ハリー王子とメーガン夫人、英国の住居から「退去通告」か。

Culture 2023.03.03

チャールズ3世が治めるイギリスでハリー王子夫妻が歓迎されることはもはやないだろう。ハリー王子の回顧録が出版された後、国王はイギリスに残された夫妻の住居の返還を求め、ここにアンドルー王子を住まわせようとしている。もっともアンドルー王子は引っ越しを渋っているらしい。

meghan_harry_aflo_212111059.jpegイギリスのフロッグモア・コテージからの退去通告を受けたとされるハリー王子とメーガン夫人。(オランダ、2022年4月17日) photography: AP/Aflo

サセックス公爵夫妻はイギリスで確実にペルソナ・ノン・グラータ、すなわち好ましくない人物となっている。最近、イギリス国王チャールズ3世は、故エリザベス女王が2018年に結婚祝いとして若いふたりに贈ったフロッグモア・コテージからふたりを退去させるという強烈で象徴的な決断をくだした。2023年2月28日の英タブロイド「サン」紙の報道によると、ハリー王子の回顧録『Spare』が1月に出版された後、いまからおおよそ1カ月前に夫妻は退去の通告を受けたようだ。しかもなんと、国王は弟のアンドルー王子にこの住居を提供するつもりらしい。

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アンドルー王子の追放

2022年1月に王族としてすべての役職が剥奪されたアンドルー王子に国王が救いの手を差し伸べたことは驚くべきことだ。思い起こせば、王弟はバージニア・ジュフリーという女性から、ジェフリー・エプスタインの仲介で自分を17歳の時にレイプした、と訴えられた。

その結果、ユージェニー王女ベアトリス王女の父親は役職を剥奪されただけではない。2022年9月8日にエリザベス女王が亡くなった後も支給されていた年間25万ポンドの王室手当を、今年の4月からチャールズ3世は廃止する予定だ。これにより、アンドルー王子は現在住むウィンザーのロイヤル・ロッジの維持費が支払えず、事実上居住が不可能になる。

いまのところアンドルー王子はフロッグモア・コテージへの転居の提案を受け入れていない。現在の全30室の住まいよりも質素な5ベッドルームの家に移ることになるからだ。前妻サラ・ファーガソンと暮らす「ロイヤル・ロッジ」は3000万ポンドの価値があり、この家に留まることをアンドルー王子は「決意」していると、ある匿名の関係者は「サン」紙に語った。

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私物の返還

もっともアンドルー王子がフロッグモア・コテージに引っ越したら、ハリー王子とメーガン夫人よりも活用することは間違いない。ハリー王子夫妻は2019年4月の入居前に240万ポンド相当の改修をおこなうように要求したものの、住んだのはたった半年間だけだった。この時の改修費用は後に夫妻が全額弁済している。その後、この家には2020年11月、出産を控えたユージェニー王女が一時滞在していた。現在、王女は夫のジャック・ブルックスバンクとポルトガルと英国を行き来する生活を送り、ロンドンではケンジントン宮殿のノッティンガム・コテージに居住している。

サセックス公爵夫妻は2020年にアメリカに生活拠点を移した後、フロッグモア・コテージはほとんど訪れていない。2022年4月、エリザベス女王の在位70周年を祝うプラチナジュビリーの際にごく短期間戻り、ここで娘リリベットの1歳の誕生日を祝ったぐらいだ。退去通告された後、ハリー王子はすでにオットマン・ベンチや長椅子などの私物をカリフォルニアに送るよう求めていると伝えられている。

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イギリスにいられなくなるサセックス公爵夫妻

ハリー王子とメーガン夫人は、この家を使えなくなることで、イギリス国内の拠点を失う。匿名の関係者が「サン」紙に語った言葉を借りれば、「この立ち退きによってハリー王子とメーガン夫人はイギリスにいられなくなるだろう」

ハリー王子は現在、イギリス滞在中に警察の警護を受けられなくなった決定を不服として政府相手に裁判を起こしているのだが、その一方で住居の特権を失いつつあるのだ。

もうひとつの焦点は、アーチーとリリベットの両親が5月6日のチャールズ国王の戴冠式に招待されるのだろうか、出席を拒否されないだろうか、という点だ。もっとも複数の関係者が、サセックス公爵夫妻は招待されたと「デイリー・エクスプレス」紙に語っている。

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それにしてもなぜ?

2022年12月にハリー王子夫妻のNetflixドキュメンタリーが公開された後、出版されたハリー王子の回顧録は王室との関係をさらに悪化させた。回顧録の中でもっとも破壊力があったエピゾードは、ハリー王子とウィリアム皇太子の激しい口論についての部分だ。2019年、メーガン夫人をめぐって兄弟喧嘩となった際、将来国王となる兄が自分を地面に投げ飛ばしたとハリー王子は非難している。口論がヒートアップし、激しいやりとりの末、ついに手が出て、ハリー王子が「宿敵」と呼ぶ兄が弟を地面に押し倒したのだろう。

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むなしい言葉

チャールズ3世は国王即位直後の演説で「海外で暮らしつづけるハリーとメーガンに愛を伝えたい」と述べた。また2018年にエリザベス女王がふたりに住まいを与えた時、ふたりは以後、「自分たちの家族がイギリスにいつまでも自宅と呼べる場所がある」と語った。いまとなってはどれもむなしく響く言葉だ。

text: Annabelle de Cazanove (madame.lefigaro.fr)

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