ドラマが描く「ダイアナ妃の最期」の演出、物議をかもす。

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Netflixの人気ドラマへの批判が止まない。フィリップ王配の不倫を暗示した場面で騒ぎになった後、エリザベス・デビッキが演じるダイアナ妃の最期の描写が問題となった。

 

Twitter@DailyMailCeleb

ここまで描く必要はあったのだろうか? 多くのイギリス人がドラマ「ザ・クラウン」はやりすぎだと感じている。ダイアナ妃が乗っていて事故にあったベンツのレプリカの写真をイギリスの「デイリー・メール」紙が報じてから、Netflix批判がまたしても噴出している。

ボンネットはひしゃげ、フロントガラスは粉々、ダッシュボードもぐちゃぐちゃ……事故車両の忠実な再現には目をそむけたくなる。1997年8月31日の夜、パリのアルマ橋トンネルで起きた衝突事故の激しさを、まざまざと物語っているからだ。

「ダイアナ妃の事故を取りあげるなんて、このドラマはきわめて悪趣味だ。『ザ・クラウン』のプロデューサーはダイアナ妃に家族がおり、たとえドラマを見なくてもショックを受けることがわかっているのに」と同紙の取材にあるネットユーザーは答えている。「ダイアナ妃の他、2人亡くなった悲劇的な事故から日々利益を得ている人たちには、恥を知れと言いたい。名声欲と金銭欲に目が眩んだ彼らを神がお許しになりますように」と別のユーザーも憤った。

イギリス人のトラウマ

1997年8月31日、ダイアナ妃は恋人ドディ・アルファイドと車でパリのホテル、リッツを出発した。パパラッチに追われて運転手がコントロールを失った結果、車はアルマ橋トンネル内で鉄筋コンクリートの柱に激突した。この事故でダイアナ妃、そして恋人のドディ・アルファイドと運転手のアンリ・ポールも亡くなった。顔の骨が砕けながらも唯一生き残ったのはトレバー・リーズ=ジョーンズ、ダイアナ妃のボディーガードだった。

この悲劇はイギリス人の心に消えることのない傷として刻みこまれた。ピーター・モーガン制作のドラマシリーズの最後を飾るシーズン6(1990年代半ばから2000年代初頭)で、ダイアナ妃の最期を描くことが発表されて以来、激しい怒りの声が絶えないのはそのためだ。

ただし「衝突の瞬間そのものは描かない」とNetflixの広報担当者は2022年10月17日の「サン」紙の記事で語っている。同時期にウェブメディア「デッドライン」が報じたところによれば、ドラマでは衝突の前後に起こった出来事が描かれるはずとのこと。「夜半過ぎに車がリッツを出発し、パパラッチが追いかけるシーン、そして駐仏英国大使が仏外務省と法的な問題を処理するシーン」と関係者は同メディアに語った。その後、ドミニク・ウェスト演じるチャールズ皇太子(当時)がダイアナ妃のなきがらを迎えにパリへ向かう飛行機のシーンとなる。ドラマの放送は2023年末になる予定だ。

text: Ségolène Forgar (madame.lefigaro.fr)

この記事の元URL: https://madamefigaro.jp/culture/230404-the-crown.html