ハリー王子、実父の噂について初めて口を開く。

ハリー王子がチャールズ国王の息子でなかったら？ ハリー王子の実父については、何年も前から噂が絶えないが、今回、初めて実父のことを回顧録で語っている。

当時のチャールズ皇太子とジェームズ・ヒューイット少佐。(1991年7月16日、ウィンザー) photography: Getty Images

チャールズ3世は、若き日のハリー王子に「自分が本当にプリンス・オブ・ウェールズ（チャールズ皇太子に与えられた称号）なのかどうか、誰にもわからないよ。私がおまえの本当の父親かどうか誰がわかるだろうか？ おそらくおまえの本当の父親はブロードムーアにいるのだろう、私の愛しい子よ」と口走ることがあったと言う。チャールズ3世はこのジョークに大笑いしたという。しかし、ハリー王子の回顧録によると、当時広まっていた噂から、ハリー王子はこのジョークをまったく面白いと思わなかったと言う。実の父親だと噂されたのは、母ダイアナ妃のかつての恋人のひとり、ジェームズ・ヒューイット少佐だという。

「この噂は、ヒューイット少佐が燃えるような赤毛だったことも理由だが、一種のサディズムが原因でもあった」と回顧録には綴られている。当時、タブロイド紙の読者たちは、「チャールズ皇太子の末っ子は、実はチャールズ皇太子の子供ではない」と大騒ぎし、真相を知りたがった。「若い王子の人生の笑い話に、（読者たちは）自分たちの存在の慰めを見出したのかもしれない」と語っている。

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私のDNAサンプル

ハリー王子は、自分が不倫の産物ではなく、父であるチャールズ3世の息子であることを頑なに主張する。ハリー王子は回顧録の中で、「母がヒューイット少佐に会ったのは、私が生まれてからずっと後のことだが、この話は放ってはおけない話題だった」と述べて、情報を正している。私たちが知る限り、ダイアナ妃がヒューイット少佐と出会ったのは1986年、つまりハリー王子が生まれて2年後のことだ。しかし、イギリスのマスコミはあきらめずに噂を流し続けている。「それを証明するために、私のDNAを採取しようとするジャーナリストも存在すると言われたくらい。その時、私は初めて、母を公の場から退くほど苦しめていたメディアが、やがて私を追いかけてくることを悟った」と、ハリー王子は語った。

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スキャンダル、メーガン夫人、ハリー王子：予測された嵐のクロニクル

ハリー王子が悔しがって否定しても（何年経っても）、ゴシップが本当になくなることはない。「今でも、新聞や雑誌の私のバイオグラフィーやポートレートには、ヒューイット少佐のことが書かれていて、父子関係があるのではないかと憶測されている。そして、最終的に父が私を脇に置いて、「ヒューイット少佐はおまえの本当の父ではない」と、目と目で話し合う場面の話まで、至極まじめに想像で書かれている。センセーショナルで、痛快で感動的な、そしてコントのようなシーンだ。父はヒューイット少佐のことをどう思っていたのかは自分の胸にしまっていた」と、ハリー王子は回顧録『スペア』の中で語っている。

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危険な逢瀬

ジェームズ・ヒューイット少佐自身は、1999年にブレイク・パブから出版された著書『ラブ・アンド・ウォー』の中で、ダイアナ妃との情事を振り返っている。英国陸軍の大尉から少佐になったヒューイットによると、王妃は友人たちとの夜のひとときに乗馬のレッスンをしてほしいと頼んできたという。「ダメだったことはただひとつ。私たちは恋に落ちてしまった」と書いている。

チャールズ皇太子とダイアナ妃の11年間の結婚生活の間、タブロイド紙はダイアナ妃の浮気を合計7件と報じた。その中には、ボディーガードだったバリー・マナキーとのロマンス、元自動車販売員のジェームズ・ギルビー、美術商のオリバー・ホアなどが含まれていた。しかし、1992年に当時のチャールズ皇太子と別れた後、ダイアナ妃が恋に落ちたのは、外科医のハスナット・カーンに他ならない。ふたりの恋は2年間続いた。ハスナットが、彼らの関係が公になるのを嫌がって、終止符を打ったのである。

そしてダイアナ妃は、ドディ・アルファイドと出会う。致命的な結末になったことはよく知られている。