社会派ドキュメンタリー番組、ハリー王子夫妻の慈善活動の実態を暴く!
Culture 2023.04.18
テレビ局フランス2のドキュメンタリー番組「「Envoyé Spécial(特派員)」は、4月13日の放送でハリー王子とメーガン夫人のふところ事情に切り込み、ふたりのフィランソロピー活動を分析した。
サンドリガムでのクリスマスミサでのメーガン夫人とハリー王子。(2017年12月25日)photography: Abaca
フランスのドキュメンタリーテレビ番組「Envoyé Spécial(特派員)」では4月13日の放送でハリー王子とメーガン夫人を取りあげた。まず、Spotify、Netflix、Disney......などの「企業とふたりが交わした契約を合算すると、少なくとも1億3,500万ドルを手にしたはず」と見積もる。ここで紹介されるのは、ふたりが財産を「一銭たりとも失わない」ために、「かなり巧妙な」資金計画を立てていることだ。番組によるとサセックス公爵夫妻は、資金が還流する会社を10社以上設立した。そしてこれらの会社は、「税率が非常に低いことで世界的に有名な」アメリカのデラウェア州に設立されていると、ジャーナリストのジュリアン・デュポンシェルは指摘する。
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節税対策
ここで国際金融やタックスヘイブンに詳しいエリック・ヴェルニエが登場し、夫妻の資産運用手法を解説する。これは「多国籍企業が使う節税対策の手法です(中略)。洗練された手法で、ある会社のロイヤリティが別会社に支払われ、それがまた別会社に支払われる。どこかの会社が経営難に陥っても他の会社には影響が及ばない」とのこと。しかもこれは「完全に合法的な」やり方なのだそうだ。
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休眠額900万ドル
同番組では夫妻が設立した「アーチウェル財団」にも目を向ける。財団のウェブサイトには「善を成す」ことが目的だと書かれている。やや曖昧なコンセプトであることに加え、ジャーナリストのジュリアン・デュポンシェルは寄付のためのページがないことを指摘した。その後、同財団の住所を訪ねてみたものの、そこには誰もいないオフィスしかなく、それはハリー王子とメーガン夫人の顧問弁護士の事務所だったそうだ。
夫妻が発表した同財団の最新財務報告書によれば、寄付金を1300万ドル集めたとある。各協会に支援金として渡した290万ドルと、運営費に充てられた100万ドルを差し引くと、「900万ドルが財団の口座に眠っている」計算になると番組では指摘した。「もらった寄付を使わずにどうやって善を成すのだろうか」とジャーナリストのジュリアン・デュポンシェルは疑問を呈し、「数字とふたりのフィランソロピー的発言には矛盾がある」と語った。
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お金の9割は慈善活動に使われなかった
話はサセックス公爵夫妻が以前設立した「クイーンズ・コモンウェルス・トラスト」財団の財務報告書にも及んだ。2020年、ハリー王子とメーガン夫人は、78万2500ポンドの寄付を同財団で集めた。このうち、70万5000ポンドは運営費に消えた。「お金の9割は慈善活動に使われなかった」ことになる。すでに色褪せている夫妻のイメージをさらに悪化させそうな話だ。
番組には王室専門記者のバレンタイン・ローも登場し、ロンドン時代のメーガン夫人と元従業員とのトラブルについての話を再び持ちだした。「メーガン夫人は従業員たちを泣かせ、みんな疲れ果て、夫人の怒りを招くことを恐れていた」と同記者は言う。中には自嘲して“サセックス・サバイバーズ・クラブ”を名乗る従業員までいた。イギリスの世論調査で夫妻の人気度が最低ラインにあるのも致し方ないのかもしれない。
text: Chloé Friedmann (madame.lefigaro.fr)