天秤座の空模様-石井ゆかりの星占い「2022年の年報」
Culture 2022.01.01
2022年 天秤座の空模様
2022年、貴方から見て
すべてのボールが
「他者」の側にあります。
誰かが投げてくれたボールを
受け取ることもあれば
自分から相手のもとに出向き、
ボールを渡してくれるよう、
頼む場面もあるかもしれません。
いずれにせよ、
手持ちのもので何とかしようとか、
わかっている範囲で片付けようとか、
そうした発想は、2022年、
あまり役立ちそうにありません。
他者から何かがもたらされるか、
他者のところに出向くか。
そのいずれかがトリガーとなって
ドラマが進展するのです。
もちろん、
貴方の中に何もないとか、
蓄積したものが役に立たないとか
そういう意味ではありません。
むしろ、
貴方が時間を掛けて積み上げたものは
何よりも役に立つ年です。
経験値や、学んできたことや、
愛を注いで関わった「身内」の存在。
2022年の貴方は
これまで貴方が作ってきた
丈夫な「世界」に守られています。
ただ、その中だけに安住したなら
おそらく、何も起こらないのです。
新しい道具や力を試そうとし、
出会いを求め、
新たなフィールドを探しに出て初めて
2022年のポテンシャルが発動します。
世の中には
たくさんの人がいます。
イイ人もいれば、
そうでもない人もいます。
出会いのすべてが素晴らしい
と言えればいいのですが
実際、そうでもありません。
玉石混淆の中から
自分にとっての「玉」を見いだすのは、
並大抵の苦労ではありません。
出会って、傷ついて、
それでもまた出会って、苦労する。
そうした苦しみから逃れたくて
「出会い」自体を諦めたり、
拒否したりする人もいます。
孤独は人をさらに深く傷つけ、
命を危うくすることもあります。
「人」は、人間にとって
最大の悩みの種でありながら、
喜びの源泉です。
12星座中で、
もっとも「人」を重視するのが
天秤座の人々とされます。
人と出会い、関わり、
関係を結んでいくことは、
貴方の人生において、
とても大きなテーマです。
2022年は特に
そのボリュームが大きくなります。
多くの人に出会い、その中で
「大切な人」に巡り会って、
強い結びつきを育てる時間です。
2022年、貴方と「その人」は
一対一で向き合います。
最初は同僚とか近隣とか関係者とか
何らかの枠組みの中で出会っても、
だんだんにその「枠組み」は
無効化されていきます。
たったひとりの自分と、
たったひとりのその人と。
紙コップで作った糸電話のように、
一本の線として
繋がりが生まれるのです。
2022年は、
人に揉まれながら「役割」を見つけ、
さらに「役割」の外側で
心と心の結びつきを作る年です。
人が人を必要とする時、
その理由はさまざまです。
「役に立つから」
いてほしい場合もあれば
「何の役にも立たないから」
是非ともいてほしい場合もあるのです。
相手がなぜ自分を必要とするのか、
その理由が
まったくわからないこともあります。
相手がなぜ、自分を欲するのか、
その理由がわからない時、
貴方はどうするでしょうか。
相手の求めに応じるか、
それとも、問いただし、
あるいは背を向けるか。
2022年の貴方は、
相手の中にある
「わからない部分」に対し、
かつてとは違う態度を取るようです。
信じる心、受け入れる心。
人との関わりを通して
2022年は大きく成長できますし
また、新しく遠い場所まで
連れて行ってもらえる年でもあるようです。
---fadeinpager---
[愛について]
2021年は「愛の年」でした。
2022年は5月から、
「パートナーシップの年」
に入ります。
愛を探している人、
パートナーを得たい人には、
2022年から2023年前半は
素晴らしいチャンスの年です。
「愛の年」の2021年に
「何もなかった」という人も、
2022年、大きな希望があります。
すでにパートナーがいる人は、
パートナーとの関わりの密度が
例年よりも濃くなるでしょう。
一緒にいる時間が増えますし、
共同で取り組まなければならない
特別なミッションもありそうです。
ともに行動するにあたっては
役割分担が大切です。
さらに、役割分担を、
一歩も二歩も
「はみ出す」ことも、
とても大事なポイントです。
お互いの領域に
少しずつはみ出しておくこと。
時々役割を交換したり、
相手のやっていることに
フラットな興味を持ったり。
そうしたことが、
いざという時、
大きな力になります。
「当たり前」からの
「無関心」は、
パートナーシップにおいて
もっとも怖いことなのかもしれません。
もちろん、
相手のやることを監視するとか
あれこれ干渉する
常にベタベタと支配し合う
といったことは、
互いの人格を尊重しない、
間違った態度だろうと思います。
互いの自由な生き方を
尊重し合ったうえでなお、
相手に興味を持ち続ける
ということは、
なかなか難しいことですが
2022年の貴方の世界では
自由の中に結びついた関係を
豊かに育てていけるはずです。
2022年、
愛を疑いたくなったり
愛し合っているのに
なぜか孤独を感じたり、
シニカルな気持ちになったり
愛を遠ざけたくなったりする、
そんな場面もあるかもしれません。
これは決して「悪い予兆」
などではありません。
むしろ、
愛についてより真剣に、
誠実になろうとする
貴方の心の表れです。
あるいは、
長い時間をかけて愛を生きるために
「レールを敷く」ような作業が
そこに発生しているのかもしれません。
コツコツとレールを敷くのは
あまり刺激的な作業ではありません。
楽しくないな、おもしろくないぞ、
と感じられても、
レールは少しずつ延びていき、
その後ずっと使い続けられます。
愛に特に強い追い風が吹くのは
3月から4月半ば、
5月から7月頭、
9月末から10月です。
---fadeinpager---
[時期について]
1月から3月頭にかけて、「居場所が動く」時期となる。
引っ越しや模様替え、家族構成の変化など、「いつもの風景」に目立った動きが起こりそう。
身内の誰かが人生の転機に立ち、それをサポートするために自分の生活も変化する、といったことも起こるかも。
1月は特に「移動」が多くなるかも。フットワークよく動いて、行動範囲を拡げられる。
知的活動にも熱がこもる。精力的に勉強できる。
コミュニケーションが盛り上がる。
3月から4月前半は「愛と情熱の季節」。
好きなことに没頭できる。才能を発揮する場に恵まれる。
大恋愛をする人も。2021年に蒔いた種が開花するかも。
4月から5月はとても忙しくなる。誰かのために自分の力をフルに活かせる。
重要な役割を引き受けることになるかも。転職活動をしている人は、このあたりで結果が出そう。
自分に合った生活のあり方や働き方を模索できる時。
5月から2023年5月にかけて「人間関係とパートナーシップの季節」となる。
出会いが増える。人と一緒に行動する機会が増える。
パートナーとの関係が大きく進展する。
特に5月下旬から7月頭は、熱い交渉に臨むなど、ぶつかっていく場面が多いかも。
7月はキラキラしたチャンスが巡ってくる気配が。注目されたり、高く評価されたりする時。
8月下旬から2023年3月にかけて、熱い冒険と知的活動の季節となる。
新しい専門分野を開拓する人も。資格取得などにも勢いが出る。
留学や出張、遠征などで大きな成果を出せる。
特に8月末から10月は、「人に遠くへ連れて行ってもらう」ようなことが起こりやすい。
9月半ばから10月は、一度立ち止まって過去を振り返るような場面も多そう。
やり直しや見直しの作業の中に、宝物が詰まっている。
先を急がず、柔軟に動きたい時。
10月末から12月中旬は、年明けから5月頃までに取り組んだことに再度、挑戦できる。
「その先」に繋げていくための作業。
11月後半から12月中旬は、活発なコミュニケーションを楽しめる。
かなりダイナミックな議論に巻き込まれる気配も。
論争はスケールが大きいほど勝算が高くなる。
年末は家族から遠くにいる人まで、いろいろな人と濃密に関わることになりそう。
人に囲まれる、賑やかな年の瀬になるはず。
「福の神」のような人が何人も、貴方の元を訪れる時。
---fadeinpager---
****
2022年のテーマのひとつに「救い」があります。
2022年の木星と海王星に示される天秤座の「救い」とは、どんなものでしょうか。
「救い」は「危難から逃れること」「希望や明るさを感じさせ、気持ちをホッとさせること」などを意味します。苦しみから逃れさせてもらえるのが「救い」ならば、天秤座の「苦しみ」とはなんでしょうか。
天秤座は美の星座であり、調和の星座です。エレガントに洗練された姿勢、他者に対して知的配慮を怠らない態度が、天秤座の基本的な世界観です。調和が壊れ、和が崩れ、知的態度がゆがむ時、天秤座の人々は恐れや怒りを抱きます。「こうあってはならない」という厳しい思いが自分や他者に向かい、鋭い批判の刃がきらめきます。
2022年、木星と海王星の位置する魚座は、天秤座にとって「責任、義務、ケア、日常、健康」などを象徴する場所です。たとえるなら「よそいきの服をまとってお客様を出迎える」「美しいテーブルマナー」といったイメージが天秤座の世界観だとするなら、2022年の天秤座の「救い」の場所は、言わば「ケアの場」です。「ケアの場」には、客間に出せるようなものはほとんどありません。子育てでも介護でも、おむつを替えたり、お風呂に入れたり、身体を拭いたりと、「他者に見せないもの」がそこには詰まっています。どうしてこれが「救い」になるのでしょうか。
美しいインテリアに輝くような部屋は、必ず誰かが掃除しています。バレリーナの足の指がアザやタコでいっぱいだったり、いつも笑顔で優しく振る舞う人の心が恨みや妬みでいっぱいだったりすることは、珍しくありません。人間はつい「目に見えるもの」だけに惑わされ、それだけがすべてだと思い込みがちですが、実際は「その裏側」「その向こう側」にある見えないもののほうが、膨大な現実なのです。天秤座の人々が愛するエレガントな調和の美は、その向こう側に隠されて見えていないものに立脚しています。おそらく、「隠されているもの」を「なかったことにする」のでは、天秤座的な努力や苦悩は「救われない」のではないかという気がするのです。
貴方が生み出している美やイメージは、その裏にあるものを連想させないかもしれません。でも、貴方自身はもしかすると、「裏にあるもの」をいつか、何らかの形でわかってほしい、と感じているのかもしれません。それこそが希望であり、救いなのかもしれません。貴方の穏やかな笑顔の向こうには、想像を超えた緊張やプレッシャー、神経質な苛立ちが詰まっているのかもしれません。貴方はそれを決して見せることはありませんが、それでもいつか、何らかの形で理解されたいと願い、貴方自身もまた、他者のそうした思いを汲み取りたいと思っているのかもしれません。
「救い」は、外部からもたらされます。貴方の美の世界の外側から、2022年は何らかの救いの手が差し伸べられる可能性があります。誰かが貴方をケアしたいと思った時、貴方は自分のいちばん弱い場所、ケアを必要とする場所を、その人に見せることができるでしょうか。「患部を見せる」ことは、貴方にとっては辛く苦しいことかもしれません。でも、それをしなければ、ケアを受けることはできないのです。それを可能にするのは、2021年に貴方が見つけた、愛の力なのかもしれません。