チャールズ3世との離婚についてダイアナ妃が克明に書きつづった手紙がオークションに。

Culture 2023.02.13

1月31日に英「ミラー」紙が報じたところによると、ダイアナ妃チャールズ皇太子(当時)との離婚のつらい思いをつづった手紙の数々がオークションにかけられることになった。出品者は手紙の名宛人であり、ダイアナ妃と親しかったひと組の夫婦だ。

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ダイアナ妃がスージーとタレク・カセムに宛てた手紙。photography: Lay's Auctioneers/BNPS

少なくとも32通はあるそうだ。「ハートのプリンセス」と呼ばれたダイアナ妃は1995年から1996年末までの間、親しかったスージーとタレク・カセム夫妻にチャールズ皇太子との離婚についての苦しい胸の内を手紙で打ち明けた。1月31日付の英「ミラー」紙によると、ごくプライベートな内容のものを除いた手紙が2月16日にオークションにかけられる。

「生々しい感情にあふれ、まさに驚くべき」内容の手紙は所有者から依頼を受けたオークション会社のレイズ・オークショニアズが現在保管している。今日70代となったカセム夫妻がダイアナ妃と出会ったのは1995年8月のことだった。夫妻は自分たちの子や孫がこの手紙を受け継ぐのは荷が重すぎると考え、オークションに出すことにした。

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9万ポンドの価値

コーンウォールに本拠のあるオークション会社では、ダイアナ妃の肉筆による貴重な手紙を一通ずつ販売することにしている。総額で9万ポンドの価値があると見積もられている。収益は、スージーとダイアナ妃が関わっていたチャリティー団体に寄付される予定だ。

盗聴の恐れ

ダイアナ妃が手紙で語っているところによると、手紙を書くようになったのは、ケンジントン宮殿で自分の電話が「常に」盗聴されている恐れがあり、さらには私的な会話の録音が、ロイヤルファミリーに渡っている懸念があったからだそうだ。1996年5月20日の手紙には、「携帯電話を持っていないので、個人的な話がなかなかできません。自分の電話回線は常に録音され、報告されてしまうので」と書かれている。同じ手紙の中で、「離婚が成立するまでどんな目に遭うのか一年前にわかっていたら、絶対に同意しなかったでしょう。絶望的で醜悪です」ともある。

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打ちのめされ、早く離婚が成立することを切に願っています。

レディ・ダイアナ

オークション会社は他にも手紙の抜粋をいくつか公開している。1996年4月28日付の手紙は、当時ダイアナ妃が感じていた絶望感を生々しく伝える。手紙では一緒に外出する約束をキャンセルしたことを詫び、出かけるには自分が弱り過ぎていると言い、「とても困難な時期を過ごしています。プレッシャーは深刻で、あらゆる方向から来ます。毅然と振るまうのも大変で、いまは打ちのめされ、早く離婚が成立することを切に願っています。費用も膨大になりそうです」とある。筆跡もダイアナ妃の気持ちを雄弁に伝える。手紙の終わりに近づくにつれて筆跡は乱れ、文字から優美さが失われていく、と「ミラー」紙は報じている。

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仲良しの三人

別な手紙は、これまで世間で信じられてきたことが事実と異なることを明らかにする。1995年のクリスマスウィリアム王子(当時)とハリー王子はサンドリガムの父親の元へ行き、ダイアナ妃はケンジントン宮殿でひとりぼっちだったと思われていた。実際は、カセム夫妻がダイアナ妃を家に招待していた。ダイアナ妃はこれに感激し、カセム家の集まりに参加させてもらったことを感謝する言葉をつづっている。

1996年8月に離婚が成立し、翌年にダイアナ妃は悲劇的な死を遂げた。大好きな友人夫妻にダイアナ妃は手紙で賞賛を惜しまない。「私は蝶のような存在かもしれないけれど、この素敵な家族と別れて飛びさりたくありません」とカセム家について書いている。そして「三人でいて楽しい!」と喜び、友人夫妻から守られている実感をありがたくかみしめて、「こんなにわたしを励まし、好いてくれる夫妻はいない」と書く。夫妻は友情を深めるだけでなく、瞑想、ジャスミンオイルをはじめとしたいろいろなプレゼントでダイアナ妃を気前よく慰めた。30年近く埋もれていた宝のようなダイアナ妃の書簡がいま、よみがえって世界に飛び立とうとしている。

text: Annabelle de Cazanove (madame.lefigaro.fr)

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