仕事が私にくれたもの:ジャン・コロナ デザイナーのジャン・コロナが語る、デルヴォーコラボバッグ。
Culture 2023.09.01
レックス エックス エルを買ってくれた人には、
日々の相棒として使って欲しい。
Jean Colonna/ジャン・コロナ アルジェリア生まれ、南フランス育ち。パリでファッションを学び、1977年からピエール バルマンでキャリアをスタート。89年に自らのブランド、ジャン コロナを立ち上げ、人気を集める。
ベルギーの老舗ブランド、デルヴォーとデザイナーのジャン・コロナが手を組み、2019年に発表されたバッグ「レックス エックス エル」の第2弾が発表された。それに合わせてジャン・コロナも来日。「デルヴォーのアジアツアーで北京や上海を訪れ、東京に着いたよ。実はツアー前に日本で休暇を過ごした後、中国へ。僕はそれくらい日本が好きで、会いたい友だちも食べたいものもたくさんあるんだよ」とにこやかに話してくれた。現在はパリを離れ、マルセイユで暮らしているが、「レックス エックス エル」といつも一緒だと言う。
「今回の旅も一緒。普段はマーケットに行ったりバイクに乗ったり、毎日使っている。身体の一部になってくれるようなバッグを作りたかったんだ」
---fadeinpager---
ジャンがこのバッグのデザインを思いついたのは、パリでデルヴォーの展示会の帰りの夜道だった。
「急に閃いたんだ。翌日も、そのデザインが頭を離れない。その後、デルヴォーのCEOから電話があり、アイデアを話したら、ぜひ、会いたいと言われてね……」
そこでジャンが提案したのは、「大きくて、柔らかくて、ジェンダーレス、そしてショルダーストラップのないもの」と、フェミニンなデルヴォーのイメージとかけ離れたデザインだった。
「ショルダーストラップがないと……という意見もあったけど、ファッションと機能性は必ずしも共存しない。僕のデザイン哲学は、消費者に寄って行きすぎないようにすること。彼らからも僕のデザインに歩み寄って欲しいんだ。このバッグも、まさにそう。気に入ってくれた人には、間違いなく日々の相棒になってくれることを約束するよ」
新作のカモフラージュでは、よりジェンダーレスなムードを強く押し出した。
「この柄は僕にとってジェンダーのない花柄のような感覚。このバッグの登場で、デルヴォーの魅力が女性だけではなく、男性にも伝わったらいいよね」
デルヴォー・ジャパン tel:03-6432-9125
*「フィガロジャポン」2023年9月号より抜粋
text: Tomoko Kawakami