魚座の空模様-石井ゆかりの星占い「2023年の年報」

Culture 2022.12.31

2023年 魚座の空模様

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つんのめって転びそうになった時は、後ろに戻ろうとするより、つんのめった先の方に足を踏み出してしまった方が、転ばずに済む可能性が高いのです。
何かが変わり始めた時、「元に戻そう」とすると、かえって危険だったりします。
「昔は良かった」と言い続ける人々は、あまり幸せそうには見えません。
年齢を重ねても、なんとか新しい世界を引き受けようとする人のほうが、どっしりと安定して、幸福そうに見えます。

魚座の2023年は、変化の時間です。
変化と言っても、たとえば春から夏に変わるような、わかりやすい直線的な変化ではありません。
むしろ「これまでのバランスを崩す・壊す」こと、異質なものを混ぜ合わせること、古さと新しさを混在させてなんとか現実に対応しようとすること、などにスポットライトが当たります。
新しいバランスを作るには、古いバランスを壊すことが必要です。
ですがその過程では、ただ「バランスが壊れた」「アンバランスになった」ようにしか感じられません。
たとえば、長らく新人の入らなかった部署に、いきなり若い人が数人入ってくると、既存メンバーは「輪が乱された」「場が混乱する」「せっかく出来上がっているシステムを攪乱されている」といった気持ちを抱きます。ずっと続いていた、安定したルーティンが少なからず破壊され、苛立つのです。
みんなで共有していたルールを、「このルールは必要ですか?」と問われます。使い慣れた道具を「新しいものに変えませんか?」と言われます。
こんなことは、本当に不愉快なことですし、混乱しますし、そもそも仕事がうまく回らなくなります。こうなると、なんとか新しい人々を排除して、自分たちの心地良いやり方に戻したい、という思いが湧いてきます。そうでなければ仕事が回らない、という使命感が強まります。
でも、長い目で見れば、これは「過渡期」なのかもしれません。
新しいシステムに変え、新しいルールを作り、新しい道具を導入して、仕事が刷新されていく、その節目がここにあるだけなのかもしれません。

2023年の魚座の世界では、小さな所からだんだん、そうした変化が起こり始めます。
すでにそうした変化は、2022年から起こっているのかもしれません。特に後半、貴方の置かれた環境は、物理的にも経済的にも、かなり大きく「動いて」来たはずです。
この変化の動きは、2023年前半、加速します。
環境が変わり、生活の在り方が変わり、生活動線が変わり、お財布も変わるでしょう。
ひとつひとつの変化が渦を巻きながら貴方の人生をかき回し、新しいバランスを模索する方向へと貴方を導きます。

貴方自身、「このルールは必要ですか?」「この道具は新しいものに変えませんか?」「その価値観は歪んでいませんか?」と、周囲に、あるいは自分自身に、問いかけていくことになるのかもしれません。そのために既存のルーティンが崩れても、それを楽しむ余裕さえあるかもしれません。

こうした自由な、変化や混乱を巻き起こしていくような生き方ができるのは、この時期の貴方があまり「しがらみに囚われていない」からだろうと思います。
2023年の貴方は不思議と、自由で、気軽なのです。
あちこちに気を遣い、配慮や忖度を重ねて「みんなが幸せになるようにしよう」といったスタンスを、2023年はふわりと取り払えるのかもしれません。
魚座の人々はもともと、「自由になろうと思えばいつでも自由になれる」ところがあるのですが、2023年はその「自由」のスイッチが勢いよく「ON」になり、そこから変幻自在、自由自在、天衣無縫に動き回れるようになる、ということなのかもしれません。

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[時期について]

年明けは星座を問わず、スローペースでスタートします。さくさく未来に進む!というよりは、旧年中に立てた今年の計画を見直し、修正や変更を加えるような作業も必要になるかもしれません。
一方、同窓会や古い仲間同士の集まりなどが盛り上がりそうです。昔の友だちとの再会から、何か新しいことが始まる可能性もあります。

1月末から2月は、キラキラの愛に包まれる楽しい時間となっています。うれしいことが多そうですし、恋愛にも強いスポットライトが当たるでしょう。

年の前半は経済活動が活性化していて、平たくいって「金運の良い時」です。特に2月下旬から4月中旬は、お金が大きく動くようです。収入がぐっと増える人もいれば、大きな買い物をする人もいるでしょう。新たな経済活動を始めて、一気に軌道に乗せるようなタイミングです。

3月は星座を問わず、大きめの転機が巡ってきやすいタイミングです。
特に魚座の人々にとっては、「時間をかけなければできないことをスタートする、その第一歩を踏み出す」節目となるかもしれません。ここから始めたことは、2、3年をかけてひとつの形になり、さらに30年近い時間の中で完成に向かうはずです。
また、2020年頃から密かに抱えてきた不安、ひとりで闘い続けてきた問題がある人は、この3月にそのトンネルから脱出できるかもしれません。ひとり引きこもるような気持ちでいた人も、「外に出る」ことができるかもしれません。

3月末から6月頭にかけて、愛と情熱の時間となっています。恋愛はもちろん、家族愛や子育て、何か夢中になれることへの愛など、すべて「愛」と呼べるテーマに強い追い風が吹きます。趣味やクリエイティブな活動も、おおいに盛り上がるでしょう。去年の夏から家族や身近な人の都合に振り回されがちだった人は、このタイミングで爆発的に「自分のこと」に注力できそうです。

5月半ばから「コミュニケーション、学び、旅」の時間が始まります。ここから2024年5月にまたがって、多くの人と対話し、行動範囲を広げ、いろいろな場所に出向いて、大きく成長できるでしょう。勉強や研究、取材、発信活動など、知的活動にも強い追い風が吹き続けます。資格取得やスキルの習得に意欲を燃やす人も多そうです。
この時期は「移動」の時間でもあります。このあたりから移動を始め、辿り着いた場所で2024年半ば以降、「居場所」を建設することになるかもしれません。

5月末から10月上旬は、生活が明るく、楽しくなる時期です。日常生活の中に楽しいこと、うれしいことをどんどん増やせるでしょう。「生活改善」ができる時なのですが、それは決してストイックな、厳しい方向ではありません。むしろ、日々の縛りをできるだけ緩め、深呼吸してのびのび暮らせるような工夫ができる時と言えます。ラクな、楽しいやり方で、できるだけコンスタントに走り続けること。この時期の工夫によって、心身のコンディションが一気に上向きになるでしょう。
就労条件を改善するために交渉したり、より心安らかに働ける職場を探して転職したりする人もいるでしょう。自分に合った仕事を見つけ、生活の幸福度が一気に上がる人もいるだろうと思います。

7月中旬から11月頭にかけては、人間関係が「動く」時です。特に7月から8月は「真剣勝負」「対決」モードが漂います。タフな交渉に臨んだり、問題解決のために誰かと真面目に向き合ったりできそうです。8月後半から9月は、懐かしい再会や人間関係の深まりが期待できます。すれ違ったまま疎遠になった人々と和解し、失われた関係を復活させる、といったことも起こるかもしれません。

8月末から10月前半、そして11月から12月頭は、経済活動が「動く」時となっています。特に、他者から受け取るもの、託されるものが多そうです。また、融資を受けたり投資をしたりと、お金の流れが外側へと拡大していく動きが生じる時でもあります。秋口に作った形の最初の果実が、11月から12月頭に収穫できるようです。

10月半ばから11月は、旅と学びの季節です。遠出する機会が増えそうですし、勉強や研究活動などにも熱い勢いが出てきます。出張、遠征、留学など、使命を抱いて遠く出かけていく人も多いでしょう。出かけた先で不思議な出会いもあるかもしれません。

11月中旬から年明けは、非常に忙しくなりそうです。特に仕事や対外的な活動の場で、ガンガン勝負に出られます。大きなチャンスが巡ってきて、果敢に挑む人もいるでしょう。ただ、この時期のチャレンジには、スピード感は乏しいかもしれません。立ち止まったり、少し後戻りしたりを繰り返しつつ、たっぷりじっくり時間を使って、大きなことを成し遂げられます。過去に取り組んだことにここで再挑戦し、見事大成功を収める、という人もいるでしょう。キャリアにおいて「復活」を遂げる人もいそうです。

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[愛について]

ほっこり、ほんわか。やわらかさ、あたたかさ。
地に足の着いた日常性。共有できる日々の体験、分かち合える小さな、でも大切なこと。
2023年の魚座の愛の世界は、そんなものたちで詰まっています。
お互いにケアし合い、支え合い、あたため合って生きることが、2023年の魚座の愛のテーマです。
ドキドキするようなドラマや、劇的な愛の告白や、凝った企画・演出のラブシーンには、2023年にはあまり、縁がないかもしれません。
ドレスアップして出かけるキラキラの恋より、キッチンやリビングで一緒に掃除しているような愛が、2023年の魚座の世界では「なじむ」ようなのです。

愛を探している人は、ごく身近なところに縁を見つけやすいでしょう。兄弟姉妹や家族、幼なじみからの紹介、地元のイベントでの出会い、生活動線の中での出会いなどが生まれやすい時です。また、仕事の関係者や普段協力して活動している人々など、「一緒に頑張っている人」との繋がりができやすい時でもあります。格好つけない普段着の、でも、一生懸命がんばる姿を、誰かが見つけてくれるのかもしれません。
健康を考えてエクササイズを始めたり、スポーツのサークルに参加したりしたことが、出会いのきっかけとなるかもしれません。自分の心身のケアを考えて行動を起こした時、その延長線上に愛が芽生える可能性があります。

カップルは、「暮らし」が大きな愛のテーマとなるでしょう。ともに生きることは、ともに暮らすことです。「病める時も、健やかなる時も」ともにあり、助け合うことが「愛」です。2023年は特に、そうした愛の本質を日々の生活の中で実感できるでしょう。
また、経済的な条件が上向くことで、愛の関係が進展する可能性もあります。たとえば「結婚したいけれど、経済力がなくて難しい」といった状況にあった人は、経済状態が上向くことで、新しい愛のアクションを起こすことが可能になるかもしれません。

愛の追い風が吹くのは、1月末から2月、3月末から6月頭、10月から11月頭です。
出会いを探している人は特に、春から初夏に積極的に行動を起こすと、結果を出しやすいかもしれません。

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[おわりに]

2023年年明けは、とても豊かな雰囲気で幕を開けます。2022年5月から貴方の「お金、所有、獲得」の部屋に拡大と成長の星・木星が入っており、平たくいってとても「金運の良い時」なのです。年明けから5月までの中で、貴方の経済活動は一気にスケールアップしていくでしょう。収入が増える人もいれば、大きな買い物をする人もいるはずです。お金に関する悩みが軽くなり、生活の安堵感や自由度が増すでしょう。

5月以降は「コミュニケーション、旅、学び」の場所に木星が移動します。ここからフットワークよく動き回り、広やかな場を作れるでしょう。2018年頃から、貴方を取り巻くコミュニケーションはどこか、メタリックになっていたかもしれません。ムダな雑談や感情のやりとりが取り払われ、どこか事務的に、論理的に事が進んで行く傾向があったのではないかと思います。ムダを排することによって負担が軽減し、より自由なやり取りができるようになった一方で、人の気持ちを受け取りにくくなったり、関わりの中で人の体温を感じられなくなったりしてきたのではないでしょうか。2023年5月から2024年5月は、そんなコミュニケーションの中に温かなものが流れ込み、人との心の距離が縮まっていくようです。日常の中で、身近な人とのやり取りの中で、なごやかさややわらかさ、矛盾を含んだ人の体温を感じられるようになり、安らぎや楽しさが増していきます。

2022年8月末から家族や身近な人とのあいだで摩擦や衝突を経験してきた人は、2023年3月には、その摩擦、衝突が収束するでしょう。思いきりケンカして徹底的に膿を出し、スッキリする、という人もいるかもしれません。また、引っ越しや居場所に関するゴタゴタでちっとも落ち着かなかったという人も、3月末には落ち着きを取り戻せるでしょう。過去半年強の奮闘の中で、「安心できる居場所」が出来上がるはずです。
さらに6月以降は、生活全体が楽しさと愛情に満ちてきます。3月まではどこかストレスの多かった生活が、柔らかく優しい、ほんわかした生活へとシフトしていきそうです。

2023年3月以降、「ひとりで取り組むこと」が増えそうです。これまでは人に頼りながらやっていたこと、守られながらやっていたことを、ここからは自分自身の力でやることになるかもしれません。自分だけの意志で自由に活動し始める中で、この先時間をかけて大きく育てて行ける活動が静かに始まっているようです。たとえば、この時期自分の手の中だけで小さく始めたビジネスが、数年経つといろいろな人を巻き込んだ、大きなプロジェクトへと育っている、といったことが起こりやすい時なのです。ひとり勉強したり、コツコツ訓練したりすることを楽しみながら、自分だけの信念を静かに育て始めることができます。

2008年頃から大きな夢を追いかけ続けて来た人、ひとつの理想的ビジョンを追い求めてきた人、憧れの風景を実現するために奮闘を続けて来た人もいるでしょう。2023年は、その憧れ、その理想を「そろそろ実現できたな」という思いが湧いてくるかもしれません。手が届いた夢は、もはや「追いかける」ものではなくなります。実現した理想は、もはや単なる現実です。
では、この先どうするか。魚座の人々にはここから、ふたつのルートがあるのではないかと思います。ひとつは、ここまでに到達した夢、実現した夢を、より盤石な、力強い、大きなものに育てて行くルートです。もうひとつは、まったく別の夢、まったく別の理想を追いかけ始めるというルートです。どちらも、一朝一夕には成し遂げられないことです。
これまであれほど憧れたものが、なぜか色あせて見える、という現象が起こったら、貴方は上記の分岐点に立っているのかもしれません。「これを成し遂げたい」というものを見事成し遂げて、「じゃあ、次はどうしようか」という気持ちが湧いてきたなら、それは自由の旅への入り口です。

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illustration: Tomoko. B. Iwawaki

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