アートフェア「Tokyo Gendai」に世界の注目作家が大集合!?

Culture 2023.07.06

奈良美智、五木田智央、名和晃平、イケムラレイコ、山元彩香、サイモン・フジワラ、サラ・ルーカス、トム・ウェッセルマン、exonemoに故石田徹也…いま名前を挙げた錚々たる顔ぶれのアートスターの作品が日本で一度に見られると言ったら信じるだろうか? これまでの日本のアートフェアでは難しいと思われていたことが、7月7日(金)から9日(日)までの3日間、パシフィコ横浜で30年ぶりに開催される国際アートフェア「Tokyo Gendai」で実現する。

「Tokyo Gendai」は、文字通り「コンテンポラリー(現代)」をテーマとし、世界的に有名なアーティストから比較的キャリアの浅いアーティストまで、新たな才能を集め、紹介するアートイベント。日本、アジア太平洋、ヨーロッパ、米国から 73もの一流ギャラリーが集まり、目利きのキュレーターが選び抜いたコンテンポラリーアートの“最前線”を堪能できる。日本内外の主要なギャラリーが集結する「Galleries」のほか、テーマや特徴に沿った作品を展示する「Hana‘Flower’」「Eda‘Branch’」「Tane‘Seed’」の計4つのセクションで構成。各セクションの主なギャラリーと見どころを一挙紹介!

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「Galleries」セクション

国内外の実力派ギャラリーが出展する「Galleries」セクション。山口 晃や、O JUNなどの作品を紹介するミヅマアートギャラリー(東京)、奈良美智や五木田智央の作品を展開するBlum & Poe(ニューヨーク・ロサンゼルス・東京)、イギリスの現代アーティストSarah Lucasと、デュッセルドルフを拠点に活動する女性アーティストKati Heckの作品を紹介するSadie Coles HQ(ロンドン)など、国内外の有数のギャラリーによるトップアーティストたちの作品を展示。

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©Javier Calleja, Maybe It's Me, 2023, Courtesy of Nanzuka

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「Hana」セクション

新人・中堅のアーティストを紹介する「Hana」セクション。アーティストの年齢やギャラリーの創業年数に関する制限を設けていないのがこのセクションの特徴。「身体」をテーマに制作活動を行なう廣直高の作品を紹介するMISAKO&ROSEN(東京)、色鮮やかでダイナミックなドローイングで知られるShohei Takasakiの作品を出展するGallery COMMON(東京)がスタンバイ。

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©Shohei Takasaki, Untitled (February 28, 2022), 2022, Courtesy of the artist and Gallery Common, Photograph by Yosuke Torii

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「Eda」セクション

著名な、または歴史的に重要なアーティスト、もしくはテーマに基づいて構成された作品を取り上げる「Eda」セクション。Gajah Gallery(シンガポール、ジャカルタ、ジョグジャカルタ)からは、インドネシア人アーティストのI Gusti Ayu Kadek MurniasihとYunizarの作品を出展。Wada Fine Arts Y++(東京)は、画家の故石田徹也のスタジオを再現した没入型のプレゼンテーションを披露。

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©Yunizar, Putri Duyung dan Ikan Merah (Mermaid & Red Fish), 2023, Courtesy of Gajah Gallery

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「Tane」セクション

アニメーション・ゲーム・映画・NFT(非代替性トークン)・AR(拡張現実)・VR(仮想現実)などデジタルメディア作品をフィーチャーするセクション。NowHere(ニューヨーク)では、千房けん輔と赤岩やえによるアートユニットexonemoが、犬小屋の中に販売中のバーチャルペットが展示されているインスタレーション『Metaverse Petshop』を展示。The Hole(ロサンゼルス)からは、Jonathan ChaplineやRy David Bradleyなど、デジタルメディアの最前線にいるアーティストたちによるグループプレゼンテーションを紹介。

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特別展示「Tsubomi」

ギャラリー以外の展示として、イケムラレイコや長島有里枝、山元彩香など日本人女性アーティスト作品のみを集めた企画展を開催。フェアディレクターを務める高根枝里が「どうしてもやりたかった」と、強い思いが込められている特別展示。日本のジェンダーレスギャップ指数が過去最低を示す中で、日本の女性アーティストたちが豊かな作品を生み出しているのをより世界の人に知ってほしいという思いが込められた。

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©Yurie Nagashima, Self-portrait (Full-Figured, Yet Not Full-Term), 2001, ©Yurie Nagashima

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期間中はスペシャルなイベントも目白押し!

アートフェアの目玉として、彫刻家の大平龍一がTokyo Gendaiのために制作した大型の新作インスタレーション『The Circuit』がメイン会場に展示予定。また、アムステルダムを拠点に活動するピアニスト、アーティストの向井山朋子は、新作インスタレーション・パフォーマンス『figurante』を7月7日(金)~9日(日)にオフィシャルフェアパートナーである天王洲の寺田倉庫で発表。

ティム・ブラム氏(Blum & Poe)やジョン・オドハティ氏(Sadie Coles)、などアートについて高い知見を持つ有識者が名を連ね、観光庁や三井住友ファイナンシャルグループといった強力なパートナーとの連携もあって、国際的なアートフェアとしての成長が期待される今回の「Tokyo Gendai」。日本のアートシーンと海外のアートシーンがつながる3日間に否が応でも期待が高まる。

保税資格を取得した世界水準のアートフェア。

Toshinaga Okazawa, Director of Enforcement Division, Yokohama Customs and Magnus Renfrew, Co-Founder, Tokyo Gendai.jpg

保税展示場許可書、交付式の様子。

そもそもアートに興味ある皆さん、「保税制度」をご存知? アート好きな方でも耳慣れない単語かもしれない。「保税」というのは、外国から届いた貨物に課される関税(輸入税)を一時的に保留し、その期間は関税の徴収が留保される(支払わなくてもよい)ことを意味する。身近なところで言えば、一切の税金がかからない国際空港の免税店を思い浮かべてもらうと分かりやすい。

通常、物品の輸出入には関税がかかり、アート作品とて例外ではない。これまで海外所蔵の作品を国内で紹介したり提案したりする際、従来は作品ごとに輸入通関時に課税されるため、出展者にとっては大きな負担となり、海外ギャラリーの日本進出を阻む要因になっていた。猥雑な関税手続きを考えると、二の足を踏むギャラリーも少なくなかった。お隣の韓国では既に保税地域があり、アートマーケットは活況を迎えているが、日本も指を咥えて見ていたわけではない。2020年12月、2021年2月に関税法基本通達一部改正により、保税地域でのアートフェアが実施可能となったのだ。

「Tokyo Gendai」は、フェア開催期間の2023年7月6日(木)~9日(日)、会場であるパシフィコ横浜が保税展示場となり、海外からの出展者は関税を留保した形で美術品を持ち込み展示することができるというわけ。参入障壁がグッと下がり、世界各地からアートシーンを牽引する国内外ギャラリーが一堂に会す歴史的な日を、ぜひその目で確かめてほしい。

Tokyo Gendai
会期:2023年7月7日~9日 ※7月6日はVIPプレビュー
会場:横浜国際平和会議場(パシフィコ横浜)
住所:神奈川県横浜市西区みなとみらい1-1-1
開館時間:7月7日(金) 11:00~19:00
7月8日(土) 11:00~19:00
7月9日(日) 11:00~17:00
当日券:一般 4000円 / 学生 2500円 / 12歳以下無料(ただし大人同伴に限る)
公式ホームページ:tokyogendai.com
チケット販売サイト:https://artsticker.page.link/tg2023

editing: Masato Nachi 

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