イタリア旧王家の当主、19歳の娘ヴィットーリア王女に地位を譲ると表明。

Culture 2023.06.13

サヴォイア家のエマヌエーレ・フィリベルト皇太子は6月6日、英テレグラフ紙のインタビューに応じ、王位請求者の地位を娘に譲りたいと考えている、自分よりも「良い仕事」をしそうだからと語った。

 

サヴォイア家のヴィットーリア王女のモノクロ写真。(2023年3月22日投稿)Instagram/@vittoria.disavoia/@mathieu_pugano

サヴォイア家のエマヌエーレ・フィリベルト皇太子とフランスの女優クロティルド・クローの娘であるヴィットーリア王女は現在19歳。ロンドンで政治学と美術史を学んでおり、インスタグラムフォロワー数は約8万人。彼女はイタリア最後の国王の直系子孫として、将来は「イタリア女王」の地位請求者となる。父親のエマヌエーレ・フィルベルト皇太子は6月6日、英テレグラフ紙とのインタビューで、自分の父でサヴォイア家当主、現イタリア王位請求者のヴィットーリオ・エマヌエーレ・ディ・サヴォイア(86歳)が亡くなったら、自分の地位を娘に譲りたいと発言した。

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エマヌエーレ・フィリベルト皇太子は、これが熟考の末の決断であることを明かした。「私は喜んで身を引き、娘に役目を担ってもらおうと思っています。きっと私よりもうまくやってくれるでしょう」と語り、「それは明日でも一年後でもなく、娘の準備ができたときです。若い世代がモダンで新しい考えを実行に移す機会があることが大切です。若い世代は世界が直面している問題に我々よりもずっと敏感ですから」と続けた。

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チャールズ3世のような運命

エマヌエーレ・フィリベルト皇太子は娘を“ロックンロール・プリンセス”と呼んで可愛がっている。娘にはイギリス国王チャールズ3世のような運命をたどらせたくないと考えているようだ。「歳取ってから地位を受け継ぐ事態を避けることが大切です」と言うと、イギリスの君主は「このうえなく尊敬」しているが、王位に就くまでが「あまりにも長かった」と言い、「20年前に国王になっていたほうが本人のためだったかもしれません」と続けた。

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王政が復活する日

イタリアでは1946年の国民投票で王政が廃止された。サヴォイア家はイタリア最後の国王の直系として王政が復活する日を待ち望む。「イギリスのエリザベス女王の葬儀やチャールズ3世の戴冠式は天文学的なオーディエンス数となりました。危機の時代に王や女王はほとんど霊的な、強い存在とみなされるのかもしれません」とエマヌエーレ・フィリベルト皇太子は分析した。

2021年、イタリア最後の国王の息子ヴィットーリオ・エマヌエーレ・ディ・サヴォイアは6世紀のサリカ法に基づき否定されていた女性の王位継承を認める決定をくだし、孫娘のヴィットーリア王女が王位請求者となる道を開いた。たとえ彼女がイタリア女王の座につく日が来なくても、サヴォイア家の慈善事業を取りしきる立場にはなる。同家は2022年には93万4500ユーロの寄付をおこなった。

text: Chloé Friedmann (madame.lefigaro.fr)

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