことになるため
私たちは慎重になります。
「こんなお金は受け取れません」
「簡単に署名などできません」
と、心に鍵をかけることは
世の中を生きる上で
とても大事なことです。

2022年の獅子座の人々は
そうしたことをふまえた上で
あえて
「踏み込む」
「引き受ける」
ことを選択するでしょう。
なぜなら、
そこに特別な価値があるからです。
人生の中で贈られるギフトは、
「踏み込む」
「引き受ける」ことなしには、
受け取ることができません。
たとえば、
想像もしなかったチャンスや、
魅力的な提案、
誰かからの意外な愛の告白、
プロポーズ、
子どもを授かること、
贈与を受けること、
何らかの役割を「引き継ぐ」こと。
こうしたことは、
「その先に何が起こるか」を
あらかじめ知ることができません。
何が起こるかわからないのに、
それを引き受けるかどうか、
即座に判断しなければならないのです。
その先に喜びが待っていれば
「あの時の判断は、
大正解だった」
と思えます。
その先に困難が待っていたら
「あの時、よく考えて、
受け取らなければよかった」
と思うかもしれません。
それでもやっぱり、
困難を乗り越えられた時には
「いろいろあったけれど、
あの選択で正解だった」
と思い返すこともあるでしょう。

特に「かさこ地蔵」
のようなことが起こるかもしれません。
困っている人を助けたら
びっくりするような見返りがきた、
というような現象です。
「かさこ地蔵」では、
お地蔵様は助けを求めてはいません。
お地蔵様に共感した主人公が、
あえて一歩踏み込んで、
お地蔵様の寒さに
「コミット」したのです。

自分ひとりでは決してできないこと。
誰かが貴方のためを思って、
懸命に用意してくれたこと。
「ぜひ力を貸してほしい」と
頼み込まれることもあるかもしれません。
もちろん、貴方の側で
厳密に吟味、検討することができますし、
拒否することも自由です。
ただ、いつもの貴方よりは
2022年の貴方は多少、
間口が広くなっているようです。
いつもなら断るようなことも
「今の自分ならば、
できるかもしれない」
「この話には、
乗っておいたほうがいいかもしれない」
という思いが湧いてくるでしょう。
2022年に授かるものは、おそらく
僥倖であり、救いなのです。

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[愛について]

2021年は
「パートナーシップの年」
でした。
新たにパートナーを得た人、
すでにいるパートナーとの関係が
「リフレッシュ」した人もいるでしょう。
2021年に蒔かれた種を、
2022年は継続して育てていけます。
2021年はなんらかの意味で
「愛のスタート」を切った年でした。
2022年は、スタートしたものを
継続し、維持していく時間です。
2021年に愛を探したけれど
何も起こらなかった
という人は2022年、
さらに真剣な態度で
愛に取り組むことになるかもしれません。
そして、上記の
「踏み込む」
「引き受ける」経験を契機として
新しい愛に出会えるのかもしれません。

2022年の獅子座の愛の世界は、
少し複雑な状態になっています。
というのも、
もしかすると相手は
何かしら悩んでいたり、
孤独を感じていたり、
人生の転機に差し掛かって
不安を抱えていたりするからです。
相手の代わりにその問題を
貴方が解決してあげる、
というわけにはいきません。
ですが、
「自分は自分、相手は相手」と
完全に突き放すことも、
間違っているのだろうと思います。
自分自身の問題を抱えた人に、
外側から、何ができるか。
ここでも「踏み込み」の判断が
非常に重要になります。
踏み込むべきか、否か。
そこに「客観的正解」は
存在しません。

あくまでお互いの、
一対一の関わりの中で、
創造的に答えを探していく。
これが、2022年の
獅子座の愛の物語です。
困った時や寂しい時、
問答無用で助け合うのが愛です。
そういう意味で、
2022年は貴方の愛を
強く必要とする人がいます。
自分の愛によって、
何ができるのか。
何をすれば、
愛を与えられるのか。
貴方なりの答えを見つけた時、
びっくりするほど大きな愛が
貴方を包み込むはずです。

愛に追い風が吹くのは、
1月、3月から4月頭、
8月半ばから9月頭、
11月半ばから12月中旬です。

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[時期について]

1月は好きなことや、やりたいことに打ち込める時期。
とてもクリエイティブ。情熱的に動ける。
才能を活かした活動ができる。

1月末から3月頭にかけて、かなり忙しくなりそう。
やるべきことが山積みになる。あちこちから出動要請を受ける。
今の生活の条件や就労条件が合っていない人は、ここで生活改善や転職活動など、ドラスティックなアクションを起こせるかも。「新しい生活の仕方・働き方」を生み出せる時。

3月から4月半ばは、人間関係が一気に盛り上がる。
2021年に蒔いた種から芽が出て花が咲く。
出会いがあり、素晴らしい交流が生まれる。
タフな交渉に臨む人も。大きな成果を得られる。

4月から5月にかけては、経済活動に追い風が吹く。
パートナーや関係者の経済状態が好転する。
素晴らしい「ギフト」を受け取れるかも。

5月から2023年5月半ばにかけて、「冒険と学びの季節」となる。
遠出する機会が増える。精力的に勉強を始める人も。
発信活動にも追い風が吹く。知的活動が盛り上がる。
新しい専門分野を開拓する人も。
特にこの5月下旬から7月頭は、新境地を切り開く勢いが強い。

7月から8月半ばは、仕事や対外的な活動において、大勝負できる時。
周囲がびっくりするようなチャレンジができる。
既成概念を打ち壊すような挑戦。一皮むける。

8月下旬から2023年3月にかけて、「熱い夢と仲間の季節」に。
夢を叶えるために精力的に動ける。
夢を共有できる、積極的な仲間に出会える。
視野を広くし、ロングスパンでモノを考えて行動できる。

9月から10月は「失ったものが戻ってくる」時間帯。
失くしたものが出てくる。少し前の損失を取り返せる。

10月末から12月中旬は、家族や居場所に関してやるべきことが多くなりそう。
身近な人とじっくり語り合う時間を持てる。
「与えるもの」「受け取るもの」が多い時期。
いい意味で甘え合える。ワガママを受け止め合って、癒やし合える。
愛され守られる喜びを実感できる。

11月後半から12月中旬は、やりたいことに取り組めるクリエイティブな季節。
自己表現や自己主張の場に恵まれる。
仲間と一緒にそうした活動に取り組めるかも。とても楽しい時期。

12月は広がりのある多忙期に。
遠方から出動要請を受ける人も。

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2022年のテーマのひとつに「救い」があります。

2022年の木星と海王星に示される獅子座の「救い」とは、どんなものでしょうか。
「救い」は「危難から逃れること」「希望や明るさを感じさせ、気持ちをホッとさせること」などを意味します。苦しみから逃れさせてもらえるのが「救い」ならば、獅子座の「苦しみ」とはなんでしょうか。

獅子座は自己表現の星座であり、自己主張の星座である、と言われます。自分の内なるものを外側に輝き出させること、自分の力を試し、自分の強さを自他に証明すること。そうしたことが、獅子座の人々のもっとも大きな願いなのだと思います。ゆえに、自分の力を発揮できない場にいたり、自己主張を封じられたり、「自分」という存在が隠されているように感じられたりする時、獅子座の人々は苦痛を感じるはずです。また、獅子座の世界観に「肯定」があります。自己を肯定し、他者を肯定することが、獅子座の大きな使命なのです。ゆえに、人々が互いに否定的な目で批判し合うような環境では、強い苦しみを感じるだろうと思います。

2022年の「救いの星」、魚座の木星と海王星は、実は獅子座から見て「隠された場所」に位置しています。光が遮られた、ブラックボックスのような場所。あるいは、外からは見えない、下着のようなもの。さらには、財布や金庫など、貴重なものを守るため、外から見えないように厳重に格納しておく世界。そんな場所に「救い」が置かれているのです。これはどういうことなのでしょうか。

獅子座は自己表現の星座であるがゆえに、しばしば演劇と関連付けられます。古代の演劇では、俳優たちは皆、仮面を被っていたそうです。今でもたとえば日本の能では能面をつけて演じられますが、古い時代にはそれが一般的だったそうです。ゆえに、俳優の「優」という文字は、仮面を着けた人物を模しているといいます。仮面の下に、演技者の本当の顔が「隠されて」いるわけです。

仮面を被っていなくとも、演じる人、表現する人は、生身の人間である自分の何事かを「隠して」います。台詞はその人自身の言葉ではありませんし、演じている役柄もまた、その人自身のものではありません。自己主張する人、自己表現する人は、自分が打ち出すものを確かに価値あるものと感じ、自分の一部としつつも、それとは別に「素のままの、本当の自分」を隠し持っています。もし、この「ほんとうの自分」が「表現」から深い浸食を受けたら、どうなるでしょうか。その心は、大きなダメージを被るだろうと思います。

獅子座の「獅子」は、ネメアの獅子という化け獅子の皮です。この硬い皮を、鎧として被っているのが、ヘラクレスです。ヘラクレスはその素晴らしい力でたくさんの偉業を成し遂げますが、彼は自分を守るために、いくつもの功を引き受けていたのでした。身を守ることと、力を示すことは、表裏一体なのかもしれません。表現者であり主張する人である貴方の「救い」は、時に身を隠す場所を持つこと、「本当の自分」を大切に守ることにあるのかもしれません。

さらにいえば、「表現しない」時に表に出てくる「本当の自分」を生きることこそが、ひとつの救いとなる可能性もあります。表現し、主張することから離れる時に現れる、不思議な力もこの世には存在します。「隠す」ことによって表現される価値もあるのです。たとえば性的な価値はそのひとつです。また「現れるべき人が現れない」時、かえってその人の存在が注目され、重みを増す、といったこともよく起こります。大切な想いをあえて言葉にせずに行間に込める作家もいます。「表す」ことと「表さない」こともまた、作用と反作用のように結びついていて、そのことが貴方の救いになる、ということがあるのかもしれません。

表現を一時的にやめた時、初めて自分が表現する意味を悟る、と言った人がいます。光は影に、影は光に、それぞれ存在を守られているものなのかもしれません。2022年、もし疲れたり、苦痛を感じたりしたなら、誰かの後ろに、あるいは誰にも見えないところに、少しだけ引っ込んでみるのも一案かもしれません。光の当たらない場所で、貴方は自分自身の本当の光について、新しいことを知るのかもしれません。

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