この冬は、スターチャンネルEXで「リトビネンコ事件」を追う!
Culture 2022.12.22
スター・チャンネルが運営する動画配信サービス、スターチャンネルEXで、新作ドラマ「リトビネンコ暗殺」を12月22日より独占配信開始(BS10 スターチャンネルでも23年2月より放送予定)。全4話で構成されるこのドラマは、毎週1話ずつ更新される。
アレクサンドル・リトビネンコを演じるのは、『ドクター・フー』などで名高いデヴィッド・テナント。撮影前にリトビネンコの妻、マリーナ夫人と面会した彼は「このストーリーは彼女が実際に生きてきたストーリーであり、彼女にとってはまだ終わっていないのだ」と、彼女を含む遺族に対する責任を痛感したと語り、ロシア語の台詞にも挑戦。©︎ITV Studios Limited All rigths reserved.
このドラマは、2006年11月に起きた「ロンドン警視庁史上もっとも複雑、かつ危険な捜査」と言われた「リトビネンコ事件」を題材にしたもの。ロンドンで放射性毒物を投与され暗殺された、旧ソ連国家保安委員会(KGB)の流れをくむロシア連邦保安局(FSB)の元工作員で、反ロシア活動家のアレクサンドル・リトビネンコ。彼の暗殺事件の真相を追求し、懸命に闘ったロンドン警視庁の捜査官たちと、夫をなくした妻、マリーナ・リトビネンコの10年間に及ぶ苦難の捜査の全貌を、警察と遺族らの全面協力のもと、徹底的なリサーチに基づき映像化したノンフィクションドラマとなっている。
妻のマリーナ役を演じるのは、ソ連出身のアメリカ人女優マルガリータ・レヴィエヴァ。「私は諦めない」と真実を訴え続けるマリーナを熱演している。©︎ITV Studios Limited All rigths reserved.
本作にはこの事件を警察視点で追ったドキュメンタリー番組「KGBの刺客を追え」(2017年)を制作したリチャード・カーバージが共同プロデューサーとして参加。遺族とロンドン警視庁の捜査官ら実際の捜査に関わった人々の協力を得て、リトビネンコの死の間際に病室で行われた事情聴取から、死因の放射性毒物の特定、容疑者の追跡、そして、ロシア政府との困難極まる駆け引きなどを経て、2016年にイギリス政府としてプーチンが関与したとの見解を正式に表明するまでの10年間に及ぶ苦難と奮闘を徹底的なリサーチに基づき再現した。本物であることにこだわり、事件発生場所となったロンドンの日本食レストラン「itsu(イツ)」、リトビネンコが眠るハイゲート墓地など実際の現場で撮影を行った。
2022年から始まったロシアのウクライナ侵攻という国際情勢とも重なって、ロシア政府の動向について関心が高まるなか、本作は、本国イギリスのほか、日本を含む世界80カ国以上での配信・放送も決定し、大きな注目を集めている。冬休みにじっくり観るのにおすすめだ。
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暗殺に使用されたのが放射性物質ポロニウム210という報道に衝撃を受けたのを覚えている人も多いのでは? このドラマではそんな衝撃の事実が解明されていく過程が描かれている。©︎ITV Studios Limited All rigths reserved.
text:Natsuko Kadokura