キアラ・フェリーニの「バストトップ」、サンレモ音楽祭を動揺させる。

Culture 2023.02.09

イタリア音楽の祭典のオープニングに、インフルエンサースターのキアラ・フェリーニが選んだのは、女性の裸体を描いた魅惑的なだまし絵の衣装など、ディオールの特注ドレスの数々だった。

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2023年サンレモ音楽祭でディオールのドレスを着て司会を行うキアラ・フェラーニ。(イタリア、2023年2月7日)photography: Getty

原罪を背負った「イヴ」の衣装をまとった司会者。第73回サンレモ音楽祭は、2月7日、イタリア北部の海岸沿いの町で盛大に幕を開けた。その理由は、国民的アイドルであるキアラ・フェラーニが、イタリアの人気音楽イベントのプレゼンターを務めたからである。このインフルエンサーは、アリストン劇場のステージで裸と見間違える姿で現れ、その存在をアピールした。35歳のスターは、だまし絵のようなドレスに身を包み、「最もシンプルな方法」で、かつての少女だった自分に宛てた感動的なスピーチを行った。この映像はRailチャンネルで視放送され、毎年開催される有名な音楽コンクールとしては過去最高の視聴者数である約1100万人が視聴した。

 

 

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こだわりのワードローブ

キアラ・フェラーニがアンバサダーを務める「ディオール」によるメイド・トゥ・メジャーで、「sans vergognes」と名付けられたこのドレスは、2018年春夏のオートクチュールモデルからインスピレーションを得ている。全体が刺繍されたこの新バージョンは、コミュニケーション作戦の一環だ。実際、キアラ・フェラーニは、サンレモ音楽祭への参加を、女性に対する暴力との闘いという看板の下に位置づけている。その思いは、出演料をD.i.Re(Donne in Rete contro la violenza、暴力に反対するネットワークの女性たち)協会に寄付することでも示されているが、音楽祭のステージで着用した4つの衣装でも示されている。

 

 

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メッセージ性のあるドレス

ビジネスウーマンは、それぞれ異なるメッセージを込めた4着のドレスをつなぎ合わせた。だまし絵のドレスは、原罪を背負ったイヴの神話を想起させる。スターのInstagramアカウントから得られたネガティブなコメントがプリントされた、ヘイトに対するドレス。クレア・フォンテーヌのアーティスト、フルヴィア・カルネヴァーレとのコラボレーションによるマニフェストドレスには、「Pensati libera(自由に考えよ)」と刻まれたストールが添えられている。最後に、クリノリンが見えるケージドレスは、女性の監禁の寓話である。ディオールのアーティスティック・ディレクター、マリア・グラツィア・キウリが得意とするスタイリングだ。そしてそれは、彼女がディオールのトップに立った最初のコレクションで、“We should all be feminists” Tシャツ:「私たちは皆、フェミニストであるべきだ」を発表したときからそうだったのだ。

イタリアでは非常に参加者の多いサンレモ音楽祭は、数夜に渡って開催される。最後の2月11日は、キアラ・フェラーニがオーケストレーションも担当する予定だ。

text: Mitia Bernetel (madame.lefigaro.fr) translation: Hanae Yamaguchi

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