「45歳以上の女性を祝おうとしない世界」グラミー賞授賞式での中傷に対し、マドンナが反論。
Culture 2023.02.14
グラミー賞授賞式後、彼女の外見への批判的なコメントが殺到。これに対してマドンナは「年齢差別」や「女性蔑視」だとインスタに反論を投稿した。
2023年2月5日、ロサンゼルスで開催された第65回グラミー賞授賞式でのマドンナ。photography: Robert Gauthier/Los Angeles Times/Getty Images
2023年2月5日開催の第65回グラミー賞ではマドンナの意に反し、その外見に注目が集まった。そもそも彼女は最優秀ポップ・パフォーマンス(グループ)賞を受賞したサム・スミスとキム・ペトラスのコラボ曲「Unholy」のプレゼンターとして登場した。この役を大変光栄に思っていたことは、2月8日にインスタ投稿したメッセージでも明らかだ。「キム・ペトラスとサム・スミスをグラミー賞で紹介できて光栄です。最後に発表される年間最優秀アルバム賞の発表をしたいと思っていましたが、こちらの方が重要だと思いました。グラミー賞で初めてトランスジェンダー女性のパフォーマンスを紹介する歴史的瞬間です!」とある。
ところが、自分にとっても音楽業界にとっても重要なこの出来事が、自分の外見にばかり注目するメディアのせいで影が薄くなってしまったとマドンナは嘆く。「サムやキムのように勇敢なアーティストに感謝を述べた私のスピーチよりも、プレスカメラマンによる、誰の顔でも歪むような望遠レンズで撮った私の顔アップ写真ばかりをみんな話題にしました」と言う。タブロイド各紙はマドンナの変貌ぶりや整形手術の可能性を指摘する記事にこうした写真を使用した。一方、マドンナはインスタグラムでメッセージと一緒に当夜のビデオを公開し、カーディ・Bやサム・スミス、ハニー・ディジョン、ジョジーと(顔アップで)登場している。
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年齢差別と女性蔑視
「またしても、私たちの住む世界にはびこる年齢差別と女性蔑視の目にさらされました。45歳すぎた女性を祝おうとせず、強い意志と勤勉さ、冒険心を持つ女性を罰する必要があると考える世界です」と現在60代のマドンナは激しく非難した。
そして、「これまで自分がしてきたクリエイティブな選択や、外見や服装について謝ったことはありませんし、これからもそのつもりはありません。デビュー以来、メディアからはひどい扱いを受けてきましたが、これはすべて試練だと思っています。私に続く女性たちが少しでも楽になるよう、先駆者になることをうれしく思います。ビヨンセの言葉を借りれば、“You won't break my soul(あなたに私の魂は壊せない)”です」と、同夜にグラミー賞を受賞した曲「ブレイク・マイ・ソウル」の歌詞を引用した。
2023年2月5日、ロサンゼルスで開催された2023年グラミー賞授賞式でのマドンナ。photography: Kevin Mazur/Getty Images/The Recording Academy
最後に「私はこれからも、既成概念を覆し、境界線を押しひろげ、家父長制に立ち向かい、そして何よりもこれからも自分の人生を楽しみたいと思っています」の言葉でメッセージを締めくくった。
text: Victoria Hidoussi (madame.lefigaro.fr)