牡牛座の空模様-石井ゆかりの星占い「2023年の年報」

Culture 2022.12.31

2023年 牡牛座の空模様

221231_year_02.jpg

形のあるものと、形のないもの。
手で触れられるものと、そうでないもの。
目に見えるものと、目に見えないもの。
どちらかと言えば前者の方が、牡牛座の世界にはフィットします。
牡牛座は五感の星座、物質の星座、形ある美と価値の星座だからです。

ですが過去数年、貴方が追い求めてきたものは、どちらかといえば後者だったのかもしれません。
形がなく、触れることができず、目にも見えないもの。
そうしたものを意識的にか無意識にか、日々憧れ探し続けてきた貴方がいたのではないでしょうか。
2023年、そうした状況に変化が起こります。
形のないものに形が与えられるのです。

たとえば、水を入れるうつわは、水とは違う物質で作られます。
ゼリーを固めるにはゼラチンを入れます。
形のないものに形を与えるには、少し違った物質を使う必要があります。
「自由」や「愛」や「夢」には、形がありません。
これらを形にしようとすれば、どんなものを使えばいいでしょうか。
人は愛を伝えるために花束を買い、自由を表現するために鎖や綱を引きちぎり、夢を描くためにさまざまな色彩を用います。
2023年、貴方は自分の漠たるイメージに形を与えるため、さまざまな行動を起こすことになるでしょう。
「楽しさ」を形にするには、どうすればいいか。
「喜び」を見えるようにするには、どうすればいいか。
頭を使い、情報を集め、深く考え、手足を動かして、精力的に形のないものに形を与える時、自由が、愛が、夢が、現実のものとなります。
その作業は「企画」と呼ばれたり、「創造」「クリエイション」と呼ばれたり、あるいは「挑戦」「開拓」と呼ばれたりします。

夢や理想を現実のものとする時、かならず幻滅が起こります。
それは、たとえば頭の中の大傑作を、手を動かして現実の作品に仕上げようとする時、「こんな陳腐なもののはずがない」という焦燥が湧き上がるのに似ています。
思い描いている時はただ爽快で愉快なピクニックも、現実には汗や靴ずれや見つからないトイレやまつわりつく虫たちとの闘いだったりします。軽やかに舞い踊るダンサーの足は豆だらけですし、ビーチではアルコールを飲んだ後は水に入るなと注意されます。加工だらけの写真に憧れて訪れた観光地には、くすんで寂れた風景が広がるばかりです。
それでも私たちは、理想や夢を現実に変えようとします。
2023年の牡牛座の世界では特に、貴方の内側からもそのような衝動が湧き上がりますし、外側からも、現実が否応なく注ぎ込まれます。
幻滅を乗り越えて、その先にあるものを目指すことを、内外から促されます。
ベタベタの現実感の中から、蓮の花のように純粋で美しいものを生み出すために、ひたむきに行動することを要請されるのです。

「自己効力感」という表現を、この頃ちらちら目にします。
自分の力で何事かができている、という手ごたえのことだろうと思います。
2023年の貴方が求めるのは、この感覚なのかもしれません。
誰でも、占いの記事を読む時はたいてい「何が起こるのかな」「どうなるのかな」という眼差しになります。
ですが、2023年の貴方の世界では「どうなるか」ではなく「どうするか」「何ができるか」という、主体的アクションがテーマとなっています。
ボールは「運」の側ではなく、貴方の手の中にあるのです。
年明けからすでにそういう状態ですし、年の半ばを境に、その雰囲気はさらに強まります。
手の中のこのボールをどう動かすか、それを企画し、戦略を練り、実行に移すこと。
2023年の牡牛座のメインテーマは、そこにあります。

---fadeinpager---

[時期について]

年明けは星座を問わず、スローペースでスタートします。
牡牛座の人々は特に「遠くから帰ってくるもの」が多いかもしれません。長く離れていた人と再会したり、距離を超えて懐かしい場所を再訪したりする人もいるでしょう。
また、「学び直し」への意欲が高まるタイミングでもあります。
ゆったりしたペースの中でも、いろいろなチャンスを掴めそうです。特に、ここ数年自信がなかったことに関して、少しずつ自信を取り戻すような流れも生じます。

1月下旬から2月は勢いが出てきます。行動範囲が広がり、多方面とのやり取りが活性化します。明るいやる気が湧いてきます。
「人に恵まれる」時期でもあり、仲間や友だちとの交流が活性化するでしょう。人から優しくしてもらえますし、自分からも人に優しくできそうです。また、前向きなプランがさまざまに立つ時期でもあります。年間の休日を前もって確保しておきたいところです。

3月半ばから4月上旬は、キラキラの楽しい時間となっています。ただ、この時期は「楽しむ」だけでなく、未来のことをきちんと考えたい、という真剣な、ある種シビアな思いも強まるかもしれません。より自分らしく自由に生きていくにはどうすればいいか、という思いがまっすぐに湧き上がってきます。
新しい野心に火がつく人もいるかもしれません。「これからはこれをやっていきたい」という、かなり壮大な目標を打ち立て、ぐっと人生の舵を切る人もいそうです。
2022年後半、経済的な問題を抱えていた人は、3月末までにその問題が収束するでしょう。特に、トラブルに悩んでいた人は、ホッとできそうです。

3月末から6月頭は、移動が多くなりそうです。出かける機会が増えますし、旅行や引っ越しなど、物理的な「動き」が大きくなります。積極的に外に出て、行動範囲を広げたい時です。コミュニケーションも盛り上がりますが、エモーショナルになりすぎて、対話が議論へ、議論が口論へと発展しやすい傾向も。ぶつかった時は少しダウンタイムをおくと、大事にはならないはずです。

5月半ば、貴方の星座に木星が入ります。ここから2024年5月にかけて、「約12年に1度の、人生の一大ターニングポイント」の時間帯となります。人生の大イベント、なんでも来いの時間です。自ら大胆なアクションを起こす人も多いでしょう。特に未体験のこと、自分を解放するようなこと、脱皮するような動きが生まれやすい時間と言えます。気持ちがぱっと切り替わりそうです。

5月下旬から10月上旬は、「バラ色の居場所を作る」時期となっています。家庭に愛があふれる時期ですし、自分の手で家の中や庭などを美しくし「この世の楽園を作る」人もいるだろうと思います。真に居心地の良い場所を作れます。

7月から11月頭にかけて、「愛と創造の時間」にもスイッチが入ります。恋愛やクリエイティブな活動、子育てなどに腰を据えて取り組めます。特に創造的な活動をしている人にとっては、チャレンジ、開拓の時期となるでしょう。これまでの自分のやり方をがらりと変える人も少なくないかもしれません。

8月末から10月半ばは、ライフスタイルががらっと変わるかもしれません。心身のコンディションに悩んでいる人は、ここで暮らし方を根本的に改善できます。

10月半ばから11月は人間関係に熱がこもります。真剣勝負しながらも、深い優しさをやり取りできます。「向き合える」時間です。

11月半ばから12月は、経済活動に動きが出てきそうです。特に、他者の財と自分の財の配分や流れに変化が起こるかもしれません。人から受け取るものが多い時です。ギフトのやり取りも活発になるでしょう。

---fadeinpager---

[愛について]

「人生が動く」感の強い2023年、愛も「動く」時期と言えます。
結婚や出産などは人生の「節目」となるような大イベントで、特に年の半ば以降、そうしたイベントが起こりやすくなります。

刹那的な喜びやトキメキを追いかけたい人にとっては、あまり収穫がないか、あるいは「ほかの事が忙しくて、それどころではない」状態になるかもしれません。なにしろ「人生の転機」なので、必死に取り組まなければならないテーマが浮上しやすいのです。ゆえに、この「必死に取り組まなければならないテーマ」を、パートナーシップや結婚に設定した人は、そのテーマにおいて大きな収穫を得られるはずです。
「家庭を持ちたい」「人生をともにするパートナーに出会いたい」「誰かと一緒に生きてみたい」など、長期的な「人生」を見渡したうえでの出会いを求めている人には、アクションの結果が出やすいタイミングとなっています。
特に6月から10月上旬は「居場所」を象徴する場所に愛の星が長期滞在するため、「愛ある居場所」を作るにあたって強い追い風が吹く時間です。「ともに暮らす」ことを目指している人にとっては、願いが叶いやすい時なのです。

パートナーがいる人は、貴方自身が人生の大転機にさしかかるため、そのことへの理解や協力を求める必要が出てきそうです。自分が大変なのだから、相手もわかってくれているはず、と思い込んでしまうと、意外なところで行き違いが生じる危険も。要所要所で時間を取って、しっかり話し合うことが大事です。また、自分が大きな山を越える時はどうしても、相手の話を聞くことがおろそかになります。でも、この時期は「聞く」ことも、とても大切です。
6月から10月上旬の「あたたかな居場所の時間」では特に、一緒に過ごす時間をしっかり確保したいところです。そのことが、「人生の一大ターニングポイント」を乗り切るための原動力となるはずです。

愛に強い追い風が吹きそうなのは、3月半ばから4月上旬、10月から11月です。また、5月頭、10月末にはミラクルな愛のドラマの気配が。

---fadeinpager---

[おわりに]

2023年5月半ば、木星という星が貴方の元に巡ってきて、2024年半ばまで約1年滞在します。この期間は「約12年に1度巡ってくる、人生の一大ターニングポイント」です。人生を変えるような重大な決断をする人もいれば、転機となるようなイベント、転職や引っ越し、結婚や出産、そのほか大きな出来事を経験する人も少なくないでしょう。木星は「幸福の星」なので、この時期を「幸運期」と表現する人もいますが、私はあえて「耕耘期」と言うようにしています。というのも、大吉星・木星が運んできてくれるのは、たった1年だけのけちくさいタナボタ的幸運だなんて、思えないからです。木星は、そこから12年をかけて育てていける「幸福の種」を蒔いてくれるのだと、私は考えています。
種を蒔いたばかりの畑は、更地のように見えます。「何もない」状態です。「幸運期のはずなのに、何もなくなってしまった!」と嘆く人も少なくありません。でも、それは「耕耘期」なのです。自分の可能性の畑をいったん更地にして、そこに種を蒔く、いわば「スタートライン」です。2023年半ば以降、牡牛座の人々はたくさんの新しい活動をスタートさせることになるでしょう。そこでは前述のとおり、過去数年かけて思い描いた夢を「現実化する」ことがテーマとなるはずです。

牡牛座の人々にとって、この2023年5月からの約1年は、非常に特別な時間です。というのも、木星だけでなく、すでに貴方のもとには天王星という星があるからです。天王星と木星が貴方のもとに同座するのが、この2023年5月以降の時間帯なのです。
さらに、貴方から見て「夢・希望」の部屋に位置している海王星のもとに、土星が巡ってくる時間でもあります。
天王星も海王星も、肉眼では見えません。新しい時代、改革・革命、自由、夢、無意識、幻想、救済。天王星と海王星はこのように、「形のないもの・手では触れないもの」を多く象徴する星々です。一方の木星と土星は、肉眼でハッキリと見える星です。現実の世の中、私たちが生きる現在、歩んできた過去、目指すべき目標など、形ある世界を象徴する星々です。すなわち、形のないイメージの世界に、形ある現実が流れ込んでくるのが、2023年の牡牛座の世界観なのです。

2018年頃から、貴方はさまざまなものを壊したり、手放したり、自分から分離させたりしてきたかもしれません。これらはひとえに、貴方の思想と価値観に根ざしていました。より自立した自由な生き方を模索する過程で、多くの「離脱」が起こったのです。
2023年、そんな離脱や分解の後に、実体のあるものが流れ込んできます。理屈で切り分けられて骨組みだけになった世界に、「血肉」と呼べるものが流れ込んでくるのです。スケルトンがボディを得て、動き出します。

「2023年の年報」TOPに戻る

illustration: Tomoko. B. Iwawaki

Share:
  • Twitter
  • Facebook
  • Pinterest

フィガロワインクラブ
Business with Attitude
キーワード別、2024年春夏ストリートスナップまとめ。
連載-パリジェンヌファイル

BRAND SPECIAL

Ranking

Find More Stories