「ブラジャーを外せ、と言われて」14歳のケイト・モスが現場から逃げ出した日。

Culture 2022.07.26

BBCのラジオ番組、「Desert Island Discs(無人島へ持っていきたいレコード)」に出演したケイト・モスは過去に体験した苦い思い出や、モデル業界で少女たちが搾取されていることについて率直に語った。

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ケイト・モスはこれまで、写真家から嫌な思いを何度もさせられてきた。photo: Getty Images

現在48歳のキャットウォークの女王、ケイト・モスはインタビューに滅多に応じない。しかし7月22日、BBCラジオ4の番組『Desert Island Discs(無人島へ持っていきたいレコード)』に出演し、何十年ものキャリアの中で体験したことを率直に語った。華やかに見えるモデル業界の暗部や、10代の少女たちが裏で搾取されていることを生々しく語り、自分の言葉を裏付けるように、まだ14歳だったころの、最低な体験について語った。

 

 

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勘が働くようになった

当時、「とてもシャイ」で自分の体にコンプレックスを抱いていたケイト・モスは、非常に威圧的なカメラマンとの仕事で途方に暮れた。「ひどい体験でした。多分たかだか15歳くらいだったと思うんですが、“上を脱げ”とカメラマンに言われて脱ぎました」

それはブラジャーのカタログ撮影の仕事だったが、当時のケイト・モスは、すぐに「何か変だ」と感じた。「そうしたら“ブラジャーを外せ ”と言われたので、荷物を持って逃げたんです、泣きながらね(中略)。この体験で勘が働くようになりました。1マイル離れたところからでも、うさんくさいカメラマンを見分けられます」

その頃ケイト・モス(本名キャサリン・アン・モス)は、モデルエージェンシーのストームと契約し、1日に多い時は8件もの仕事をこなしてロンドンを飛び回っていた。いまや19歳の娘、ライラ・グレース・モス=ハックのいるケイト・モスにとって当時は充実していたかもしれないが、「苦しい」時期でもあった。

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「豚のように鼻を鳴らして」

もうひとつ、ケイト・モスが語った思い出がある。この時期、写真家のコリンヌ・デイとイギリスの「ザ・フェイス」誌の撮影を何度か行った。「カバー写真の撮影時に、豚のように鼻を鳴らして、と言われたんです。やりたくないと言ったのですが、どうしてもと押し切られました」と当時を振り返った。また、コリンヌ・デイからも上を脱ぐように何度も促されたそうだ。「自分の体に本当に自信がなくて、そんな私に“上を脱がないなら、エル誌の撮影にあなたを使わないから”と言われ、泣きました。彼女のことは本当に好きでしたけれど、一緒に仕事をするのがとても難しい人でした」と当時を振り返った。ただ、コリンヌの撮った写真を後から見て「すごい」と感嘆したことも事実だ。「撮影時には苦しみましたが、結局はとてもよかったし、私のキャリアも変えてくれました」

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アルコール中毒を克服

最後に、ケイト・モスは薬物やアルコールを克服したことについて語った。13歳のとき、「マリファナを吸い始め、年上の人たちと付き合うようになった」そうだ。これが転落の始まりだった。2005年、コカインを使用している姿を「デイリー・ミラー」紙にすっぱ抜かれ、結果的に多くの契約を失った。「自分は多くの人々が抱える問題のスケープゴートになってしまったと思います」と、彼女は締めくくった。

ケイト・モスは最近、自然に目覚めたらしい。今年2月には、ロンドン北部の豪邸を売却し、コッツウォルズのカントリーハウスを購入した。新しい趣味はガーデニングだ。

text: Léa Mabilon (madame.lefigaro.fr)

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