マクロン大統領夫妻、チャールズ国王とカミラ王妃をフランス流に「キス」で歓迎。
Culture 2023.09.21
2023年9月20日、イギリスのチャールズ3世とカミラ王妃は3日間の公式訪問でフランスに到着した。パリの凱旋門の前でマクロン仏大統領夫妻が出迎えた。
チャールズ3世とカミラ王妃は9月20日、オルリー空港に到着し、エリザベス・ボーン仏首相の出迎えを受けた。その後、イギリス国王夫妻はパリの凱旋門へ向かい、エマニュエルとブリジット・マクロン仏大統領夫妻による歓迎セレモニーがおこなわれた。果たしてファーストレディは国王夫妻の前でお辞儀をするだろうか、というのがフランス国民の密かな関心事だった。
そして一部の人が予想していたように、ブリジット・マクロンはカミラ王妃の頬にキスをし、チャールズ3世と握手をすることを選んだ。これは決してプロトコール違反ではないし、外交問題に発展する危険もない。
英国王室の公式ウェブサイトによれば、「強制的な行動規範はない」というのが公式見解だ。と同時に、それでも若干の礼儀作法のルールや定型パターンは存在することも記載されている。イギリス国王に挨拶する場合、伝統的なやり方は男性の場合、頭を下げる。女性は右足を左足の後ろに回して膝を曲げ、同時に頭を下げる。ただし、お辞儀は強制ではなく、握手でも構わない。この場合、チャールズ3世の方から手を差し伸べるのを待つべきで、自分からやってはいけない。こうしてみるとブリジット・マクロンに失態はない。
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これまでのファーストレディたち
オンラインメディアの「ハフポスト」でジャーナリストのトマ・ペルネットは歴代仏大統領夫人がエリザベス女王の前でお辞儀することを選んでいたと語っている。「ベルナデット・シラクは深々とお辞儀をしていた。2008年に女王が国賓として仏訪問した際、カーラ・ブルーニ=サルコジは果たしてどうするのだろうとみんな思っていた。結局彼女は完璧なお辞儀をしてみせて、仏英両国民は大喜びだった」
『Manuel de survie royale (et de bonnes manières)(原題訳:王室サバイバル(およびマナー)マニュアル)』(Epa出版)を上梓したばかりのトマ・ペルネットに言わせれば、お辞儀しないのもひとつの意識的な、時には政治的な選択でもある。ブリジット・マクロンのようにお辞儀をしないのはアメリカンスタイルで、「アメリカのファーストレディは決してお辞儀をしない。それは旧宗主国に対する矜持の問題だ」とトマ・ペルネットはハフポストに語った。
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【写真】王室のフランス公式訪問
オルリー空港でのエリザベス女王、ルネ・コティ第17代仏大統領、フィリップ王配。(1957年4月8日)
photography: Abaca
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ルノー工場を訪問するエリザベス女王。(フラン、1957年4月11日)
photogrphy: Getty Images
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アヴィニョンを訪れたエリザベス女王とチャールズ3世。(アヴィニョン、1972年5月)
photography: Getty Images
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カンヌ国際映画祭でのチャールズ3世とダイアナ妃。(カンヌ、1987年5月)
photography: Abaca
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ロワール地方のシュノンソー城を訪れたチャールズ3世とダイアナ妃。(1988年11月9日)
photography: Getty Images
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フランソワ・ミッテラン第21代仏大統領と会談するチャールズ3世。(パリ、1992年3月2日)
photography: Abaca
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フランソワ・ミッテラン第21代仏大統領とエリザベス女王による英仏海峡トンネル開通式。(カレー、1994年5月6日)
photography: Abaca
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1998年ワールドカップのイングランド対コロンビア戦を観戦するチャールズ3世とハリー王子。(ランス、1998年6月26日)
photography: Getty Images
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ジャック・シラク第22代仏大統領の歓迎を受けるチャールズ3世。(パリ、2003年2月6日)
photography: Abaca
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エリゼ宮の階段にて、フィリップ王配、エリザベス女王、ジャックとベルナデット・シラク第22代仏大統領夫妻。(パリ、2004年4月5日)
photography: Abaca
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笑顔のエリザベス女王とジャック・シラク第22代仏大統領。(パリ、2004年4月5日)
photography: Abaca
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ジャック・シラク第22代仏大統領、ジャン=ピエール・ラファラン仏首相と共にエリゼ宮での晩餐会に出席したエリザベス女王。(パリ、2004年4月5日)
photography: Abaca
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カーラ・ブルーニとニコラ・サルコジ第23代仏大統領夫妻、カミラ王妃、チャールズ3世がエリゼ宮で会食。(パリ、2008年11月10日)
photography: Abaca
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凱旋門の下で花輪を捧げるフランソワ・オランド第24代仏大統領とエリザベス女王。(パリ、2014年6月5日)
photography: Abaca
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チャールズ3世とカミラ王妃に挨拶するフランソワ・オランド第24代仏大統領。(ウイストルアム、2014年6月6日)
photography: Abaca
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フランソワ・オランド第24代仏大統領と共にノルマンディー上陸作戦70周年記念式典に出席するエリザベス女王。(ウイストルアム、2014年6月6日)
photography: Getty Images
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ウィリアム皇太子、フランソワ・オランド第24代仏大統領、キャサリン皇太子妃。(パリ、2017年3月17日)
photography: Abaca
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オルセー美術館を訪れたウィリアム皇太子とキャサリン皇太子妃。(パリ、2017年3月18日)
photography: Abaca
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エッフェル塔を背にしたウィリアム皇太子とキャサリン皇太子妃。(パリ、2017年3月18日)
photography: Abaca
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シェフのピエール・ガニェールとチャールズ3世。(パリ、2003年2月8日)
photography: Abaca
text: Ségolène Forgar (madame.lefigaro.fr)