アラン・ドロンの同居人を子どもたちが告発!謎の日本人女性「ヒロミ」とは何者?

Culture 2023.07.09

アラン・ドロンの子どもたち、アヌーシュカとアントニー、アラン=ファビアンの3人は2023年7月5日、父と同居する60代の女性を告発した。父アラン・ドロンへの「モラル・ハラスメント」が理由だ。これまで注目されることのなかったこの女性、一体どんな人物なのだろう。

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ジャン=ポール・ベルモンドの葬儀に現れたアラン・ドロンと「ヒロミ」。photography: Best Image/Aflo

 

アヌーシュカ、アントニー、アラン=ファビアンの代理人である弁護士のクリストフ・アイエラは、3人の父親のアラン・ドロンと同居する女性が、「おどしたりすかしたりしてアラン・ドロンを親しい友人や家族から遠ざけようとした」と語った。俳優が弱っているところにつけこんだ疑いがあると言う。弁護士の表現を借りるならばアラン・ドロンの“同居女性”であるヒロミ・ロランを7月5日、俳優の子どもたちは「モラル・ハラスメント 」や「信書の隠匿」で告発した。アラン・ドロン本人も名を連ねている。

その後、長男のアントニー・ドロンは「弱者に対する意図的な暴力」、「モラル・ハラスメント」、「弱さにつけこんだ行為」、「弱者の隔離」、そしてアラン・ドロンの犬に対する「動物虐待」を理由にあらためて告発をおこなった。アラン・ドロン周辺の人たちの話によれば、現在66歳のヒロミは俳優が2019年に脳卒中で倒れた後、影響力を持つようになったようだ。きっかけは彼の世話をするため同居したことだった。俳優が1971年に購入したフランスのロワレ県ドゥシーにある120ヘクタールの地所でふたりは一緒に暮らすようになった。もっとも当初の家族関係は和やかだった。

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長年の知人

2021年、「TV5モンド」テレビのドキュメンタリー番組に当時87歳のアラン・ドロンが出演し、「同居している日本女性、ヒロミは、療養中ずっと一緒にいてくれました」と語った。実のところふたりは1990年代からの長い知り合いだ。彼女は1992年、アラン・ドロン主演、エドゥワール・ニエルマン監督の映画『カサノヴァの最後の恋』でセカンド助監督として働いていた。

また、テレビドラマシリーズ「アラン・ドロンの刑事フランク・リーヴァ」(2003年)の現場にもいたようだ。オンラインデータベースのIMDbによれば、ヒロミ・ロランは1980年代から1990年代にかけて、『3人の逃亡者/銀行ギャングは天使を連れて』(1986年)や『弁護士デュナンの衝撃』(1993年)、『不倫の公式』(1995年)等、多くのフランス映画でセカンドやサードの助監督を務めた。また、メイクアップアーティストとしても活動し、アラン・ドロンのアシスタントを務めた時期もあったそうだ。こうしてふたりは強い友情の絆で結ばれ、それは次第に愛へと変わっていった。

2021年6月、仏『イッシパリ』誌の取材に対し、俳優と親しい関係者がこんなふうに語っている。「長い間、ふたりは単なる友人でした。時が経つにつれて、気持ちに変化が訪れました。ヒロミはアランの回復にまぎれもなく貢献しただけでなく、心の平穏をもたらしました」と。2021年9月10日に行われたジャン=ポール・ベルモンドの葬儀にヒロミはアラン・ドロンと参列した。さらに今年の5月、ふたりはドロンの息子、アラン=ファビアン・ドロンの新作映画のプレミアにも出席している。

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不穏な兆候のはじまり

アラン・ドロンの子どもたちによれば、この2年でヒロミとアラン・ドロンの関係は悪化した。ヒロミは俳優や子どもたちに対してとげとげしい態度をとり、ののしることもあったそうだ。子どもたちを父親に会わせなかったり、俳優のやりとりを監視したり、とりわけ電話や私信に目を光らせ、郵便物も勝手に開けようとしたと言う。

アラン・ドロンを代父に持つ女優のジェラルディン・ダノンはニュース専門のBFMテレビにこう語っている。「アラン・ドロンが脳卒中で倒れた後、ヒロミという人の存在が大きくなった。直接話すのも難しくなり、メールは全て彼女を経由しなくてはならなくなった」と。

このような状況を受けて心配したアントニー・ドロンがヒロミの行動を記録しはじめたのが1年半前のことだった。

今回の騒ぎの発端は、アラン・ドロンの誕生日ランチパーティーの席で、アントニーとヒロミが口論をはじめたことだったようだ。アントニーは、父のアラン・ドロンが入院しなくてはならないほど激しく転倒したことを自分たちに黙っていたとヒロミを非難した。ヒロミは、この件についてまだ公式に表明していない。

text: Chloé Friedmann (madame.lefigaro.fr)

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