アンディ・マクダウェル、グレイヘアの理由を語る。

Culture 2023.04.04

アメリカ人ジャーナリスト、ケイティ・クーリックのYouTubeインタビューに応じた女優アンディ・マクダウェルは、若さ至上主義を一蹴し、グレイヘアがいかに素晴らしいかを語った。

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2023年3月12日、ハリウッドで開催された第95回アカデミー賞授賞式でのアンディ・マクダウェル。photography: Gilbert Flores/Variety/Getty Images

シャーロット・ランプリング、キャメロン・ディアスジェイミー・リー・カーティス、そしてアンディ・マクダウェル。いずれも老いと正面から向きあう女優たちだ。現在60代のアンディ・マクダウェルのインタビュー動画が3月25日、アメリカのジャーナリスト、ケイティ・クーリックのYouTubeチャンネルで公開された。最近ではNetflixのテレビドラマ「メイドの手帖」に出演しているアンディ・マクダウェルは、動画で老いについて語り、ハリウッドに若さ至上主義がはびころうと、若づくりするつもりはなく、グレイヘアも続けていくことを宣言した。「この業界ではとりわけ顕著ですが、30歳だとすぐ役がもらえます。その年齢を過ぎると難しくなります」と言うと40歳になったばかりの頃、ある映画祭で起きた気まずいエピソードを披露した。「若い女性の取材を受けたのですが、質問のひとつが“年をとって美しくなくなるってどんな気分ですか?”でした。そう面と向かって言われたのです。悲しいことです。彼女のことを思って悲しくなりました。だっていつかは彼女も私のようになるのですから」とアンディはしんみり語った。

出演作『フォー・ウェディング』などで知られ、女優マーガレット・クアリーの母親でもあるアンディは年齢が俳優キャリアに「影響する」可能性を否定しない。「その人が変化する時期というものがあって、そうすると周囲はその人をどう扱えばいいのかわからなくなるのです」と残念そうに言った。本人自身は「自分の年齢を心地よく」感じているそうだが。

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力がみなぎる

グレイヘアにしようと思ったのはだいぶ前のことだ。「担当美容師とずっと以前からしょっちゅうその話をしていました。みんなからは“まだ早い”と言われたけれど、若いうちからグレイヘアは自分に似合う、顔映りがいいんじゃないかと思ってやりたかったのです。コロナになって白髪が伸び、自分の勘が正しかったことがわかりました。いい感じです」と嬉しそうに話すと、ヒントは男性だったことを打ち明けた。「母が亡くなったのが53歳。そのとき私は23歳だったので、老いた母の姿は知りません。でも父の姿は知っています。ジョージ・クルーニーの姿もね」と笑いながら付け加えた。

ロレアル パリのミューズを務めるアンディはグレイヘアを後悔していない。「自分に似合うと心底思っていましたし、実際似合いました。グレイヘアのおかげで目の色がひきたって、これまでとはちょっと違った色あいにみえるようになったのです。肌もきれいにみえます。力がみなぎる感じです。これまでよりも強くて本物の自分自身になったみたい」と心境を語った。

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昔は若かった。そして歳をとるのは......大変な努力がいるものです。

アンディ・マクダウェル、ジャーナリスト、ケイティ・クーリックとのインタビューにて

周囲の人のほとんどが自分の決断を肯定してくれたと言うものの、外見への批判が全くなかったわけではない。だがそんな声なんか気にしない。「老けてみえると言われて、笑ってしまいました。どんなふうにみえるのかしら? わたしが何歳だと思います? もうすぐ65歳ですよ。グレイヘアになったらそれだけで75歳に見えるのでしょうか?」と愉快そうに言うとエイジズムの偏見をこう切り捨てた。「気にしません。おばあさんでいい、若づくりするのはもうたくさん。若くなんかなりたくありません。昔は若かった。そして歳をとるのは大変な努力がいるものです。体型を維持し、ボディケアスキンケアに気を使い、脳を鍛える。そのためにもう十分努力しています。これ以上なにをすればいいの? ばかばかしいことは続けられません」

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人それぞれ

インタビュアーのジャーナリストは、「老いた女性や年配の女性の姿がこれまでよりもひんぱんに」マスコミに登場するようになるとそれが「あたり前に」なるのではないかと言い、アンディ・マクダウェルが「自分の年齢を肯定的にとらえ、その年齢の自分を愛して精一杯楽しもうとしている人だとみんなが認識するようになった」ことに感心した。

もっともアンディは自分とは逆にカラーリングを続けたり、美容整形をしたりする人のことを否定しているわけではない。「私は誰も批判しません。誰でも自分のイメージをどう受けとめ、どんな選択をするか、自分なりのやり方を持っています。先日、マドンナはいろいろ意見を言われました。でもマドンナはマドンナです。私は彼女が大好きですし、素晴らしい人だと思っています」と言い、「いまの自分は自然体でいる人の代表格かもしれません。でも、10年後には考えが変わるかもしれない。どうなるのか、確実なことは何もないし、わかりません。その歳になって自分がどう感じるかはわからないのです。選択肢はたくさんありますから」と言うと、「みんなやりたいことをやればいいのです」と締めくくった。

text: Victoria Hidoussi (madame.lefigaro.fr)

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