双子座の空模様-石井ゆかりの星占い「2023年の年報」

Culture 2022.12.31

2023年 双子座の空模様

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推理小説に出てくる「名探偵」は、手がかりをひとつひとつ手繰りながら、真実に近づいていきます。
そのルートは、「知っていることから、知っていることへ」、ステップ・バイ・ステップの道筋です。
一足飛びに目的地に飛び込んでいくようなことは、あり得ません。
もとい、最初の段階でほぼ、目星がついていても、多くの証拠を集めてしっかりとその論拠が固まるまでは、軽々に答えを口に出したりしません。

双子座は旅の星座であり、コミュニケーションの星座とされます。
双子座の人々の旅や対話、学び、生き方も、ちょうどそんな「名探偵」のようなところがあります。
手がかりから手がかりへ、すでに知っていることから次の知りたいことへと、点を線で結んでいくのです。
いきなり知らない場所にぽんと飛び込むような移動より、ある手がかりを元に次のステップに進む、という道行きのほうが得意なのです。
行動範囲は「現在地」を中心に、じわじわと外に広がります。「ワープ」はありません。

その点、2023年は少々特殊な時間と言えます。
なぜなら、貴方の世界に「ワープ」が起こりそうだからです。
いきなり、知らない場所に飛び込んでいくことになるかもしれません。
途中の「ステップ」を飛び越して、突然目的地に辿り着いてしまうかもしれません。
案内人なしで、手がかりも事前情報もなしで、いきなり「その場所」に入り込むことは、貴方にとっては至難の業なのかもしれません。
それでも、この時期は「ワープ」に意義があるようなのです。

砂漠をゆく商人たちのキャラバンは、「ここにないもの」を求めて旅をします。
手近にないもの、よく知らないもの、見慣れないもの、遠くにあるもの。
そうしたものたちは、それだけで価値があります。
2023年の双子座の人々は、おそらくそうしたもので「勝負」することになります。
現代社会では何かわからないことがあっても、とにかくインターネットで検索すれば「わかる」
と思われているフシもあります。
でも、現実に起こっている物事の最前線、リアルな世界の事象は、「検索」では出てきません。
「検索」で出てくるのは、すべて過去のことです。
今現在から未来に起こる出来事は、自分自身でその出来事の中に飛び込んでみるしか、「わかる」手だてがないのです。

2023年、双子座の人々はおそらく、普段の自分とは少し違ったアプローチで「世界」と相対することになります。すなわち、まったく手がかりのないところから、その体験に挑むのです。
出会いも、挑戦も、新たな選択も、おそらくすべて「ワープ」の条件を含んでいます。
段階的に入り込むのではないからこそ見えるものがあります。
飛び越えてしまったからこそ、引き受けなければならないことがあります。
導き手のない状態で、初めて入り込んだ場所では、当然、孤独になります。
それでも貴方は、そうした「ワープ」を選択するのだろうと思うのです。
たとえば大きなチャンスが巡ってきた時。
たとえば長年の夢がイレギュラーなルートで叶おうとする時。
「自分はそこに至る正当な手順を踏んでいないから」と、断りたくなるかもしれません。
もちろん、そうした選択もあり得ます。
でも、この時期の貴方はおそらく、そうした心のハードルを越えることになると思います。
そこにある「ライン」「ステップ」を、飛び越えてゆくこと。
その選択自体が、人生をリフレッシュする力をくれるようです。

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[時期について]

年明けはゆったりした楽しい時間です。人に「お任せ」するほうがうまくいくことが多いかもしれません。誘われて遠出する機会が多くなりそうですし、人間関係も行動範囲もやわらかに広がっていきます。
2022年8月末からの「勝負・闘い」が10月末くらいからトーンダウンしていたなら、1月半ばから再び熱がこもり始めます。ここから3月末に向けて、一気に「駆け抜ける」ような時間となります。

1月末から2月は、チャンスの多い活躍期です。得意分野で成果を出せますし、日々の活動が特に楽しく感じられるでしょう。褒められたり、高く評価されたりする場面も多そうです。
この時期に「自分はどういう活動をしていきたいか、何が好きで、何を目指すのか」を一度心の中で整理しておくと、3月からの流れをうまく自分のものにできるかもしれません。

3月は星座を問わず大きな転換点となっていますが、特に双子座の人々にとっては「社会的立場が新しい段階に上昇する」ような節目と言えます。これ以降、重要な任務を任されたり、リーダー的立場に立ったり、独立して一国一城の主になったりと、かつてなく大きな責任を引き受ける人が多いでしょう。3月から4月は一般に、ポジションが変わる人が多い時間帯ですが、今年はその変化の振り幅が非常に大きなものとなりそうです。

3月末、「熱い闘い」が収束します。2022年8月下旬から大奮闘を続けてきた人が多いはずですが、その勝負がこの3月末までに終結するのです。怒りが収まったり、誰かと和解できたり、慢性的な苛立ちが消えたり、トラブルが自然消滅したり、といった展開も考えられます。バタバタした雰囲気が収まって、ほっとひと息つく人も多いでしょう。

3月末から6月頭は、旅への野心に火が付きそうです。遠出したくなりますし、「絶対にここに行きたい!」と思えるような場所を見つける人もいるでしょう。
さらに、このあたりから「研究テーマ」「専門分野」に出会う人もいるかもしれません。情熱的に追いかけられるテーマを見つけ、知的活動が活性化します。
また、経済活動が大きく動く時期でもあります。ガツンと稼ぐ人もいれば、新しい収入の道を切りひらく人、大きな買い物をする人もいるでしょう。

5月半ば以降、「救済・犠牲・過去・秘密」の場所に木星が入ります。ここから約1年の中で、「後悔の種」と向き合い、昇華していく人もいるでしょう。あるいは、第三者には見えないところで大きな問題に挑み、解決する人もいるはずです。慢性的な悩みや苦しみから脱出するための、本当に必要なルートを取れる時です。

5月下旬から10月上旬、素晴らしいコミュニケーションの時間となっています。対話の輪が広がり、熱く明るく盛り上がれるでしょう。愛する人や身近な人とも、普段以上に濃密な時間を過ごせそうです。
勉強や取材活動、発信活動などの知的活動に取り組んでいる人には、とても楽しい時間となります。活動に勢いが出ますし、チャンスも巡ってくるでしょう。
旅の季節でもあります。いろいろな場所に出向き、行動範囲を拡大できます。「行きつけの場所」が増える気配も。

7月から10月頭は「居場所が動く」時です。引っ越しや家族構成の変化など、生活環境が変わりやすい時です。長く離れていた故郷に帰って家族や居場所というテーマに「取り組み直す」人もいるかもしれません。居場所の再発見ができる時です。

8月末から10月半ばは、熱い愛と創造の時間です。クリエイティブな活動に取り組んでいる人は特に、意欲が燃え、ガンガン頑張れる時期となりそうです。
愛の世界で新しいアクションを起こせる時でもあります。特に愛を探している人は、ここで積極的に行動し、きっかけを掴めます。

10月半ばから11月は非常に忙しい時間帯です。山盛りのタスクをざくざく捌く中で、いろいろな問題が解決に向かいますし、故障したまま放っておいたようなものを修理して復活させる、といったこともできそうです。

11月から年末は、素敵な愛の時間となっています。パートナーシップや人間関係全般に熱がこもり、人と関わることがとても楽しく感じられるでしょう。これまでコツコツひとりで取り組んできたことを、年末、いろいろな人に深く理解してもらえるかもしれません。

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[愛について]

年明けから3月は貴方自身、カッカした状態になっています。この「熱」が、愛の情熱に向かうか、摩擦や衝突に向かうか、ふたつのルートが考えられます。どちらに向かうか、貴方自身で選択できる部分も大きいようです。
愛する人との仲間意識をしっかり持てれば、「熱」はポジティブに作用するでしょう。一方、未来への不安が募ったり、相手と自分の考え方の違いが気になったりした場合、摩擦や衝突の危険が高まるかもしれません。特に「これから」のビジョンをどのように共有できるかということが、分岐点となる気配があります。

2022年8月下旬から、どちらかと言えばケンカしがちだった人は、2023年3月末までには和解できそうです。なぜ自分が苛立っていたのか、それを自己分析することで出口が見つかるのかもしれません。

6月から10月上旬は、愛のコミュニケーションが広がる時です。愛する人と愛を語り合う、豊かな時間をたくさん持てるでしょう。一緒に出かける機会も多くなります。爽やかな追い風が吹き続ける、明るい時間帯です。

愛を探している人は、年明けから3月は、積極的に自分から行動を起こせる時期です。年の前半はどちらかと言えば「外界」に縁が見つかりやすいかもしれません。交友関係を広げる中で、愛の芽を見つけられそうです。
6月から10月上旬は、身近な場所、地域コミュニティ、散歩やショートトリップなどの場で出会いの可能性が高まります。夏休み、故郷に帰ったところでの出会いや、同窓会にも妙味があります。また、兄弟姉妹や幼なじみの紹介にも期待できそうです。身近な人に「パートナーを探している」ということを広く伝えておきたい時です。

フリーの人もカップルも、愛に追い風が吹きそうなのは1月、4月中旬から5月頭、11月から2024年年明けです。
また、10月半ばに「愛のミラクル」が起こる気配も。

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[おわりに]

2023年前半は人に恵まれ、大きな夢を描ける時間となっています。2022年5月から、不思議と普段より視野が広がり、多くの人の中に身を置く機会が増えているのではないでしょうか。この「多くの人」も、立場やバックグラウンドの差を超えて、フラットに、オープンに関われる人々だろうと思います。ごく広い意味で「友」に出会える時間の中にあり、それが2023年前半まで続いていくのです。

その「友」はこれまで、貴方に「熱」を注ぎこみ続けてくれているようです。2022年後半から熱いチャレンジを続けている人が多いはずなのですが、このチャレンジは決して貴方ひとりだけのものではなく、仲間や友と常に共有できるものだったはずなのです。「みんなのために」頑張ってきた人もいれば、「みんなのおかげで」頑張れたという人もいるでしょう。押し上げられ、導かれながら、夢や希望を胸に、熱い闘いを続けてきた貴方がいるだろうと思います。

「夢」も「友・仲間」も、「遠さ」を含んでいます。さらに2023年半ば以降は、その「遠さ」が過去や広い社会、遠い未知の世界などに広がっていきます。2020年頃からの「コロナ禍」で、私たちは遠出を封じられましたが、2023年の貴方は物理的にか、あるいはもっと別の形で、より遠く広い場所へと歩を進めることになるはずなのです。
その「歩を進める」動き、「旅」「冒険」の動きは、前述のとおり、手がかりも正解もない、ある種の「ワープ」のような動きとなるようです。たとえば、小学生から高校生くらいまでの「学び」は、教科書があり、先生の指導があり、出来上がったカリキュラムがあって、その出来上がった階段を上っていくだけで済みます。その点、大人になってからの研究活動や、自ら何らかのフィールドを開拓するような活動、あるいは他者への責任を背負いながら社会的なチャレンジするような活動においては、出来上がった階段も、マニュアルも、正解を知っている導き手もありません。2023年の貴方が目指し、足を踏み入れる「遠い世界」は、まさにそうした場所です。

「ここがどこなのか、よくわからない」。そんな状況から少しずつ活動を始める人もいるでしょう。見知らぬ人の中に身を置いて、最初の一声をかけるところから始める人もいるかもしれません。過去の人間関係を遡り、時間をワープする人もいるだろうと思います。中間的な手続きがない分、そのアクションは一見、突飛なものにならざるを得ないかもしれません。でも、その突飛さこそが、現状打破の原動力となります。行動した自分も、その行動を受け取った相手も、同じくらい「びっくりする」ことが、扉を開ける力になるのです。
驚きは、いつも人生を新しくする力です。驚く力がある限り、希望があり、出会いがあります。2023年、貴方は多くの驚きに心をふるわせるだろうと思います。

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illustration: Tomoko. B. Iwawaki

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