ダイアナ妃とドレスがかぶった女性に、女王が見せた優しさ。

Culture 2022.01.25

コミカルで面白く、そしてとても困ったエピソード——アメリカ版「ヴォーグ」で、ナターシャ・フェアウェザーが、1985年のあの印象的な夜のことを打ち明けた。ダイアナ妃と同じドレスを着て、彼女と対面したときのことだ。

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マレー・アルベイドがデザインしたドレスを纏ったダイアナ妃。(イギリス、1985年12月) photo: Getty Images

大切な夜が近づくと、ゲストの中で目立つ衣装選びが欠かせない。そして、ドレスが他の人と同じようなものにならないように、オリジナリティが重要だ。しかし残念ながら、ナターシャ・フェアウェザーは、自分のドレスが他人とかぶるという悲劇に見舞われた。さらに悪いことに、その夜、彼女と同じドレスを着ていたのは、あのダイアナ妃だった……。

昨年12月、ナターシャはアメリカ版「ヴォーグ」で、自分の運命が一夜にしてダイアナ妃と結びついた瞬間を回想している。

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「ゆっくり楽しんでいってね」

物語の舞台は1985年。エリザベス女王の末っ子、エドワード王子と同じクラスの生徒だったナターシャ・フェアウェザーは、ウィンザー城で行われた王子の21歳の誕生日パーティに招待された。ゲストの中には、レディ・ヘレン・ウィンザー、レディ・サラ・アームストロング=ジョーンズ、ジェームズ・オグルヴィといったエドワード王子のいとこたちがいた。

「エドワードとは大学の同級生だけど、まったく面識がありませんでした。ジェームズ・オグルヴィとは、2カ月前、パーティーで知り合ったばかり。私の住む世界ではなかったけれど、招待を受けたのです」と現在、著作権エージェントを営むナターシャは振り返る。

招待状を手にし、次に重要なのはドレス選びだ。うわさによれば、エリザベス女王も、もう一人の息子であるチャールズ皇太子とその妻ダイアナ妃を伴って、そのパーティに出席することになっているという。「姉がロンドンに住んでいて、彼女は私よりもずっとグラマラスだった」とナターシャ。「彼女が、セールで買ったこの素敵なドレスを持っていたんです」と、ヴォーグの取材に応えている。

そのドレスとは、背面に白いドレープが付いた、デザイナーのマレー・アルベイドによる気品のある黒いビュスチェドレス。そしてそれは、その夜、ダイアナ妃が選んだものと同じものだった。

 

マレー・アルベイドのこの印象的なドレスがずっと好きだった。彼女はこのドレスを5回(83年、85年(×3)、87年)も着ていたのだから、きっとお気に入りだったんだろう! #PrincessDiana

「最高のパーティーでした」と、ナターシャはその日のことを振り返る。

ナターシャはその場にいた知り合いに、居心地の悪い指摘を受ける。「ある友だちが私にこう教えてくれたんです。『まぁ! あなたのドレスは素晴らしいけど、いまダイアナ妃を見てきたら、おそらく彼女もあなたと同じドレスを着ているわ』って」。どうしたらいいかわからず、パニックになっていたナターシャにアドバイスをくれたのは、エリザベス女王だった。「サロンで面会し、自分の状況を説明しました。彼女はとても親切で『大丈夫よ、ゆっくり楽しんでいってね』と言ってくれたのです」

エドワード王子の元クラスメートであるナターシャは、彼女やダイアナ妃に向けられた視線や微笑み、おしゃべりをいまでも鮮明に覚えている。「でも、その(*ダイアナ妃と同じドレスを着ていた)おかげでパーティはむしろ楽しくなりました。みんな私に話しかけたがったし、あの有名なドレスも見たがったから」。結局、彼女もパーティを楽しんでいたようだ。

「ダイアナとチャールズがダンスフロアに入ってきたのに気づいて、自分の姿が彼らに見えるように、すぐそばまで近づきました。私の記憶では、チャールズがそれを指摘し、彼女は笑っていました。本当に、大した問題にはならなかったわ」

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オークション

このエピソードは、メディアや王室に少なからず影響を与えた。パーティの後、参加者らがそのことを告げると、報道陣は急いでナターシャを探した。「気がついたら玄関先にパパラッチが来ていて、お金を払うからこのドレスを着てポーズを取ってくれ、と頼まれました」

しかし、彼女は決してそれに屈せず、36年近くもこのドレスを大切に保管し、昨年12月にオークションに出品した。アメリカ版「マリ・クレール」によると、このドレスは1,000ポンド(約15万4000円)で落札された。

text: Léa Mabilon (madame.lefigaro.fr), traduction : Hanae Yamaguchi

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