2023年アカデミー賞ノミネートに対し、「性差別的」と批判が起きた原因は?

Culture 2023.01.29

アメリカの「ヴァラエティ」誌が報じたところによると、アメリカの非営利団体「ウーマン・イン・フィルム」は1月24日、アカデミー賞監督賞に女性がノミネートされていないことに抗議する声明を発表した。

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リズ・アーメッドとアリソン・ウィリアムズが第95回アカデミー賞ノミネート作品を発表。(ロサンゼルス、2023年1月24日) photography: Abaca

「ヴァラエティ」誌によると、第七の芸術、映画分野における機会均等を訴えるアメリカの団体「ウーマン・イン・フィルム」が、1月24日のアカデミー賞ノミネートの発表を受け、監督賞に女性がノミネートされていないことを非難する公式メッセージを発表した。男性も女性もいるこのカテゴリーで、「アカデミーは監督賞ノミネートから女性を外し、わたしたちの声を重視しない態度をまたしても示しました」と同団体は述べた。「アカデミー賞は単なる金の像を超える価値があります。キャリア加速させてくれるものなのです」とも言う。

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候補者は男性監督5人

今年の監督賞にノミネートされたのは、マーティン・マクドナー(『イニシャリン島の精霊』)、ダニエル・クワン&ダニエル・シャイナート(『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』)、スティーブン・スピルバーグ(『ファイブルマンズ』)、トッド・フィールド(『TAR ター』)、リューベン・オストルンド(『逆転のトライアングル』)の男性監督5人。しかし、『ウーマン・トーキング 私たちの選択』のサラ・ポーリーや『SHE SAID /シー・セッドその名を暴け』のマリア・シュラーダー、『The Woman King(原題)』のジーナ・プリンス=バイスウッドの名が並んでいてもおかしくはなかった。同様に作品賞も女性監督の不在が目立つ。10作品のうち、女性監督の作品は『ウーマン・トーキング 私たちの選択』のみ。このアンバランスさからハッシュタグ「#OscarsSoMale(オスカーは男だらけ)」が誕生している。

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多様性の欠如

ジャーナリストのソフィー・ヴェルシュヴォはツイッターで、「私たちを黙らせるために女性監督をひとりぐらいノミネートするかと思ったのに」と皮肉った。「ヴァラエティ」誌が指摘するように、アカデミー賞史上、監督賞にノミネートされた女性監督はたったの7人しかいない。そして同賞受賞者は2010年のキャサリン・ビグロー、2020年のクロエ・ザオ、2022年のジェーン・カンピオンの3人だ。

アカデミーが差別主義だと非難されるのは、今回が初めてではない。2016年には、ハッシュタグ「#OscarsSoWhite(オスカーは白人だらけ)」がアカデミー賞の多様性の欠如を指摘した。フランスでも同様の論争が起こるかもしれない。1月25日に発表されたセザール賞の監督賞に女性がノミネートされていないからだ。ネットでは、『Revoir Paris(原題)』のアリス・ウィノクールも、『Les enfants des autres(原題)』のレベッカ・ズロトフスキーも、『Saint Omer(原題)』のアリス・ディオプもノミネートされなかったことを残念がる声が上がっている。

text: Chloé Friedmann (madame.lefigaro.fr)

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