ビル・マーレイ、セクハラや暴言癖に関する暴露話が続出。

Culture 2022.10.21

10月17日(月)付のニューヨーク・ポスト紙のコラムで、俳優ビル・マーレイの度を越した行動や不適切な振る舞いについて複数の目撃者が非難した。

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映画『フレンチ・ディスパッチ』の写真撮影でポーズをとるビル・マーレイ。photography: Abaca

ビル・マーレイは、型破りな面白さで知られている。しかし、ハリウッドの人々からは、冗談もいい加減にしろと怒りを買っているようだ。10月17日(月)付のニューヨーク・ポスト紙のコラムで、複数の匿名の目撃者が、この俳優の「敵対的」かつ不適切な行動を非難している。アジズ・アンサリ監督の『Being Mortal(原題)』の撮影現場で従業員に無理やりキスをしたことや、ジーナ・デイヴィスを同意なしにマッサージしたことを告発されたビル・マーレイは、現在、非難の的になっている。ニューヨークポスト紙のインタビューを受けた匿名の監督はその状況に驚きはないようだ。

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女性を口説くのが彼のやり方

『Being Mortal』の撮影現場での彼の行動が明るみになった際、私はまったく驚かなかった。むしろそれまで何も起こらなかったことに驚いた」と、俳優ビル・マーレイと仕事をしたことのある証人は語った。さらに次のように続けた。「ビル・マーレイは撮影中にいちゃつき、度が過ぎる。マスクでキスはやりすぎだけど、女性を口説くのが彼のやり方さ。彼が直接、誰かに触れるのを見たことはないけどね」。

匿名の情報筋によると、映画『ゴーストバスターズ』(1984年)の主人公を演じたビル・マーレイは、制作アシスタントだけでなく、すべての女性を口説くのだそう。「メイクアップアーティストやコスチュームデザイナーに言い寄る姿も見たことがある」と述べた。

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嫌な出会い

彼の振る舞いは、多くの俳優から非難を浴びている。10月11日に出版された回顧録『Dying of Politeness(ダイング・オブ・ポライトネス)』の中で、ジーナ・デイヴィスは1990年代初頭にホテルの一室でビル・マーレイとの嫌な出会いについて語っている。当時34歳だったジーナ・デイヴィスは、俳優ビル・マーレイとハワード・フランクリンが共同監督した映画『クイック・チェンジ』への出演を希望していた。タイムズ紙は、このやりとりを次のように要約している。「ジーナ・デイヴィスはホテルのスイートルームでビル・マーレイに紹介された(...)そこでビル・マーレイは、彼女が断固として拒否しているにもかかわらず、サンパーというマッサージ器具で彼女を出迎えた」。

長編映画の舞台裏で、俳優ビル・マーレイは不穏な空気を放った。「その後、撮影中にビル・マーレイは彼女をトレーラーで見つけ、遅刻したことを怒鳴り始めた(この時、彼女は衣装の配達を待っていただけ)。彼は、多くの俳優やスタッフ、見物人の前で、撮影現場に駆けつけた彼女に怒鳴り続けたのだ」とタイムズ紙は記している。

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足首をつかんでゴミ箱の中へ

その後、ドラマシリーズ「バフィー 〜恋する十字架〜」で知られる俳優セス・グリーンも、ビル・マーレイから受けたとされる屈辱についてYoutube番組「Good Mythical Morning」で語っている。当時9歳。ビル・マーレイは、「サタデー・ナイト・ライブ」の舞台裏で椅子の肘掛けに座っている幼い男の子を快く思っていなかったと言う。そして、セス・グリーンの足首をつかんでゴミ箱の中に投げ入れたのだ。その後、ゴミ箱は転倒した。「逃げ出して、楽屋のテーブルの下に隠れて、泣き出してしまった」とグリーンは振り返る。

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ルーシー・リューとのいさかい

『アクアティック・ライフ』(2004年)でビル・マーレイと共演したアンジェリカ・ヒューストンも、ニューヨーク・マガジンのコラムで、この俳優との嫌な経験を語っている。彼女によると、当時、この俳優は「彼女以外の映画のキャスト全員を夕食に招待した。彼から雑な扱いを受けた」と語った。7月末、ルーシー・リューがポッドキャスト「Asian Enough」で『チャーリーズ・エンジェル』(2002年)の撮影現場でのビル・マーレイの行動を糾弾した。

脚本の細部が無断で書き換えられたことに激怒した俳優が、ルーシー・リューを「テレビ女優」と呼んだことから、ふたりは対立することになった。また、彼女に対して許し難く、受け入れられない態度をとり、侮辱的な言葉を浴びせたとも言われている。撮影現場に居合わせたドリュー・バリモアの証言もある。

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ダークサイド

ビル・マーレイの暴言疑惑の話は尽きない。また、『おつむて・ん・て・ん・クリニック』(1991年)の撮影中にリチャード・ドレイファスに灰皿を投げつけたと言われている。その2年後、怒りのあまり、『恋はデジャ・ブ』の監督ハロルド・ライミスを壁に突き飛ばしたと言われている。また、『ゴーストバスターズ』の撮影初日、シガニー・ウィーバーに無断で「肩に乗せた」と言われている。ビル・マーレイに関する著書『The Tao of Bill Murray』の著者、ギャヴィン・エドワーズは、「シガニー・ウィーバーは良い役者だが、ビル・マーレイのダークサイドを明るみにした」と語った。

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ビルは彼女の体にキスをし、体に馬乗りになった

また、ニュースサイト「Puck」は10月10日(月)、ビル・マーレイが女性従業員に無理やりキスをし、映画『Being Mortal』の撮影を中止させたとする疑惑を明らかにした。「マーレイは自分よりずっと若い子の女性が彼になびいていると思っていた。ある時、ふたりはベッドの近くにいた(...)マーレイは彼女の体にキスをし、彼女に馬乗りになった」とジャーナリストのエリック・ガードナーは言う。その女性は、恐怖を感じ、目的は性的なものだったという。

女性は苦情を申し立てたという。俳優と女性は最終的に10万ドル(約1460万円)の金銭的解決に至ったと言われている。「マーレイは不幸だった、と俳優に近い関係者が記者に語っている。コミュニケーション不足だっただけでなく、同僚を失職させてしまったからだ」。

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ファンに対する不適切な態度?

また、複数の情報筋から、この俳優が冗談を装って、日頃からファンに対して不適切な態度をとっていたことがニューヨーク・ポスト紙のコラムで指摘されている。「タイムズスクエアやマーサズ・ヴィンヤードでファンのフライドポテトを盗んだのも然り。2016年には、カリフォルニア州カーメルのレストランで写真を撮っている人の携帯電話を奪って屋根に投げ捨てた」とニューヨーク・ポスト紙は書いている。

しかし、ギャヴィン・エドワーズ曰く、ビル・マーレイは「彼自身が作り上げた名声のおかげで、いまだに逃げ回っている」。彼はこれらの疑惑に対して概ね反応を示していない。しかし、4月末にCNBCの取材に対し、『Being Mortal』の撮影現場での出来事は、キスしようとした女性との「意見の違い」に過ぎなかったと語った。また、この事件で学んだと言い、「私が子どもだった頃とは違う世界だ」とも付け加えた。

text: Chloé Friedmann (madame.lefigaro.fr) translation: Hanae Yamaguchi

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