控えめなモナコのプリンセス、アレクサンドラ王女とは?

Culture 2023.04.17

母は現モナコ公の姉であるカロリーヌ公女。父はハノーファー王家の直系であるエルンスト・アウグスト5世。異父姉にはシャルロット・カシラギがいる。現在23歳のアレクサンドラ王女は、華やかな噂が多いモナコ公室の一員ながら貴族的な奥ゆかしさの持ち主で、ニューヨークモナコを行き来する生活を送っている。

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モナコのスポルティング・モンテカルロで開催された2019年の薔薇の舞踏会でのアレクサンドラ王女と恋人のベン・シルヴェスター。photography: Palais Princier/Olivier Huitel/SBM/ABACAPRESS.COM

2023年3月25日に開催されたモナコの薔薇の舞踏会では、母親や3人の異父兄姉(アンドレア、シャルロット&ピエール・カシラギ)のそばでブラックドレス姿を披露していた。エレガントでシンプルなデザインは、プライベートを大切にする23歳のプリンセスによく似合っていた。

アレクサンドラ王女は、ファッションショーの最前列に座っていたり、母カロリーヌ公女と出かけたりする姿を見かけるものの、目立ちたがりではない。実際、2020年にスペインの「テルヴァ」誌のインタビューで、「普通に暮らしたい」と本音を語っている。

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カトリックへの改宗

母カロリーヌ公女と父エルンスト・アウグスト5世の両方から王族の血を受け継いでいる。母方からは、モナコ公国のレーニエ3世とグレース・ケリーの孫娘として公国の継承順位10位にある。しかしながら彼女がモナコ公国を継ぐ可能性はほぼない。モナコの法律では、叔父の現モナコ公アルベール2世の子孫が王位を継いだ場合、彼女の権利は完全に消失すると定められているからだ。アルベール2世の長男ジャック公子がいる以上、そうなることはほぼ決まったようなものだ。

父方は、イギリスのヴィクトリア女王やデンマーク王のクリスチャン9世に連なる家系だ。アレクサンドラ王女自身、2018年にカトリックに改宗して権利を失うまでは、英国王位継承順位444位でもあった。

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スケートが大好きな完璧主義者

高貴な血筋であっても、アレクサンドラ王女には王女としてふるまいたい気持ちはなく、実力主義を重んじる考えの持ち主のようだ。「テルヴァ」誌のインタビューでは自分が恵まれていることは自覚しながらも、「王女であることを意識したことはありません」と語っている。自己表現はアイスリンクの氷上で。2011年3月、第10回モナコフィギュアスケート選手権に出場して2位となり、「スポーツでは、誰であろうがどんな出自であろうが関係ありません。誰もが懸命に努力しなくてはならないのです」と語った。

王女がこれまでインタビューを受けたのはこの「テルヴァ」誌だけだ。この時はスケートについて、「やや軽薄に見えるかもしれませんが、スケートにはとても美的な面、ショーとしての美しさがあるのです」 とその魅力を熱く語った。大会の前には念入りに調べて、毎演目のキャラクターやシナリオを作りあげているそうだ。さらに衣装についても「ファッションが大好きなので手を抜きません」と話している。

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コレクションの常連

オートクチュールなどのファッションにはとても関心があり、母の洋服を拝借することもある。有名ブランドのコレクションの最前列にスキのない装いで座る王女の姿が世界各地で目撃されている。2021年7月には「ヴォーグ」誌からスタイリッシュな新世代プリンセスのひとりとして取りあげられた。

将来、「アートファッションに関連する方面に進みたい」とも考えているようだ。

ボーイフレンド

アレクサンドラ王女はドイツのバスケットボール選手でDJでもあるベン・シルヴェスター・ストラウトマンと交際中だ。16歳の頃からの知り合いだそうだが、現在はロンドンとニューヨークの遠距離恋愛中で結婚はまだ考えていないよう。

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優等生

アレクサンドラ王女は好き、映画好き、音楽好きでもある。現在はニューヨークの名門コロンビア大学で政治学と哲学を学んでおり、読書アプリGoodReadsの彼女のページに並ぶ書名はなかなかアカデミックだ。アーレント、バルト、カミュ、プラトンの著作等々。その他にも第二波フェミニズムのシモーヌ・ド・ボーヴォワールの本、パティ・スミスやジェーン・フォンダの伝記、現代フランス文学ではエマニュエル・カレールの小説『ヨガ』、はたまたスザンヌ・コリンズの『ハンガーゲーム』3部作なども読んでいる。「テルヴァ」誌のインタビューでは、J・D・サリンジャーの『ライ麦畑でつかまえて』やミラン・クンデラの『存在の耐えられない軽さ』を愛読書として挙げていた。

この時、好きな音楽や映画についても語っている。「音楽でもファッションでも、好きな年代は1950年代と60年代。(60年代のニューヨーク広告業界を描いたドラマの)「マッドメン」をテーマにしたパーティーを開こうかと思ったこともあるけれど、ノリノリだったのは、熱心な映画ファンである親友と私だけでした」と打ち明けている。ローリング・ストーンズについて聞かれると、ミック・ジャガーが好みだと答えた後、「正直、アニタ・パレンバーグ(バンドのメンバー3人と恋愛関係にあったことから「第6のストーンズ」と呼ばれることもあったモデル女優)はとてもカッコいいと思います」とも言っている。プリンセスにしては意外にロックな趣味だ。その後は一切インタビューを受けていない。

text: Zoé Grandjacques (madame.lefigaro.fr)

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