2022年 第75回カンヌ国際映画祭 禁断のグラマラス!カンヌを飾ったシースルードレス。
Culture 2022.05.30
覆い隠し、そしてさらけ出すシースルードレスの数々。カンヌ映画祭の歴史の中で、偉大なスターたちが、透け感のあるドレスでレッドカーペットを魅了してきた。
メラニー・ティエリー、ジャンヌ・シェラル、マテュー・アマルリック。(カンヌ、2021年7月13日) photography: Getty
透け感のあるシースルードレスは、クロワゼットの魅惑的な武器。第七芸術と華やかなモードの世界とが出会うカンヌ映画祭のレッドカーペットでは、毎年、グラマーで、ゴージャスで、センシュアリティなルックが登場する。
スリット入りのドレス、きらびやかなジュエリー、荘厳なトレーン......。女優やモデルたちは、最も美しい衣装を身にまとい、超絶的な魅力を放つ。中でもデコルテや胸の谷間、あるいは全身のボディラインを見せるシースルードレスは、カンヌの禁断のグラマラスを表現するもの。
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第70回カンヌ国際映画祭のオープニングセレモニーで、モニカ・ベルッチは、全体が透けたインペリアルネイビーのドレスでパレ・デ・フェスティバルのステージに登場し、ステージパートナーのアレックス・ルッツと熱のこもったキスを交わした。それと同時に、胸元がちらりとのぞくディオールのシースルードレスの催眠術のような力によって、神話的な瞬間が刻まれた。
その4年後の2021年、フランスの女優メラニー・ティエリーは、7月12日の映画『フレンチ・ディスパッチ』上映会の大階段で、ディオールのスモーキーグリーンのドレスを纏い、さらに翌7月13日の映画『Tralala』上映会の大階段で2度の誘惑を放った。ショーツの上から纏ったスパンコールがきらめくトランスペアレンなセリーヌのクリエイションは、2021年版のハイライトとなった。
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ビアンカ・ジャガーからケンダル・ジェンナーまで
1975年、カンヌ国際映画祭でのビアンカ・ジャガーとヘルムート・バーガー。(カンヌ、1975年5月) photography: Getty
1975年、ローリング・ストーンズのミック・ジャガーの元パートナーで女優のビアンカ・ジャガーが、レッドカーペットに初めてシースルードレスで登場した。70年代のアイコンである彼女が纏ったスリット入りのブラックロングドレスのトップは、同色のチュール。リーフ模様の刺しゅうだけが胸元を隠していた。
この傑作は、後に90年代を代表する女優となるシャロン・ストーンをインスパイア。そして、2018年、スキャパレリによるクリエイションを纏い、白鳥のようにレッドカーペットを歩いたケンダル・ジェンナーの姿も記憶に新しい。さらに今年は、エヴァ・ロンゴリアが最新版のシースルールックを纏い、オープニングセレモニーに登場した。
シースルードレスは、見えない糸のように世代を超えるクリエイションなのだ。
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【写真】カンヌを誘惑した、歴代シースルードレスの数々。
第56回カンヌ国際映画祭で、フィリップ・ルロワ=ボーリューは胸元をあらわにするシースルードレスで登場。 (カンヌ、2003年5月)
photography: Getty
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1975年のカンヌ映画祭でのビアンカ・ジャガーとヘムルート・バーガー。(カンヌ、1975年5月)
photography: Getty
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1920年代を彷彿とさせるシャロン・ストーンのシースルードレス。(カンヌ、2003年5月)
photography: Abaca
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第74回カンヌ国際映画祭の大階段で、ルイ・ヴィトンのハイジュエリーとディオールのドレスで登場したイザベル・アジャーニ。(カンヌ、2021年5月)
photography: Getty
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『Crimes of the Futures』上映会の大階段に、ミュウミュウのクリエイションで登場したエミリー・ラタコウスキー。(カンヌ、2022年5月23日)
photography: Getty
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2022年のオープニングセレモニーに、アルベルタ・フェレッティのセンシュアルなシースルードレスで登場したエヴァ・ロンゴリア。(カンヌ、2022年5月18日)
photography: Getty
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映画『Cache』上映会の大階段に、シースルードレスで登場したスーパーモデルのエヴァ・ハーツィゴヴァ。(カンヌ、2005年5月14日)
photography: Abaca
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レオナルド・ディカプリオと並び、キャメロン・ディアスはデコルテラインがきらめくアシメントリーなシースルードレスで。(カンヌ、2002年5月)
photography: Abaca
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2009年、ヴェルサーチェのシースルードレスを纏ったアンジェリーナ・ジョリーとブラッド・ピット。(カンヌ、2009年5月)
photography: Abaca
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2018年のカンヌ映画祭審査員長、ケイト・ブランシェットは、アルマーニの黒のシースルードレスで。(カンヌ、2018年5月)
photography: Abaca
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第70回カンヌ国際映画祭に登場したレティシア・カスタ。ディオールのオートクチュールを纏って。(カンヌ、2017年5月23日)
photography: Getty
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白鳥のように、スキャパレリのクリエイションを纏ってレッドカーペットに現れたケンダル・ジェンナー。(カンヌ、2018年5月)
photography: Getty
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第72回カンヌ国際映画祭で開かれた映画『ロケットマン』プレミアに、ディオールのオートクチュールで登場したベラ・ハディッド。(カンヌ、2019年5月)
photography: Getty
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映画『Tralala』のプレミア上映会に、セリーヌのシャンパンカラーのシースルードレスで登場したメラニー・ティエリー。水辺から現れた本物の人魚さながら。(カンヌ、2021年5月)
photography: Getty
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第70回カンヌ国際映画祭のオープニングセレモニーで、ディオールを纏ったモニカ・ベルッチ。(カンヌ、2017年5月17日)
photography: Getty
text: Alexander Peters (madame.lefigaro.fr)