大江千里が、自分のための「最後の晩餐」をレシピ本に。
Culture 2022.12.05
NY・ブルックリン在住のジャズミュージシャンとして活躍する大江千里。渡米して7枚のアルバムを発表し、自炊の腕も磨いていることで知られている彼が、noteの好評連載「大江屋レシピ」から選りすぐりの46皿と、書き下ろしエッセイで構成した自身初の料理エッセイ『ブルックリンでソロめし! 美味しい! カンタン! 驚き!の大江屋レシピから46皿のラブ&ピース』を刊行。
『ブルックリンでソロめし! 美味しい! カンタン! 驚き!の大江屋レシピから46皿のラブ&ピース』 大江千里著、KADOKAWA刊 ¥1,760
大江はソロめし歴14年だが、パンデミック前までは外食も結構楽しんでいたという。ところがポストコロナにインフレが直撃し、またコロナ以後はサービスのレベルが落ちたレストランが急増したと感じたことも手伝って、自然と自宅で「家メシ」する機会が増えたそう。既成のレシピは見ずに、何軒かある行きつけのスーパーで親しい店員さんとのやり取りで買う食材を決め、冷蔵庫にある残りものも駆使して作る自己流レシピなのだ。
「食べることは根源的でシンプルで深い。ひとりの自分を喜ばせるための大江屋レシピが46皿。書き下ろしエッセイも含めギュッと詰め込んだ料理本だ。コロナ禍のアメリカでの僕のサバイバル備忘録でもある」(『NEWSWEEK』2022.11.29号内 連載「Life as Music ニューヨークの音が聴こえる #37」より)と彼が語る渾身の1冊。自炊アイデアとして参考にしつつ、ブルックリンの生活者目線で語られる珠玉のエッセイも楽しんで。
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エッセイでは、愛犬ぴーすとの日常も綴っている。
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お腹が空いたときに、自宅でこんなおいしそうなピザを焼いて食べることができたら、もうそれだけで幸せ。
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日本でシンガーソングライターとして大成功を収めていたにもかかわらず、ニューヨークの音楽大学でジャズピアノを学ぶために47歳で渡米した大江千里。卒業後は自身のレーベルを現地で設立し、ライブやアルバム制作などの音楽活動に従事している。年齢を理由にあきらめることなく、そして築き上げた成功や地位にしがみつくこともなく新たな道を切り拓いた生き方に刺激を受ける人も多いはず。
text: Natsuko Kadokura