射手座の空模様-石井ゆかりの星占い「2022年の年報」
Culture 2022.01.01
2022年 射手座の空模様
「彼を知り己を知れば
百戦あやうからず」。
2022年の射手座の星回りを見て
この言葉が思い浮かびました。
ただ、2022年の動きから見て、
順序は逆です。
つまり、
「己を知る」ほうが先で、
1月から5月頃。
次に「彼を知る」のが、
5月から2023年前半なのです。
さらに言えば、
2022年10月末から12月、
「己を知る」時間が再び訪れます。
そして、
「彼を知る」時間と
「百戦」する時間は、
8月以降に重なっています。
年明けから5月にかけて
貴方は、
自分がどんな場に生きているかを知り、
自分が何を持っているかを知り、
それらをさらに豊かに育てます。
自分に属するもの、
手の中にあるもの、
自分を支え守るもの、
関わってくれている身内。
これらを知ることは、即
「自分を知る」ことに繋がります。
「自分」とは何か、
その核心を見つめようとすると
モヤモヤして、
何も見えなくなるのですが、
自分が持っているものや
住んでいる場所、部屋、
関わっている人々の姿など、
「周りにあるもの」
を見渡していくと、
ぼんやりと
「今の自分像」が浮かび上がります。
これはもちろん
他人と比較するものでも
「平均」と比べることでもありません。
「自分」を知った後、
今度は「彼」のことを知りたくなります。
格言として用いられる場合
「彼」ではなく「敵」とも言います。
これから闘うライバルがいるなら、
その人のことを知りたくなるでしょう。
心惹かれる人物がいたら、
その人をもっと知りたくなるはずです。
「貴方のことをもっと知りたい」
というのは口説き文句の代表ですが、
相手が敵であれば、
自分を知られることは危険です。
また、恋愛の入り口であっても
知られたくないことは
いろいろあるかもしれません。
人を「知る」のは
あまり穏やかなことではありません。
相手を知ろうとすれば
自分を知られることになります。
ひとつ質問を発しただけでも
「なるほど、
そういう分野に興味があるのか」
と「知られて」しまいます。
古語では「相知る」で
ふたりの契りを意味することもあります。
そもそも
「まだ自分は、自分をも相手をも
よく知らないのだ」
と思わなければ、
「知りたく」なりません。
「自分はまだ知らないのだ」
と考えることは、
弱さを認めることに通じるので
これ自体がひとつの難関です。
リスクを取ってでも
人を「知ろうとする」のは
どうしてでしょうか。
2022年の射手座の世界では
それは、愛のためかもしれません。
あるいは「対決」すべき
誰かがいるのかもしれません。
「愛」と「対決」では
大きく違っているようにも思えますが
たとえば、スポーツや碁将棋など
「勝負」の世界では、
対戦相手は互いの力が拮抗するほど
深い相互理解で
「通じ合っている」ように見えます。
愛の場でも「対決」はありますし、
対戦の場でも、情愛は湧きます。
2022年、両者の区別は
貴方の世界では、
あまり判然としないかもしれません。
誰かと真剣に向き合う時、
誰かに強く惹かれた時、
私たちは、
新しい自分を知ります。
射手座の2022年は、
闘うために自他を知るのではなく、
対決をとおして自他を知る、
そんな熱い時間になるようです。
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[愛について]
5月から2023年5月は、
射手座の「愛の季節」です。
大恋愛をする人もいれば、
パートナーを得る人もいれば、
子どもを授かる人もいるでしょう。
愛が増える時期、
愛に満たされる時期なのです。
射手座にとって愛は、
どちらかといえば
「追いかけるもの」です。
愛を追いかけている時、
射手座の人々はとても生き生きとして
誰よりもロマンティストになります。
ですが、2022年の愛は
おそらく
「対峙するもの」
「真剣勝負の場」
となるようです。
真正面から向き合って、
スリリングな斬り合いのような、
熱いやり取りを重ねることになるのです。
ゲーム的な駆け引きや、
作為的な演出などは、
かなり難しいかもしれません。
なぜなら、相手の力がおそらく、
貴方と拮抗しているからです。
この「勝負」のような愛の物語を
貴方がどのように生きるのかは
貴方自身がもちろん、
選び、決めることができます。
ただ、一度その世界に踏み込んだら、
きっと、貴方自身も、
変わらないわけにはいかないようです。
相手も貴方との関わりをとおして
大きく変容するでしょう。
真剣勝負をすると、
人は少なからず変わるもので
多くの場合、成長するのです。
愛に追い風が吹く時期を
ここにいくつかピックアップするのですが、
射手座の2022年は、
5月以降がすべて「愛の季節」です。
1月、そして3月下旬から4月中旬にも、
「予告編」的なことが起こるかもしれません。
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[時期について]
1月は引き続き、2021年12月からの「勝負の時間」。
アクティブにガンガン挑戦できる。
また、1月から3月頭まで、経済活動が大きく盛り上がる。
欲しいものが手に入る。収入が増える。2019年頃に蒔いた種が実を結び、収穫できる時。
3月から4月前半は、2021年に取り組んだことの「続き」の作業ができる。
勉強や研究、発信など知的活動に勢いが出る。行きたかった場所に行けるかも。
コミュニケーションの輪が拡がる。たくさん話ができる。
4月から5月は「居場所、家族、ルーツ」に関する活動に全力を注げる時期。
身近な人とじっくり向き合える。引っ越しや家族構成の変化などが起こるかも。
「居場所を作る」作業が進展する。
5月から2023年5月にかけて「愛と創造の季節」となる。
恋愛はもとより、愛するもの、好きなことに注力できる時。
才能や個性を発揮する場に恵まれる。クリエイティブな活動において「ブレイク」できる。自分が何をするべきなのかわかる。自分の本質に触れるようなタイミング。
特に5月末から7月頭は、情熱的に取り組める。やりたいことに全力投球できる。
7月から8月前半は、とても忙しくなりそう。
やることがてんこ盛りに。ただ、新しいやり方を実験するチャンスとなるかも。試してみたかったことにトライできる。
8月下旬から2023年3月にかけて、「対決・真剣勝負の季節」となる。
パートナーと向き合う人もいれば、ライバルと競い合う人もいるはず。タフな交渉に臨む人、何らかの決着をつけるための「話し合い」を重ねる人も。手加減せず、まっすぐにぶつかっていって、得るものが多い。「丸く収める」必要はないはず。
8月末から10月にかけて、なつかしい人たちと再会できそう。かつて一緒に活動した仲間と、もう一度チームを「再結成」することになるかも。
10月末から12月中旬は、年明けから5月に取り組んだことの「続き」のプロセスが展開する。家族との関係を深めたり、「居場所作り」の仕上げをしたりできる。
11月半ばから12月前半は、忙しくも楽しい季節。新しいことがたくさんスタートする。刺激的な人々と、心からやりたいことに取り組めそう。
年末は経済的にも上昇気流を感じられる。
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2022年のテーマのひとつに「救い」があります。
2022年の木星と海王星に示される射手座の「救い」とは、どんなものでしょうか。
「救い」は「危難から逃れること」「希望や明るさを感じさせ、気持ちをホッとさせること」などを意味します。苦しみから逃れさせてもらえるのが「救い」ならば、射手座の「苦しみ」とはなんでしょうか。
射手座は、自由の星座です。旅と哲学の星座であり、理想を描く星座でもあります。真理を追い求め、どこまでも突き進み、帰り道のことはあまり考えません。射手座の人々にとって、ひとつの場所に縛られることや閉じ込められること、自由な行動を制限されることなどは、おそらく、もっとも苦しいことだろうと思います。変化のない環境や、言動の自由がない世界は、呼吸ができないのと同じくらい、辛く感じられるかもしれません。
2022年、木星と海王星が並び立つ魚座は、射手座から見て「居場所、家、ルーツ」を象徴する場所です。旅と自由の星座である射手座にとって、なぜ「帰るべき場所」が救いとなるのでしょうか。
おそらく「ここではない、どこかへ」と旅を続けてゆくとき、やがて旅自体が、ひとつの牢獄のように感じられることもあるのではないかと思うのです。移動し続けること、あらゆる場所を後にすることは、「今いる場所」を常に否定し続けていくようなものです。その移動には、いつか外部がなくなってしまいます。もし、すべての場所に行き尽くすことができたら、旅は終わります。もうどこにも行きたいところがない、という状態は、怖ろしい閉塞のイメージです。
居場所や家は、それ自体がミクロコスモスです。成長も変容もしますが、変わらずそこにある普遍的な場所です。あるいはそれは物理的な「場所」ではなく、ある種の集団やコミュニティ、あるいは特定の、たったひとりの人物を意味する場合もあります。「帰るべき場所」「居場所」こそは、「旅」の外側の世界です。射手座の人々にとって「居場所」が救いとなる、その現実感は、旅をし尽くして旅の本質を知りかけた本人にしか、実感できないのかもしれません。2022年の貴方が旅に疲れている、ということではもちろん、ないのですが、貴方にとっての「外部」はもしかするとほかの人から見れば「内部」のような場所であり、そこから生きるための新しい空気を取り入れることができる、ということなのかもしれません。