ロックンロールの女王、ティナ・ターナーの生涯を振り返る。
Culture 2023.05.29
ロックンロールの女王、ティナ・ターナーは、2023年5月24日、スイスで死去した。83歳だった。ティナ・ターナーは鮮やかな歌声だけでなく、象徴的な衣装でも知られ、1970〜1980年代にその地位を確立した。今回は、彼女の最も輝かしいファッションを振り返ろう。
第50回グラミー賞授賞式でのティナ・ターナー。(ステイプル・センター、ロサンゼルス、2008年)photography: Getty Images
2021年3月、米HBOでドキュメンタリー番組『ティナ』が公開された。この印象的なドキュメンタリー番組で、“ロックンロールの女王”と呼ばれ続けたティナ・ターナーが、60年のキャリアを終えてステージに正式に別れを告げ、自らのことを打ち明けた。「愛の魔力」「プラウド・メアリー」「シンプリー・ザ・ベスト」など名曲の数々。5月24日(水)にスイスで83歳の生涯を閉じたアメリカのポップ・レジェンド、ティナ・ターナーは、今も私たちの頭に響き渡るヒット曲を生み出し、セリーヌ・ディオンからビヨンセまで、多くの歌手に道を開くライブパフォーマンスを披露してきた。
ティナ・ターナー(本名:アンナ・メイ・ブロック)は、故郷テネシー州でデビューした際、夫アイクによって「ティナ・ターナー」と命名されたが、アイクはティナに長い間暴力的な支配を行っていた。当時、ティナは1960年代の特徴的なスタイルを取り入れた。花柄のドレスやヒッピールックはワードローブの一部だった。間も無く、アメリカのファッションを席巻していたディスコの流行にいち早く目をつけ、ダンスフロアのミューズのようにきらびやかに変身した。彼女のボリューム感のある髪と強く格好良いルックスは、80年代の気ままな自由を体現している。彼女のファッションのトレードマークはフリンジとパール。そしてステージでは、力強さとグラマーが合言葉だった。
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ティナ・フォーエバー
ティナ・ターナーは、キャリアを通じて、コンサートをまるでファッションショーのように演出してきた。
彼女のツアーでは、クリスタルをちりばめた超ミニドレスを堂々と着用、さらにガーターベルトまで挑戦し、引き締まった脚を露わにした。美脚は彼女のシルエットの特徴のひとつだった。ヒョウ柄のドレスからスパンコールで飾られたキャバレーの衣装まで、彼女は様々なファッションにチャレンジした。2008年の第50回グラミー賞では、ビヨンセと一緒に歌い、全身銀色のトータルルックを披露した。そのシルバーのコルセットとお揃いのパンツは、華やかさにおいてビヨンセと引けを取らなかった。
華やかなディーバとしての魅力とロックな精神を兼ね備えたティナ・ターナーは、どの時代にも彼女独自の足跡を残してきた。
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ロサンゼルスのステイプル・センターで行われた第50回グラミー賞授賞式にシルバーのドレスで登場したティナ・ターナー。(ロサンゼルス、2008年)
photography: Getty Images
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text: Narjiss ESSAFI (madame.lefigaro.fr) translation: Hanae Yamaguchi