夏のセックスは気分が高まる!? 専門家が答える「性の神話」のウソ、ホント。
Culture 2023.08.01
夏が来た。うきうきヴァカンスへ出かける前に、夏のセックスに関する私たちの思いこみが果たして正しいのか、ふたりの専門家によるチェック。
夏のセックス神話。 photography: Oleg Breslavtsev / Getty Images
夏到来! 身も心も解放されて、水着でビーチに寝そべり、照りつける太陽の下で果物をかじっていると、ホルモンがムクムク湧きあがってくる感じがする。だが本当にそうなのだろうか。海辺であれどこであれ、ヴァカンス中に性欲が高まるように感じている私たちの“常識”が正しいのか、専門家に聞いてみた。
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●休暇中はセックス回数が増える
--正しい。ただし充実した性生活を送っている人なら休暇中もペースは変わらないはず。すれ違いの多いカップルなら、休暇がいいきっかけとなるかもしれない。「時間があるかどうかの問題です。普段はふたりの時間がほとんど取れないというカップルは多いですから。でも休暇中なら一緒に過ごす時間も増えます」と、セックス・セラピストのマリー=リーヌ・ウルバンは言う。
●性欲は増す
--誤り。生物学的なレベルの変化はない。性欲が増したように感じるのは、仕事から解放されたからだ。「よく聞くのは、休暇が始まってしばらくすると、悩みでいっぱいだった頭が空っぽになり、セックスしたくなるということです。エロい気持ちや相手への気持ちが増すのです」と、セックス・セラピストで精神分析医のセシリア・コモは言う。
身体感覚も重要だ。マリー=リーヌ・ウルバンによれば、「夏のヴァカンス中は自分の身体感覚を取り戻してリラックスし、露出も増えます。それが刺激となってセックスのことを考えたりするのです」
●ヴァカンス中のセックスはいつもより気持ちいい
--誤り。セシリア・コモは、「お互いの相性が悪ければ、ヴァカンス中だからと言って良くなることはありえません」とバッサリ。セルフイメージや相手のイメージはセックスで気持ちよくなるための重要ポイント。「自分のことを魅力的と思えなければ、どんな季節であろうと、良好な関係を築くことは難しいでしょう」とマリー=リーヌ・ウルバンは容赦ない。いずれにせよ、ふたりで一緒にいる時間が長くなれば互いにかまう時間が増えて関係は改善される傾向にある。
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●いろいろなセックスを試せる
--ケースバイケース。いろいろ試したいと思っている人にとってはいい機会だ。だが、セシリア・コンモが言うように、「できない理由があるとか、ためらいがある人の場合、それはヴァカンス中でも変わりません」。新しい性体験に挑戦したいかどうかは場所や時期に左右されるものではない。
●奔放なセックスライフが楽しめる
--正しい。とりわけ独身の人や若者は解放的な気分でそうなりがちのようだ。「旅先だからと気軽にナンパします。その場限りだとわかっているからです。なんの縛りもないので自由に振る舞います」とマリー=リーヌ・ウルバンは言う。自由かどうかは周囲との関係やどんな環境にいるかに左右される。「旅先では評判を守る必要もないので、より奔放になります。こうして普段ではやらないのに、気軽に声をかけたりするのです」とセシリア・コモ。
●ビーチでのセックスは最高
--誤り。海辺の白いビーチで抱きあうシチュエーションは牧歌的だが、現実はまったく違う。「正直なところ、砂の上はそれほど快適ではないのであまり現実的ではないですね」とセシリア・コモ。しかも人目のあるところで愛し合うなら、多少なりとも露出癖が必要だ。セシリア・コモ曰く、「興奮する人もいれば、見られたらとやる気が削がれる人もいます」とのこと。
text: Raïnat Aliloiffa (madame.lefigaro.fr)