ハリー王子のセラピーに役立った"ダイアナ妃の香水"とは。
Culture 2023.01.21
サセックス公爵ことハリー王子は回顧録の中で、母親が亡くなった後にセラピーを受けたこと、そして母の香水が治療に役立ったことを明かしている。
ダイアナ妃とハリー王子。1995年。photography: Abaca
ハリー王子の回顧録に関しては、父や兄を非難していることや、メーガン夫人とキャサリン皇太子妃の対立を語っていることが話題を呼んでいるが、母への思いを語っている部分もある。1997年8月31日に母を失った12歳の少年が、その死を受けいれがたく感じたことも。回顧録『Spare(スペア)』では、母の死に対処するために受けたセラピーに母愛用の香水を持参した時のことが、「セラピーの最初にボトルを開けて胸いっぱいに香りを吸いこんでみた。LSDのように」と描写されている。そして、「嗅覚は五感のなかでもっとも起源が古いとどこかで読んだことがある。その時の体験もそんな感じだった。自分の脳の最も原始的な部分から、イメージが湧いてくるようだった」と続けた。
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香りのワルツ
それはなんの香水だったのだろう? ハートのプリンセスと呼ばれたダイアナ妃が晩年に愛用した香りはヴァンクリーフ&アーペルの「ファースト」だった。もっともずっとそれ一筋だったわけではない。多くの女性と同じように、ダイアナ妃はいくつもの香りを変遷してきた。1986年に当時のチャールズ皇太子と結婚した頃に愛用していた香りは、ウビガンの「ケルク フルール」だった。このほか、エルメスの「ヴァンキャトル フォーブル」やディオールの「ディオリシモ」(モナコのグレース公妃が愛用したことでも知られる)、ニナリッチの「レール デュタン」、ペンハリガンの「ブルーベル」、ゲランの「ミツコ」も好んだ。
ダイアナ妃のメイクアップアーティストだったメアリー・グリーンウェルは1994年にABCニュースの取材に対しダイアナ妃について、「いつも、いつも、いつも、香水をつけていらっしゃいました。香りは女性の暮らしの中でとても大事です。お化粧の仕上げのようなものです」と語っている。
text: Justine Feutry (madame.lefigaro.fr)