ビヨンセの新曲を聞いて会社を辞める人が続出!?

Culture 2022.07.06

ミームや賛否両論の意見がネットで飛び交う……。6月20日にリリースされたビヨンセの新曲「ブレイク・マイ・ソウル」の歌詞が反響を呼んでいる。

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グラミー賞を受賞したビヨンセ(2021年3月14日、ロサンゼルス) photo : Getty Images

6月23日、イギリスの「ザ・フェイス」誌のウェブサイトは「ビヨンセに言われて仕事を辞めた人たち」というタイトルの記事を掲載した。ビヨンセの歌がきっかけで仕事を辞めた5人を紹介したものだ。7月29日発売のニューアルバム『ルネッサンス』からの先行シングルとして、6月20日にリリースされた『ブレイク・マイ・ソウル』で、ビヨンセは確かに離職をすすめているように思える。

歌詞は「恋に落ちて、仕事を辞めたわ」から「新しいやりがいを見つけなきゃ。まったく、こんなに働かされて。朝9時にはもう働いていて、終わるのは夕方5時を回ってから」と続き、「仕事を辞めて、時間から自由になろう」と語りかける。

ビヨンセの新曲「ブレイク・マイ・ソウル」

 

「天啓に思えた」

この歌詞に心打たれて文字通り仕事を辞めた人が、上述の「ザ・フェイス」の記事で紹介している5人だ。「わたしはフォーチュン500企業(フォーチュン誌による全米上位企業リスト)のシニアアソシエイトでした」と30歳のキャットは言う。「この曲を聴いた時の気持ちは言葉では言い表しがたいです! 天啓に思えました。しばらく前から行き詰まっていて、とても疲れて暗い気持ちだったのです」と当時を振り返った。

そして「(ビヨンセが)それを手放し、本当の人生を生きろと歌っているのを聞いて、『あのね、B? まさにその通りよ』と思いました。そして退職願を書いて提出しました。その後、以前から憧れていたヘルスケア分野に転職しました。背中を押してくれたビヨンセに感謝しています! 私にはそれが必要でした」と語った。

22歳のヴィアンナも思いは同じだ。「青果生産会社の警備員として夜勤の仕事をしていました」と語る。「初めてブレイク・マイ・ソウルを聴いて元気が湧いてきました」

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「まさかの展開」

ヴィアンナはこの曲を聴き、改めて人生について考えた。「まるで新鮮な空気を吸った気分でした。(中略)仕事を辞めて、いまはとてものんびりしています。もう太陽が沈む時間帯に起きていなくていいし、日中寝なくても済むので、ビタミンDも足りています。夏の間はずっと、彼女のアルバムで踊り明かすつもりです」と言う。

SNSでも似たような証言はまだある。@iamKoriJamesは辞表をTwitterにアップし、「まさかの展開 #iStayinformation #BreakMySoul」と書き添えた。@philipxandersonは「仕事を始めて3週間目、ビヨンセが辞めろと言った」とツイートし、「管理職は私のスケジュールを無視、ひどい条件を我慢するには年を取りすぎている/経験がありすぎる」と付け加えた。「この任務に休暇なんてない、なんて冗談を言うこと自体、正気の沙汰じゃない。ビヨンセのおかげで、もっと自分のために時間を割くか、辞めるかしかないことがわかったのはありがたい。それは必要なことなんだ」

ミームの数々

「ブレイク・マイ・ソウル」の歌詞を真剣に受け止めるよりも茶化すことを選んだネットユーザーも多い。ここ1週間というもの、ウェブではこの曲にインスパイアされたミームが花盛りだ。

不機嫌なマージ・シンプソンがマネージャーと話している画像に、「ビヨンセに言われたから仕事を辞める私」とキャプションをつけたものから、『アメリカズ・ネクスト・トップモデル』という番組で若い女性が審査員の前に来て、「無理、家に帰りたい、プレッシャー強すぎ」と言って去っていくビデオまで、おもしろおかしいメッセージがウェブ上で増殖中だ。

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憤慨する人も

ビヨンセの歌詞に憤慨する人もいた。「なんでビヨンセはいま、みんなに仕事を辞めるよう、そそのかしているんだ?」と書くのは@treehugger1605だ。「いまは不景気だから、仕事を見つけるのが難しくなってきている。自分から辞めたら失業給付を受けられない。辞める前に雇用主と交渉し、新しいスキルを身につけ、求人に応募し、新しい仕事を見つけてから辞めるべきではないか?」

@king_madi_も同様の考えだ。「いずれにせよ、ビヨンセがそう歌ったからって辞めないように(笑)。特に現在の経済状況と雇用市場を考えれば、次の仕事を見つけてうまく行く見通しが立たないうちは辞めてはいけない」と書く。

いつものように、ビヨンセには誰も無関心ではいられない。

text : Chloé Friedmann (madame.lefigaro.fr)

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