年の差カップル、マクロン大統領夫妻が見せるキスの意味。
Culture 2023.07.19
7月14日の革命記念日に、エマニュエル・マクロン大統領とブリジット夫人は、シャンゼリゼ通りでの伝統的なパレードを歓迎した。
7月14日のパレードに出席したインドのナレンドラ・モディ首相、エマニュエル・マクロン大統領とブリジット大統領夫人。(パリ、2023年7月14日)photography: Getty Images
エマニュエル・マクロン大統領の公の場での妻への挨拶は、繊細でエレガントなハンドキス。7月14日、シャンゼリゼ通りでの軍事パレードが始まる数分前、マクロン大統領は、インドのナレンドラ・モディ首相、エリザベット・ボルヌ首相と政権のメンバー、そしてブリジット夫人に迎えられ、凱旋門に現れた。マクロン大統領は同僚たちの敬意を受けながら、妻の手にキスするために身をかがめた。(下記の動画、27分30秒の部分。)
昨年の7月14日のパレードの際にも、同じ光景が見られた。その際には、各メディアが大統領のハンドキスが驚きをもって報じた。
スイスの新聞「ブリック(Blick)」は、「マクロン大統領の妻ブリジット夫人へのハンドキスは“最高のエレガンスか、究極の変革か?”」と題し、ハンドキスに込められた象徴的な意味に注目すべきだと説明。「この手へのキスが、何かを物語っているとしたら?」と、フランスが選挙によって揺れ動く状況下で問いかけた。「エマニュエル・マクロンは魅力に頼ることの多い大統領だが、一方でそれと距離を置く必要があることを理解している。ハンドキスは親密な雰囲気を漂わせながら、すべての人々、そしてフランスに向けた賞賛と尊敬とを結びつける」と記事の著者は分析している。
しかし、この分析は今年の状況には当てはまらなさそうだ。6月27日にナンテールでの取り締まり中に警官によって殺されたナエルの死をきっかけに、フランスでは数週間にわたって激しいデモが続いている。
text: Léa Mabilon (madame.lefigaro.fr) translation: Hanae Yamaguchi