スペイン国立ダンスカンパニーで活躍していた大谷遥陽が、このたびソリストとしてイングリッシュ・ナショナル・バレエ団に移籍した。
大谷は、イングリッシュ・ナショナル・バレエ団に現在4名いるソリストのひとりとなる。photo: Alvaro Serrano Sierra
3歳でバレエを始めた大谷は、2014年「第1回国際バレエコンクール in 東京」でグランプリを受賞。スペイン国立ダンスカンパニーでの3カ月の研修を経て15年から同カンパニー所属、18年からソリストを務めていた。
イングリッシュ・ナショナル・バレエ団での最初の演目は2022年3月31日に幕開けする、コレオグラファー、ウィリアム・フォーサイスによる『ザ・フォーサイス・イブニング』。ネオ・ソウルとハウスミュージックとバレエの融合による独創的な舞台だ。
ただ今絶賛フォーサイスのリハ中です。フォーサイスは私が大好きな大好きな振付家スペイン国立でも3年前まで踊っていましたが最近はやっていなく踊りたいなーと思っていたのでまさか移籍後初めてのプログラムがフォーサイスは本当に幸せすぎます爪痛くても楽しすぎてリハしちゃう https://t.co/JSwaQg3aPR
— Haruhi Otani (@HaruhiOtani) February 12, 2022
イングリッシュ・ナショナル・バレエ団では最高位であるリード・プリンシパルの高橋絵里奈、加瀬栞を筆頭に、日本にルーツをもつダンサーも少なくない。そのなかで大谷も大きく花開き、ますます素晴らしい踊りを披露してくれることを期待したい。
写真左から:高橋絵里奈、加瀬栞。© Karolina Kuras
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もうひとつのロンドンの名門バレエ団ロイヤル・バレエにも日本出身のダンサーが多く在籍している。日本では2月18日より、昨年12月にロイヤル・オペラハウスで上演された人気コレオグラファー、ピーター・ライトによる『くるみ割り人形』の舞台と特別映像が劇場公開される。幕間には金平糖の精で出演予定だった(怪我のため降板)高田茜や、くるみ割り人形役のアクリ瑠嘉らのリハーサル風景やインタビューも楽しめる。
ハンス・ピーター/くるみ割り人形役のアクリ瑠嘉とクララ役のイザベル・ガスパリーニ。© 2020 ROH. Photograph by Emma Kauldhar
花のワルツをリードするローズ・フェアリー役は産休から復帰したばかりの日本出身ダンサー崔由姫のほか、前田紗江、佐々木万璃子、佐々木須弥奈、五十嵐大地らが随所で登場。©2021 ROH. Photograph by Foteini Christofilopoulou
パンデミックによりすべての劇場がその扉を閉ざした日々の後にようやく無事に上演されたこの『くるみ割り人形』は、ロンドンっ子たちの心を明るく照らしてくれた記念すべき演目でもある。スクリーンいっぱいに広がる華麗でドラマティックなバレエの世界を満喫したい。
●2021年、イギリス映画
●157分
●配給/東宝東和
●TOHOシネマズ 日本橋ほか全国公開中
http://tohotowa.co.jp/roh/
text: Miyuki Sakamoto
在イギリスライター。憂鬱な雨も、寒くて暗い冬も、短い夏も。パンクな音楽も、エッジィなファッションも、ダークなアートも。脂っこいフィッシュ&チップスも、エレガントなアフタヌーンティーも。ただただ、いろんなイギリスが好き。