「真実を明らかにする」未成年買春疑惑のアンドルー王子を擁護する写真とは?

Culture 2023.02.02

ギレーヌ・マクスウェルの家族が1月27日に一枚の写真を公開した。イギリスのテレグラフ紙によれば、ヴァージニア・ジュフリーから性的虐待で訴えられたアンドルー王子の無実を証明し、「真実を明らかにする」ための写真だそうだが、はたして決定的証拠になり得るのだろうか?

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ギレーヌ・マクスウェルのロンドン宅でのアンドルー王子、ヴァージニア・ジュフリー、ギレーヌ・マクスウェル(イギリス、2001年) 米国ニューヨーク州南部地区裁判所

バスタブの中に大人が2人座っている。白い服を着て足を折り曲げ、アンドルー王子とヴァージニア・ジュフリーの写真のお面をかぶっている。ちょっとシュールな感じの写真は、ギレーヌ・マクスウェルの家族がギレーヌのロンドン宅で撮影したもの。この写真でエリザベス女王の次男、現在62歳のアンドルー王子の無実を証明すると同時に、彼を訴えたヴァージニア・ジュフリーの主張を覆すとのふれこみだ。故ジェフリー・エプスタインの性奴隷だったヴァージニアは、自分が未成年の時にヨーク公アンドルー王子から性的虐待を受けたことを告発した。エプスタインと共犯者のギレーヌ・マクスウェルによる未成年女子人身売買組織の糾弾を実名でおこなった最初のひとりでもある。

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真実を明らかにする

 

 

「この写真を公開するのは、真実を明らかにするためだ」と、ギレーヌ・マクスウェルの家族はテレグラフ紙に語った。「写真を見れば、こんな小さなバスタブでは性行為なんてできないことが誰の目にも明らかだ」とギレーヌ・マクスウェルの家族は主張し、ヴァージニアの証言を覆そうとしている。ヴァージニアは2016年の取り調べ時に、ギレーヌ・マックスウェルのロンドン宅の最初はトイレで、次にバスタブでアンドルー王子と無理やり性的関係を持たされたと供述した。

確かに服役中のギレーヌはこのように主張している。「ロンドンの私の家の浴室で事が起きたと彼女は言っているけれど、それは単純にあり得ない。バスタブが小さすぎてそうした行為はできないはず。私の家で起きたことに関する彼女の話は荒唐無稽でばかばかしい。明らかに嘘をついている」と。今回の写真もこの主張に沿ったものだ。ギレーヌは現在、2019年に収監先で自殺したジェフリー・エプスタインの事件において性売買の罪に問われ、懲役20年の判決を受けている。

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写真は逆効果

今回の写真でヴァージニアの主張を覆す事が本当にできるのだろうか? エプスタインとマクスウェルの性被害者9名の代理人になっている米国弁護士スペンサー・クービンは、こんな写真は「ばかばかしい」だけでなく、逆効果だと切り捨てる。このバスタブで性行為をするのは大変だったかもしれないが不可能ではなく、しかもこの写真によってヴァージニアが嘘をついていなかった事が証明されるからだ。「つまり、ヴァージニアがあの家にいたことを彼らは間接的に認めたことになる。それは彼らの主張と矛盾する」と弁護士はイギリスの「ミラー」紙に語った。

1月上旬、ギレーヌ・マクスウェルは獄中からイギリスのTalkTV局の取材に応じ、ヴァージニアが自分や王子と親密に写っている2001年の写真は「偽造」されたもので、自分にはこの時の記憶がないと語っている。弁護士のスペンサー・クービンはこの発言も一笑に付す。「アンドルー王子はイメージ回復に必死だ。そして、ギレーヌ・マクスウェルは、自分の人生に関わった男たちを守ろうとしている。擁護することで、将来、アンドルー王子が自分を助けてくれるだろうと期待している」

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王室の嫌われ者

ヴァージニア・ジュフリーから訴えられて以来、アンドルー王子は王室の嫌われ者となった。軍での称号も公務もすべて剥奪され、外出先で攻撃対象になることも多い。9月8日に亡くなった母エリザベス女王の葬儀でも、棺の後ろを歩いていたところを22歳の男に何度も罵倒された。「アンドルー、お前は病気の老人だ、最低だ」 と男は絶叫し、警察に逮捕された。

それ以来、ユージェニー王女ベアトリス王女の父親であるアンドルー王子はイメージの回復を図っているようだ。2022年2月にヴァージニア・ジュフリーと金銭的合意により和解したことで世間の目には有罪を認めたものと映り、一層のイメージダウンにつながった。数日来、さまざまな情報筋からこの金銭的合意を破棄しようと王子が考えている話が伝わってきている。エプスタイン事件の性被害者たちの弁護士であるスペンサー・クービンはそんなことは意に介さない。「合意を破棄したい、自分は無実だ、王室に復帰すべきと主張して王子が失うものは何もない......でもそんなことは決して実現しないだろう」と語った。

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text: Léa Mabilon (madame.lefigaro.fr)

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