オペラ座ガラ公演で、舞台裏ツアー&ダンサーとの撮影会!

Culture 2023.08.22

2023年、コロナ禍の渡航制限が緩和されて初の夏休み。バレエ界では海外カンパニーやスターダンサーの来日が続き、華やかな公演が繰り広げられている。

7月末に開催されたパリ・オペラ座のダンサーたちによるガラ公演『オペラ座ガラ ―ヌレエフに捧ぐ―』では、フィガロジャポンのためのスペシャル企画も開催! 公演日のバックステージツアーに加え、出演者であるパリ・オペラ座バレエ団エトワールのポール・マルクをゲストに招き、撮影会を行った。当日の様子を写真とともに振り返る。


公演が行われたのは東京文化会館。1961年、前川國男によって建築されたこの会場では、オペラ、バレエ、クラシックコンサートを始め、多彩な催しが企画されてきた。

230816-gala-Nureyev-01.jpg

客席を確認する舞台袖の小窓から舞台に通じる細い道は、歌舞伎の舞台と同じく「花道」と言われる。公演によってはここから出演者が登場することも。

バックステージツアーは、舞台袖からスタート。公演を控えた舞台にはすでに最初の作品の背景が用意されている。普段の観客席からは見られない角度から舞台装置の様子を知ることができ、参加者たちは早くも興奮!

230816-gala-Nureyev-02.jpg

上演前の舞台。バレエ公演の際はダンサーの脚の負担を軽減するため、一面に専門の“バレエ床”が敷きつめられ、その上にリノリウムが敷かれる。プログラムによってはシーンによって床の色を替えるため、使う順番に複数のリノリウムを重ね、幕間に剥がして場面転換するといった大仕事も行われているそう。

---fadeinpager---

舞台裏には、壁一面を埋め尽くすように歴代の公演関係者のサインが記されている。最も古いサインは会館がオープンした60年代のものということだが、その上からも別のサインが重ねられ、どれが最初のものかは定かではないそう。

230816-gala-Nureyev-03.jpg

60年代以降、さまざまな国の言葉で刻まれてきたサイン。

230818_backstage_01.jpg

今回はガラ公演のため、フルカンパニー公演に比べ舞台装置がシンプル。それゆえバックステージに準備されている大道具が少なく、飾られたパネルやサインが隠れることなく見えたのは、今回の参加者にとってラッキーだったかも!?

230816-gala-Nureyev-05.jpg

時間が許す限りここで過ごし、ひとつひとつのサインをじっくり見たい!という参加者の熱い想いが伝わってきた。

---fadeinpager---

そしてツアーは楽屋エリアへ。廊下には衣装係が整えた公演用のコスチュームが用意され、ダンサーの気配がリアルに感じられる中、心なしか参加者の足取りも慎重に。

230816-gala-Nureyev-06.jpg

ラックには、出演者ごとに衣装がかけられている。

衣装は、昼公演、夜公演で同じ演目が続く場合、合間にメンテナンスが行われるが、替えのないものは2回目の公演までに洗って乾かす必要がある。素材がデリケートなことも多いため、乾燥機は使わずに扇風機やドライヤーの冷風で乾かすという地道な作業が行われているそうだ。

230816-gala-Nureyev-07.jpg

衣装メンテナンス中のスタッフ。

舞台裏を支えるスタッフは、なくてはならない存在。その仕事ぶりも目の当たりにし、多くの人が関わって公演が実現しているのだというありがたみが一層リアルなものに。

会場が積み重ねてきた歴史から、舞台の造りにまつわるトリビア、そして裏方が見せる活躍まで。さまざまな驚きと感動が詰まったバックステージツアーは、参加者にとって心に残る体験となったに違いない。

---fadeinpager---

バックステージツアー終了後は、ガラ公演の鑑賞。
そして舞台終了後、ポール・マルクを迎えて撮影会を開催した。

230816-gala-Nureyev-08.jpg

2014年パリ・オペラ座バレエ団に入団したポール・マルクは、コロナ禍の2020年12月13日にライブ配信されたヌレエフの『ラ・バヤデール』にてブロンズ・アイドルを踊り、エトワールに任命された。その様子は映画『新章パリ・オペラ座~特別なシーズンの始まり』の中にも収められている。

エトワールになって初の来日となる今回の公演では、Aプロで『ライモンダ』より第3幕のグラン・パ、Bプロで『ゼンツァーノの花祭り』、『くるみ割り人形』より第2幕のグラン・パ・ド・ドゥを披露した。

「観客のみなさんから大きなパワーをもらいました」と公演の感想を話してくれたポール。彼は踊るキャラクターによって纏うフレグランスを替えていて、海外公演の際も香水を欠かさず持っていくそう。今回も「東京で踊る役柄に必要な香水をすべて持ってきた!」と言う。役柄によって、彼がいまどんな香りを纏っているのか?と想像するのもおもしろそう。

パリ・オペラ座は来年2月に来日公演を予定している。ポールも「来年また来られれば、多くの方々にお会いできることを心より楽しみにしています」とメッセージをくれた。再会を楽しみに、パリでの活躍を祈ろう。

ポールのメッセージを動画でもチェック!

パリ・オペラ座来日公演
「白鳥の湖」
振付:ルドルフ・ヌレエフ(マリウス・プティパ、レフ・イワーノフに基づく)
音楽:ピョートル・チャイコフスキー
2024年2月8日(木)、2月9日(金)、2月10日(土)※2回公演予定、2月11日(日)
会場:東京文化会館(上野)

「マノン」
振付:ケネス・マクミラン
音楽:ジュール・マスネ
2024年2月16日(金)、2月17日(土)※2回公演予定、2月18日(日)※2回公演予定
会場:東京文化会館(上野)

www.nbs.or.jp/publish/news/2023/07/2024.html

photography: Daisuke Yamada

Share:
  • Twitter
  • Facebook
  • Pinterest

2025年春夏トレンドレポート
中森じゅあん2025年年運
フィガロワインクラブ
Business with Attitude
パリシティガイド
BRAND SPECIAL
Ranking
Find More Stories

Magazine

FIGARO Japon

About Us

  • 広告掲載
  • お問い合わせ
  • よくある質問
  • ご利用規約
  • 個人の情報に関わる情報の取り扱いについて
  • ご利用環境
  • メンバーシップ
  • ご利用履歴情報の外部送信について
  • Twitter
  • instagram
  • facebook
  • LINE
  • Youtube
  • Pinterest
  • madameFIGARO
  • Newsweek
  • Pen
  • Pen Studio
  • 書籍
  • 大人の名古屋
  • CCC MEDIA HOUSE

掲載商品の価格は、標準税率10%もしくは軽減税率8%の消費税を含んだ総額です。

COPYRIGHT SOCIETE DU FIGARO COPYRIGHT CCC Media House Co.,Ltd. NO REPRODUCTION OR REPUBLICATION WITHOUT WRITTEN PERMISSION.