カルチャーを深掘り! 新たな視点を与えてくれる3冊。

Culture 2023.01.01

シェイクスピアの妻は、本当に悪妻だったのか?

『ハムネット』

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マギー・オファーレル著 小竹由美子訳 新潮社刊 ¥2,750

シェイクスピアには、11歳で死んだハムネットという息子がいた。史実をもとに着想したこの小説にはしかし、偉大な戯曲家の名前は一切出てこない。悪妻とされてきた8歳年上の妻こそが本作の主人公であり、鷹匠の技を持ち、薬草の知識に長けた彼女は、夫不在の家庭を守る自立した女性として魅力的に描かれる。離れ離れに暮らす夫婦は、いかにして喪失の哀しみを乗り越えたのか。『ハムレット』の創作秘話と見せかけて、ジェンダーバイアスの呪いから解き放つ、心震える愛の物語。

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人生の処方箋が詰まった、ラブコメ映画の鑑賞法。

『新しい出会いなんて期待できないんだから、誰かの恋見てリハビリするしかない』

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ジェーン・スー、高橋芳朗著 ポプラ社刊 ¥1,650

ご都合主義と侮ることなかれ。周到な伏線と気恥ずかしいまでに真っすぐなメッセージ。ラブコメ映画には人生をエンパワーメントするヒントが満載。『恋人たちの予感』や『プラダを着た悪魔』のような殿堂入りの作品から知る人ぞ知る名作まで、ラブコメ映画34本の鑑賞のツボを徹底解説。もう恋なんてこりごりと思っている人ほど自分をアップデートする刺さる金言に出合えるはず。読んでから見れば、作品の解像度が増すこと間違いなし。

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シャネルからボウイまで、250軒の自邸を一挙公開。

『世界のアーティスト250人の部屋 人生と芸術が出会う場所』

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サム・ルーベル著 ヤナガワ智予訳 青幻舎刊 ¥4,950

アーティストにとって自宅は創作の源泉であり、秘密めいた隠れ家でもある。ジェーン・オースティンが代表作『高慢と偏見』を執筆したダイニングルーム。モロッコの美しいタイルに彩られたイヴ・サンローランのエキゾティックな邸宅。ジャン・コクトーの別荘は、ランプシェードからテーブルまで自らの絵で埋め尽くされている。ラファエロからシャネル、デヴィッド・ボウイまで、斬新なインテリアに彼らの個性が垣間見える一冊。

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*「フィガロジャポン」2022年3月号より抜粋

text: Harumi Taki

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