創刊から20年、2年ぶりに『here and there』の最新号が刊行!
Culture 2022.07.01
編集者、ライター、キュレーターとして活躍する林央子が主宰する『here and there』の第15号目が、7月1日にリリース。
付録にマーク・ボスウィックの写真と詩によるポスターとステッカー2枚付き。『here and there vol.15 belonging issue』林央子著・編集、尾中俊介アートディレクション・デザイン、Nieves刊 ¥3,300(7/1発売)
『here and there』は、アート、ファッションからライフスタイルまで、ボーダレスな視線で集めた国内外の話題を、雑誌形式・日英バイリンガルで掲載している。2002年の創刊以来、2年ぶりの最新号となるvol.15は、福岡を拠点とするデザイナー、尾中俊介(カラマリ・インク)をアートディレクターに迎え、装いも新たに、ページ数も大幅に増えて108ページの読み物になった。今号は、林央子がコロナ禍と2年間のイギリス留学を経た感覚から、「帰属意識/belonging/ここにいたい場所/心地よい場所」をテーマに人や場所をつなぐ。
アート・出版・園芸など、暮らしの中からつくることに向き合うジョアンナ・タガダ・ホフベック。20年ぶりにRun Collectionを再始動させたスーザン・チャンチオロ。福岡から2021年末に東京・新大久保に転居した「途中でやめる」の山下陽光。フランス南西部の村で、新たな空間を得てギャラリーを始める『Purple』マガジン創設者のエレン・フライス。山口県、パリ、千葉県などその時々に住まう場所から影響を受けながら作品を作るアーティストの志村信裕。映画『エル・プラネタ』が日本でも公開されて話題のアマリア・ウルマン。参加アーティストは、まさに個性的・領域横断的で多彩な顔ぶれが並ぶ。一見、捉えにくいアーティストたちの姿も、林のインタビューや執筆依頼によって、読み進めがなら読者のひとりひとりが今を生きるヒントを得やすい紙面に編集されている。キュレーターでもある林のつくる、誌上の展覧会をプライベートタイムに見に行ったような個人的な読書体験は、いつどこで開いてもそのときの自分に必要な指針を得られるマジカルな時間を与えてくれるだろう。
text: Natsuko Kadokura