蟹座の空模様-石井ゆかりの星占い「2023年の年報」

Culture 2022.12.31

2023年 蟹座の空模様

221231_year_04.jpg

たとえば、長い長い旅をする宇宙船の中では、淡々と「生活」が営まれることでしょう。ロングスパンでは壮大なスケールの「旅」の中にあっても、その「日々」は安定的で、継続的で、何度も繰り返されるルーティンです。
明日の晩の定期試験を乗り切るなら、徹夜で勉強する「一夜漬け」でもなんとかなるかもしれません。一方、数年後に難関の資格取得を目指すような場合には、「毎日2時間、きちんきちんと勉強する」など、無理のない計画を立てるほうが効率的です。無理をしても続きませんし、身体を壊す可能性もあるからです。
近い場所を目指す時は、最短距離で、できるだけ早く着く手段を選びたくなります。
でも、すぐには着かないような遠い場所を目指す時には、毎日コンスタントに移動できる距離と時間を定め、ゆっくり進むことが必要になります。

2023年の蟹座の人々は、非常に大きなスケールの「移動」「目標達成」を志します。
そして、そのために「安定・継続」を作る必要が出てきます。
それは宇宙船の中での、生活設計のようなものです。
このロングジャーニーを成功させるには、「これなら続けていける」という形を作るしかないのです。
安定収入、安定した支出、安定した人間関係、安定した日々の役割分担、作業の量。
この「安定した」は、ふんだんにあるとか、充足しているとかいうこととは、少し違うかもしれません。
おそらくそこで最も大きな問題は、コンスタントである、ということと、変化があってもある程度のレジリエンスが見込める、ということなのだと思います。
「何が安定なのか」は、人によって異なります。
ゆえに「これなら続けていける」という安定の条件は、人によって違います。
どう見ても不安定な生活を送っている人が、まったく不安も苦悩も抱かず、気楽に暮らしている場合があります。
一方、誰から見ても不自由なく生きているはずの人が、大きな不安に押しつぶされそうになりながら、呻吟していることもあります。
自分自身にとっての「安定、安心」がなんなのか、2023年に初めて気付く、という人もいるだろうと思います。

前述のとおり、2023年に蟹座の人々が求める「安定性、継続性」は、それ自体が目的なわけではありません。
そうではなく、「こんな遠い場所に行きたい」という長旅の中身が「安定性、継続性」とリンクしています。ゆえに、この「安定性、継続性」は、期間限定的なものなのかもしれません。
たとえば向こう3年ほどの「安定・継続」でいいのかもしれませんし、あるいは向こう20年ほどの「安定・継続」が問題になるのかもしれません。
いずれにせよ、「永遠に安定的に生活したい」というのは、この時期の貴方の要望ではないのかもしれません。
もちろん、だれもが「安心できる幸福な暮らし」を望んでいますし、それ自体が人生の、ひとつの立派な目標となることもあります。
でも、2023年の蟹座の世界に限っていけば、そこには「安心できる生活」だけでは収まらない何かがあるように思われます。
何か遠くにあるもの、未知のもの、高い所にあるものを求め、冒険やチャレンジ、変化や刺激を期待する思いがそこにあるのです。
ただ、その冒険や刺激のスケールが非常に大きいので、短期的には「安定性、継続性」が必要になってくる、ということなのだと思うのです。

---fadeinpager---

[時期について]

年明けは星座を問わず、スローペースでスタートします。
蟹座の人々は特に、「人間関係が復活する」ような流れが強まりそうです。
年末年始は一般に、懐かしい人との再会などが起こりやすい時ですが、今回は特に、普段の人間関係が少々停滞・混乱する一方で、いつもあまり関わらないような人々との関係が盛り上がる傾向があります。「いつもどおり」の関わりのほうは少し棚上げして、普段連絡を取らない人々との交流に軸足を置くと、焦らずに済むでしょう。
経済的にうれしいことが多い時期でもあります。お年玉やお年賀など、普段より盛りだくさんに感じられるかもしれません。自分から贈ったものも、予想以上に喜ばれそうです。

1月末から3月にかけて、遠出する機会が増える時期です。
遠くから呼ばれて出かけたり、逆に遠くから誰かが訪ねて来たりするかもしれません。この時期の「遠征」で、この先断続的に通うことになる場所との出会いもありそうです。

3月はどの星座の人にとっても、大きめの転機が訪れやすいタイミングとなっています。蟹座の人にとっては、「金運が動く」感じがあるかもしれません。経済的な不安が消えたり、お金に関する新しい価値観が生まれたり、心から欲しいと思えるものに出会えたりしそうな節目です。
また「人に恵まれる」時でもあります。交友関係が広がり、爽やかな温かい気持ちに包まれそうです。
ここから真剣に学び始める人もいるでしょう。コツコツ学んで、数年かけて大きな成果を挙げられます。学びの場に身を置く人、厳しい「師」に出会う人もいるはずです。

3月末から5月にかけて、熱い勝負の時間となっています。自分から新しいことにチャレンジしたり、少し難しそうなことに「立候補」したりすることになるかもしれません。ここは1年を通して、最も忙しくなりそうなタイミングでもあります。ガンガン行動して、大きな成果を上げられる時です。2022年半ばからスタートさせた活動の「ラストスパート」のような展開も。

4月から6月頭は「チームの再結成」のようなことが可能になるかもしれません。懐かしい人間関係が復活し、みんなで新たな活動に一緒に取り組む、といった流れになる可能性もあります。また、古い夢にはたきをかけて「もう一度目指してみよう」と行動を起こす人もいるでしょう。ここから2024年半ばに向けて、このアクションはどんどん広がりを見せます。

5月から6月頭はキラキラの愛の時間です。とにかく楽しいこと、うれしいことがたくさん起こるでしょう。周囲がとてもよくしてくれますし、どんなことでも「妙にうまくいく」感じがあるはずです。

5月末から10月頭にかけて、経済活動が一気に活性化します。ガンガン稼ぐ人もいれば、大きな買い物に臨む人もいるでしょう。欲しいものを自分の手で勝ち取れる時です。これまで欲しいと思ったことがなかったものが「どうしても欲しい!」と思えるかもしれません。これまで自分に禁止してきたことを「OK」にする人もいそうです。「ワガママはよくない」「無駄遣いはダメ」といったルールを、この時期だけ解除する人もいるはずです。

7月から9月は、コミュニケーションが熱く盛り上がります。いろいろな人と対話し、議論に発展することもあるかもしれません。学びがあり、人間関係の広がりが生まれます。
外出の機会も増えるでしょう。特に8月後半から9月半ばは、懐かしい場所を再訪したり、途絶えていたコミュニケーションが復活したりする気配があります。
勉強もとてもはかどる時です。特に「学び直し」「復習」に効果があります。

8月末から10月は「居場所が動く」時期となっています。引っ越しや家族構成の変化、住環境の変化が起こりやすいタイミングです。家族や身近な人との間で、経済的な役割分担をドラスティックに変えることになるかもしれません。生活の中での「お金の流れ」が変わりそうです。

10月半ばから11月は、好きなことにガンガン打ち込める、「夢中になれる時間」です。愛にも熱い追い風が吹くでしょう。自分の側から行動できる時です。
また、クリエイティブな活動に取り組んでいる人には、チャンスが巡ってきそうです。自分から新たなフィールドを開拓する人も多いはずです。

11月末から12月は、非常に忙しい時期となっています。雑多なタスクの中に、「これはもう少しちゃんとやってみたい」「腰を据えて取り組んでみたい」と思えるテーマが見つかるかもしれません。
人から頼られ、必要とされる喜びを味わえる時でもあります。人に囲まれた、賑やかな年末年始になりそうです。

---fadeinpager---

[愛について]

2023年の蟹座の愛のテーマは「ほぐれる」です。
これは、別れるとか切れるとかいうことではありません。
むしろ、こんがらがっていたネックレスのチェーンがきちんとほぐれ、美しく装着できるようになる、といったイメージの変化です。
2008年頃から今に至るまで、貴方の世界の「一対一の人間関係」は、強烈にこんがらがっていたのではないかと思います。
この「こんがらがり」は、混乱するとか複雑になるとかいうことではなく、すべてがピタピタとくっついて引き離しがたくなるような、紐帯が濃縮したような状態、というイメージです。ガムテープが想定外にくっつき合ってダンゴになっているような、全体として決してバラバラにならないような状態が起こっていたのではないかと思うのです。
あるいは、他者に対する強い情念、人を求める気持ちが、深く隠された状態で貴方を振り回していた、というようなこともあるかもしれません。人と関わりたい気持ちが強くなりすぎて、かえって人から遠ざかっていた、といったこともあるのではないかと思います。
いずれにせよ、2008年からの貴方の愛の関係の中には、何らかの解きほぐしがたい過剰さがあって、その過剰さの中に貴方は、ある意味「閉じ込められていた」ような状態だったのではないかと思います。

そんなある意味濃密で、ある意味閉塞的な状態が、2023年からほぐれはじめます。
心が自由を得て、ふわりとひらかれ、いろいろな人に対して自由に振る舞えるようになるのです。強すぎる磁力が弱まって、他者に近付いてもいきなり混乱した状況になったりしない、といった軽やかさが出てくるのです。

パートナーシップにおけるお金の問題で悩んでいた人は、その問題から解放されるでしょう。たとえば「価値観の相違」で愛のトラブルが起こったり、愛し合っているのにお金のことが原因で一緒に暮らせなかったり、といった問題を抱えていた人も、2023年中にその問題から抜け出せるはずです。愛を探したいけれど経済的な問題で諦めざるを得ない、といった状況も、そろそろ変えられるかもしれません。

愛を探している人は、経済活動の中での出会いが期待できます。また、買い物や食事など、何か物質的楽しみがきっかけとなって愛が生まれる可能性もあります。2023年の出会いでは、好き嫌いや経済的な感覚など、お金とものに関する共感が重要なカギになりそうです。

愛に追い風が吹くのは、年明け3日まで、1月末から2月中旬、5月から6月頭、10月半ばから12月です。また、5月前半は「愛のミラクル」が起こるかもしれません。

---fadeinpager---

[おわりに]

2023年の年明け、蟹座の人々は非常に忙しい状況でスタートします。あるいは、新しい社会的立場を模索すべく、かなり大胆な挑戦に「打って出る」人もいるかもしれません。年明けから年の前半、貴方は相当以上に熱い闘いを繰り広げているのですが、その大部分は水面下にあって、第三者にはなかなか理解されないかもしれません。ひとりぼっちで自分だけの大問題と闘い続けているような、そんな早春となりそうなのです。
とはいえこの「自分だけの大問題と闘う」状況は、2022年後半から続いていて、今に始まったことではありません。2022年の中ほどでは「どう闘ったらいいかわからない」「どうなれば勝利ということになるのか、ルール自体判然としない」ような状態だったかもしれませんが、半年ほどの紆余曲折を経て、2023年に入る頃には「こういう形にできれば成功」「このラインに達することができればOK」といった勝利、ゴールのイメージが描けているだろうと思います。そのラインを目指して、2023年前半は、熱く駆け抜けていくことになります。

前述のとおり、5月以降は「友情と希望の1年」に入ります。交友関係がぐっと広がりそうですし、未来へのビジョンを新たに書き換えていく人もいるでしょう。「これから」にワクワクできるようになるはずです。特に2018年頃から交友関係が「疎」になりつつあった人は、2023年半ば以降、人間関係の密度が戻ってくるだろうと思います。元の人間関係が復活していく可能性もありますし、まったく新しい「人の輪」に入っていく人も多そうです。
2023年は蟹座の人々にとって、人間関係というものの意義が深いところから変化し始めるタイミングです。おそらく、少数の身近な人との強烈な紐帯、少々強迫的ですらあったかもしれない「縛り」が、ほどけ始めます。特に、支配・被支配関係や共依存、後ろめたさや恐怖心など、簡単にはほぐれない歪んだ結び付きを生きてきた人にとっては、そうしたゆがみが自然に消えていくことによって、より大きな人間関係の中に身を置くことが可能になっていくのではないかと思います。

2023年のもうひとつのテーマが、「お金・物質」です。
2020年頃から経済的な不安を抱えてきた人もいるでしょう。特に経済活動の中で「自分ではどうにもならないこと」「自分の手ではコントロールできない条件」にまつわる問題を背負ってきた人もいるかもしれません。そうした状況が2023年3月、解消されます。さらに6月以降は、経済状態が一気に上向きます。これらの流れは前述の「安定性、継続性」と結び付いています。一時的に豊かになるとか、贅沢をするとかいうことではなく、遠い未来に向けて、遠い場所を目指すにあたって、「どうすれば前進を止めずにいけるか」ということが大きなテーマとなるでしょう。

ひとつの場所に安住していれば、幸福でいられるはずなのです。なのになぜか、人間は危険を冒し、遠い場所を目指して旅をしようとします。今あるもので満足していればいいはずなのに、新しいものを求め、変化を求め、刺激を求めます。蟹座の人々は誰よりも臆病で、安心・安全を求め、慣れ親しんだものに固執する、と言われます。それなのに、蟹座の人々はしばしば、爆発的な行動力をもって現状を打ち壊し、まったく違う新しいものの中にひとりで飛び込んでいくようなことをするのです。こうした、蟹座の爆発的変化は、たいていは瞬間的なものです。でも、2023年からの蟹座の人々が求める「変化」は、そうした瞬間的爆発とは違います。時間をかけて新しいところを目指してみたい、衝動ではなく意志で、新たな世界に住み替わりたい。そんな思いを抱き、確実な一歩を踏み出そうとする人が多そうなのです。新しい星を目指す宇宙船の中の、安定した生活。それが2023年の蟹座の人々が実現しようとすることなのだろうと思います。

「2023年の年報」TOPに戻る

illustration: Tomoko. B. Iwawaki

Share:
  • Twitter
  • Facebook
  • Pinterest

Business with Attitude
Figaromarche
あの人のウォッチ&ジュエリーの物語
パリシティガイド
フィガロワインクラブ
BRAND SPECIAL
Ranking
Find More Stories