ベルギーのデルフィーヌ王女、ドレスを通じてはなったメッセージとは?

Culture 2022.07.31

ベルギー建国記念日の祝賀式典に王室メンバーとして参加したデルフィーヌ王女は、ドレスを通じてひとつのメッセージを発信した。

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ベルギー王室メンバーとしてベルギー建国記念日のパレードに臨むデルフィーヌ・ザクセン・コーブルク王女。(ブリュッセル、2022年7月21日)photo: Getty Images

ベルギーの建国記念日に着る服にデルフィーヌ王女が細心の注意を払っていることはメディアにそれとなく伝えられていた。前国王アルベール2世の婚外子、デルフィーヌ・ボエルは、自分を否認する父親を訴えた7年間の法廷闘争の末、2020年に王女の称号を勝ち取り、デルフィーヌ・ザクセン・コーブルク王女となった。今年、2022年7月21日のベルギー建国記念日の祝典でデルフィーヌ王女が着たのは「平和と希望の」メッセージをこめたドレス。ベルギー人デザイナー、ポル・フォーゲルスによるオーダーメイドの赤いドレスには白い鳩があしらってある。現在54歳のデルフィーヌ王女が王室メンバーとなってからこの祝典に参加するのはこれで2回目のことだ。

 

 

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親和のジェスチャー

裁判に勝利するまでのデルフィーヌはアーティストとして活躍し、自分の悲しみや怒りを作品で表現していた。その頃の彼女は「私生児」「汚れ物」と自虐的に名乗り、異母兄のロラン王子以外、他の王室メンバーから公式に連絡をもらったことはなかった。その後、現ベルギー国王のフィリップはメディアの目も意識しながらこの異母妹と徐々に交流を深めるようになった。では、「ポジティブなメッセージ」であるこの鳩は、何を意味するのだろうか。ベルギー王室内のこれまでの騒動を直接的に指しているわけではなく、ヨーロッパの地政学的な背景のなかで、特にウクライナ戦争についてのメッセージだそうだ。「このドレスは人々を笑顔にし、希望が常に存在することを思い出させてくれます。私がいいなと思ったシンボルはたくさんあり、そのひとつがこの鳩でした。私にとってこれは希望と平和の象徴です。今年これを身に着けることは素晴らしい立場表明となるように思いました」とベルギーのニュースサイト「ザ・ブラッセル・タイム」にデルフィーヌは語った。もっとも、このモチーフは別な意味でとてもタイムリーだと思う人もいるかもしれない......なかなか高度なコミュニケーション戦略かも?

text: Sabrina Pons (madame.lefigaro.fr)

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