アデルの勝負服? 「黒いドレス」の物語。

Culture 2022.07.11

アデルのワードローブは、いつでもスタイリッシュで華やかだ。彼女を印象づけてきた「黒いドレス」の歴史を振り返ってみよう。

関連画像:アデルの印象的なブラックドレス15着。

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2022年ブリット・アワードでのアデル。(2022年2月8日、ロンドン) photo: Abaca

一着の洋服が、著名人の人生やキャリアに影響を与えることが、稀にある。「Someone Like You」や「Hello」などのヒット曲で知られる歌手のアデルは、今月、ロンドンのブリティッシュ・サマータイム・ハイドパーク・フェスティバルで行われたコンサートで、超豪華な2着の黒のドレスを身につけた。目を引くドレスはスキャパレリによるもの。砂時計のようなシルエットが印象的だった。

ゴールドのメタリックベルトで強調されたウエスト、大きく開いたネックライン、エレガントなディーバショルダー、それらすべてのディテールが彼女の魅力を際立たせた。さらにアデルを輝かせたのは、ルイ・ヴィトンのドレスだ。アデルは自分のシルエットを熟知した上でシグネチャードレスを見つけ、こだわっているのだ。

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ブラックドレスが彼女のユニフォーム

アデルはデビュー以来、このスタイルを忠実に守り続けている。2009年のグラミー賞に初出場した際は、ハイウエストの黒いスケータードレスで登場。彼女はすでに年間最優秀アーティスト賞など2つの賞を受賞していた。

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初めての成功にも黒いドレス。グラミー賞に初参加したアデルは、ベルト付きのミッドナイトカラーのサテンドレスを着ていた。(2009年2月8日、ロサンゼルス)photo: Abaca

それ以来、お守りや幸運のお札のように、彼女は黒いドレスを身につけている。2011年、世界的なスターになった彼女は「ローリング・イン・ザ・ディープ」のPVの中で、黒いヘッドジュエリーと高さのある大きなお団子ヘアにアクセサリーをつけていたが、これも長い間、彼女のファッションのトレードマークになっていた。

32歳の誕生日を記念して、スッキリ痩せたシルエットをインスタグラムに投稿すると、丈は短くなっているものの、フェティッシュなデザインはそのまま。また、長い音楽活動を休止していたアデルが、ニューアルバムのお披露目コンサートイベントに再登場したとき、着ていた衣装は、スキャパレリの美しいタフタドレスだった。

黒いドレスは、アデルにとって間違いのないアイテム。キャリアのあらゆる重要な場面で彼女を輝かせると同時に、安心感を与えてくれるものなのだ。

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アデルが愛用するスキャパレリのドレス。ミュージックシーンに復帰後、新たにお気に入りのブランドのひとつとなった。(2021年11月14日、ロサンゼルス) photo: Getty

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時代に逆行する歌姫

黒いドレスほど、タイムレスなものはないだろう。若手の女性歌手たちがシースルーやカラフルさ、大胆なカットでファッションを競い合う時代でも、アデルは不変のアイテムを選ぶ。グラマラスで彫刻的なドレス、いつでもカラーは黒。クラシックを極めつつ、時流に逆らって自分のスタイルを確立する方法は、まさにアデル流だといえる。

text: Alexander Peters (madame.lefigaro.fr) translation: Hanae Yamaguchi

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